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しーちゃんEATS

ヒロイン:山下瞳月さん




これでよしっと。


給料日翌日、頑張った自分へのご褒美にと特上焼肉弁当をUberしてしまった。

たまにはね…。なんて言い聞かせはするものの、財布へのダメージは大きい

あ。やっべ、飲み物買い忘れた。

流石に飲み物くらいは自分で買いに行くか…。

重い腰をあげ、アウターを羽織ると
近くのコンビニへ向かった。



──────────



『これ美味いな〜。ええ匂いしとっただけあるわ〜』

コンビニから帰ると玄関の前に見知らぬ少女が居た

だ、誰だこの子…

よく見ると”UberEATS”と書かれたリュックを背負っている。

○○:え、えーっとあの…?

『あ、遅かったな。先頂いてるで』

少女はこちらを見たかと思えば、すぐに視線を戻し食べるのを再開した。

○○:そ、それ僕が頼んだやつじゃ……

『そうやな。ピンポン押してもなかなか出てきーひんから先食べとこ思て。冷めたらもったいないやろ?』

○○:な、なるほど。

『お兄さんも食べる?』

○○:あ、うん。ありがとう

『はい。じゃああ〜ん』

○○:あ〜

開いた口の中に上カルビが運ばれて

───極上の肉汁が口いっぱいに広がった。







じゃなくて、
あれ?何この状況

なんで僕が頼んだ高級焼肉弁当食べられてるの

こっわ。

普通に絡んでくるから脳がおかしくなっていた

えーっと、
これってどこからツッコめばいいんだ?

脳みそをフル回転させていると

”ガチャ”

タイミング良く(?)お隣さんの扉が開いた

お姉さんは僕と少女の顔を交互に見て首を傾げると、足早に去って行った。

あ、まずい。

このままだと特上焼肉弁当だけでなく、ご近所さんの信用まで失ってしまう

と、とにかく一旦、隠れよう

○○:えーっと。とりあえずここじゃあれなので、部屋の中に入ってください

『ええの?お邪魔します〜』


─────────


な、なにから話せばいいんだろう…

ワンルームに美少女と2人
あまりにも見慣れない絵面だ

『ほんま、美味いなこれ』


目の前のその子はというと、焼肉弁当を美味しそうに頬張り続けている

○○:えーっと…君は…?

『瞳月です。山下瞳月』

○○:…山下さんは配達の方ですよね?

瞳月:そやで

○○:なんで僕が頼んだ物食べてるの?

瞳月:しばらくは待っててんで?
でも、めっちゃええ匂いしとったからつい。

○○:そこはもういいです。諦めます

○○:ただ、僕もう帰ってきたので、箸止めてもらっても…?

瞳月:こんな美味いもん箸が止まるわけないやろ

そう言って凄いペースで食べ続ける山下さん

気がつけば中身はほとんど無くなっていた。

○○:ああ、最後の1切れ

伸ばした僕の手が山下さんに届くことはない

最後の上カルビは山下さんの口に吸い込まれていった。

瞳月:美味かったわありがとう

○○:あ…はい。

○○:美味しかったなら…良かったです

瞳月:ずっと気になってたんよこの店

○○:SNSで話題らしいですもんね。

瞳月:やっぱそうなんやな。めっっちゃ美味かった

○○:そうですね。美味しかったですよね

山下さんのせいで、僕は一切れしか食べられなかったですけど……とは流石に言えなかった。

瞳月:あかん。ちょっと食べたらお腹すいてきたわ

○○:いや、えっ?まだ食べるんですか?

瞳月:もちろん。しー食べるの大好きやから

○○:そ、そうなんですね。

瞳月:Uberの配達してるんもお店のリサーチも兼ねてんねん。賢いやろ?

○○:なるほど、だから配達を

○○:女性の方、結構珍しいですもんね。

瞳月:やばっ。配達で思い出した。

瞳月:そろそろ仕事再開せなあかんわ。来月の食費のためにも頑張らんと

○○:な、なるほど…。頑張ってください

瞳月:お兄さんまたな。お肉ご馳走様

優しく微笑んで手を振ると、
部屋から出ていってしまった。

・・・

しばらくしても、美味しそうに食べる君の顔が頭から離れない


満足気に微笑んだあの表情をまた見たい

自分が食べている訳じゃないのに満足感があるという、今までなかった不思議な感情が芽生えていた

また今度、何かUberしてみようかな

そしたらまた会えたりして


──────────


数日後

…また、UberEATSで注文してしまった

前回はお肉系だったから今回は魚系

山下さんが来ると決まっているわけではないのに、期待して謎の気遣いをしてしまった

注文後、しばらくすると配達の担当者が表示される

そこにはSHIZUKIの文字とあの時の少女の写真

え、静止画でも可愛い

…じゃなくて。

超超ラッキーだ。
奇跡的に山下さんが配達員らしい

配達予定時刻が近づいてくるのが落ち着かなくて、部屋の掃除なんてしてしまった。



”ピンポーン”



○○:は〜い

ドアを開けるとそこには山下さん

瞳月:お、今日はおるやん。
はい、じゃあこれ注文の品な

背中のリュックからお寿司を取り出すと、僕に手渡した。

○○:ありがとうございます

瞳月:お兄さん彼女おったん?

○○:え、居ないですよ?

瞳月:あ、そーなんや。えらい沢山注文してるから、誰かと食べるんかと思ったわ

○○:ああ、えーっと

瞳月:ん?どうかしたん?

○○:その話なんですけど、なんて言うかその…

○○:良かったら山下さんも一緒にどうかなーって

瞳月:ええの?

○○:もちろん

瞳月:なら、お言葉に甘えさせてもらうわ

○○:じゃあどうぞ、入って入って

瞳月:お邪魔しま〜す

一緒に食べよう作戦はなんとか成功だ。

前回、ご飯大盛りの焼肉弁当をペロリと食べていた山下さん

寿司も沢山食べるだろうと思い、
奮発して4人前も頼んでしまった

勢いって怖い

今思うと、もし山下さんが配達員じゃなければどうするつもりだったんだろう…

結果的に、山下さんが来てくれたので賭けに勝ったということ。今日の僕はツイている

瞳月:しーお寿司も好きなんよな

○○:ほんと?良かったです

○○:はい、これお箸どうぞ。醤油はこのお皿に入れてください

瞳月:ありがと。じゃあ、食べよか

「『いただきます』」

沢山の寿司を前に目を輝かせている山下さん。寿司達は次々に山下さんの口へ運ばれていく

一貫一貫、食べる事に満足気に頷く君

ほんとに美味しそうに食べるな

一人暮らししている分、誰かとご飯を食べるといつもより美味しく感じる

山下さんと一緒ならよりいっそう

幸せそうに食べる山下さんが魅力的に映ったのは気の所為ではなかったようだ。

僕の食べる手は止まり、彼女に目を奪われてしまっていた。


瞳月:しーのことずっと見てるけどどうしたん?

○○:あ、いや別になんでもないです。

瞳月:嘘。めっちゃ見てたやん

○○:美味しそうに食べるなーって思って

瞳月:ああ、そういうこと。

○○:そうそう

瞳月:でも、そろそろお腹いっぱいや

○○:あれ?早くない?

10貫とちょっと食べたくらいの所で
ギブアップした山下さん

思ってたよりだいぶ早い

瞳月:しー、寿司は好きやけど沢山食べると魚酔いしてまうねん

○○:そーなのか。

瞳月:沢山は食べれんかったけどめっちゃ美味かったで。

瞳月:ご馳走してくれてありがとな?

○○:いえいえ

瞳月:ていうかさ

○○:どうしました?

瞳月:なんでこんなに沢山頼んだん?

瞳月:男の子でも流石に1人じゃ食べきれへんやろ

○○:え、えーっと

いきなり核心に迫られた質問をされて動揺してしまい、頭が真っ白になった。

○○:な、なんとなく沢山食べたい気分で

瞳月:ふ〜んそっか

正直に自分の気持ちを言えるはずもない

そもそも、また会いたいと思って注文してる時点で我ながらやばい奴と思う

それに加えて、一緒に食べる妄想までしていたのだ。バレたらドン引きされてしまうだろう

瞳月:あんま長い時間お邪魔しても申し訳ないし、そろそろ行くな?

○○:あ、えっと

瞳月:ん?


○○:……ちょっと待ってください

瞳月:どうかしたん?

今回は運良く山下さんに会えたものの、次いつ会えるか分からない

ここは玉砕覚悟で素直に思いを伝えるしかない

○○:また、山下さんが配達してくれないかなーって思って沢山頼んだんです……

○○:一緒に食べたいなって思って


瞳月:・・・


○○:ごめん、気持ち悪いよね。忘れてください。

瞳月:なんで、しーと食べたいと思ったん?

○○:そ、その……


○○:美味しそうに食べてるところをまた見たかったというか……

瞳月:ふ〜ん。

瞳月:君は沢山食べる女の子嫌じゃないんや?

○○:うん。美味しそうに食べてたらこっちまで幸せな気持ちになるし

瞳月:そ、そっか

○○:うん。

瞳月:な、ならさ。



瞳月:今度一緒にご飯食べ行かへん?

○○:えっ、いいの?

瞳月:2回もご馳走して貰ったわけやし、次はしーにご馳走させてや

○○:まじ?嬉しい

瞳月:じゃあ、決まりな

○○:うん!

瞳月:はい、スマホ出して

○○:ん?

瞳月:要らんの?しーのLINE

○○:それは欲しいです。もちろん!

瞳月:すっごい必死やな

瞳月:じゃあ、このQR読み込んで

○○:えーっと。追加出来たかな?

瞳月:うん、通知来た

画面に表示された「しづき」の文字

やっぱり今日の僕はツイているみたいだ

瞳月:君の名前○○って言うんやな

○○:言ってなかったっけ?

瞳月:しーには聞いてきた癖に教えてくれへんかったやろ

○○:だって聞かれなかったし……

瞳月:普通聞く前に名乗るもんやで

○○:まぁ、そっか。そうなのかな?

瞳月:別にええけど

瞳月:じゃあ、バイト終わったら連絡するから。今度ご飯行こな!

○○:うん、連絡待ってる

瞳月:じゃあ、またな〜

”ガチャ”


山下さんが帰って静まり返る部屋

まさか女の子を2度も部屋にあげることになるとは

今日も可愛かったな…。

思い出すだけで、
体温が上がっていくような気がする

ただ、今回は前回とは違って次の約束が出来た。

洋服でも買いに行くか……

ご飯を食べに行くだけ。それだけなのに、僕の心は舞い上がってしまっていた。

誰かと会うのがこんなに楽しみなのはいつぶりだろう。


────────────


LINEを交換してから1週間後、
山下さんと僕はラーメン屋に来ていた。

瞳月:やっぱ、ラーメンは店で食べるのが1番やな

○○:そうだね。Uberしたら麺伸びちゃいそうだし

瞳月:替え玉もできへんしな

○○:替え玉するんだ

瞳月:そりゃするやろ。替え玉がメインディッシュまであるやん

○○:麺は全部一緒だけどね。

瞳月:細かいこと気にするんやな。モテへんで?

瞳月:あ、店員さん替え玉1つお願いします。

○○:うっ。痛いところを

瞳月:モテへんのや。

○○:うるさいよ

瞳月:やっぱり、彼女はおらんの?

○○:やっぱりってなんだよ

瞳月:居なさそうやもん

○○:ひどっ

瞳月:で、結局どっちなん

瞳月:店員さーん替え玉1つお願いします。

○○:居たら2人でご飯食べに来たりしないよ

瞳月:なんやそれ。これがデートやとでも思ってるん?

○○:……そうだったらいいなって思ってる

瞳月:しーにまた会いたくてUberしちゃうくらいやもんな?

○○:あんまりからかわないでよ

瞳月:まぁ、正直なんはポイント高いで

瞳月:店員さん替え玉1つください

○○:そういう山下さんはどうなの?彼氏は居るの?

瞳月:おったら男の子の家上がらんやろ

○○:そっか。

瞳月:嬉しそうなの顔に出てんで

○○:心読めるの?

瞳月:ニヤけすぎやろ。誰でも分かるわ

瞳月:あ、店員さんすいません。替え玉1つお願いします。

○○:でも、居そうだけどな彼氏

瞳月:どういう意味?それ

○○:か、顔とか可愛いし

瞳月:……まぁ、うん。告白されない事もないかも

○○:だろうね

瞳月:配達したら連絡先聞かれることもあるしな

○○:ふ〜ん。そっか

瞳月:妬いてんの?可愛いな

○○:で、LINEとか交換するんですか?

瞳月:するわけないやろ

○○:そっか……。

瞳月:さっきからニヤケすぎ

瞳月:店員さん!替え玉1つお願いします。

○○:ちょ、ちょっと待って。食べすぎでしょ替え玉何回目?

瞳月:5回だけやで

○○:”だけ”ではなくない?

瞳月:好きやからしゃーないやろ

○○:……そっか

瞳月:ラーメンの話やからな

○○:わ、分かってるよ。

瞳月:ほんま、分かりやすいな○○は

○○:女の子とあんま話さないからね。モテないし

瞳月:根に持たんとって

○○:冗談だよ

瞳月:根には持ってそうやけどな

○○:否定はできないね。

瞳月:こわ

○○:で、僕はもうお腹いっぱいだけど山下さんはどうなの?

瞳月:しーも流石にお腹いっぱい。食べすぎた。

○○:ここ良い店だね

瞳月:そりゃ、しーの行きつけやからな

○○:さすが。

瞳月:じゃあー、お会計してくるな?

○○:えっ、いいよ僕が出すって

瞳月:今回はしーが払うって言ったやん

○○:まぁ、そうだけどさ

瞳月:先出てて。払ってくるわ

山下さんはそう言って、財布を持ってレジに走っていってしまった。

ここはお言葉に甘えることにしておこう。


……


○○:ごちそうさま。ありがと

瞳月:気にせんとって。今までご馳走してくれてたんやし

○○:美味しかったね。

○○:……あと、楽しかった

瞳月:しーも。楽しかった…かも

楽しかったなんて言われたら次を期待してしまう
ここで言わずに後悔したくはない。

○○:良かったらまた今度、会えたりしないかな?

瞳月:もっとストレートに言うたら?

ここまできたら思い切って誘うしかないだろう。

○○:また会いたい…です。

瞳月:ふふっ。ええよ

○○:ほんと?嬉しい

瞳月:いつが暇なん?

○○:休日は割と時間あるかも

瞳月:明日は?空いてへんの?

○○:えーっと、うん空いてるよ

瞳月:じゃあ、明日のお昼頃にお家いくな

○○:わかった、待ってるね。

嬉しいことに、またすぐ会えることに

○○:なんか食べたいものある?Uberかなんかで頼んどくよ

瞳月:いや、大丈夫やで。

瞳月:しーが、責任もって準備したる

○○:あ、うんわかった。

瞳月:楽しみにしとってな

自信ありげな山下さん何か持ってきてくれるのだろう。今日のお店美味しかったし期待して良さそう。

○○:もちろん

瞳月:じゃあ、また明日

○○:うん、また明日ね

解散した後も落ち着かない心臓の音

薄々気づいていた君への想いが、確かなものなのだと自覚させられた。


────────


翌日の昼

楽しみすぎて早起きしてしまった僕

部屋も、ほこり1つないほどに綺麗にしてしまった。

あとは君を待つだけ

”ピンポーン”

○○:は〜い

玄関を開けるとそこには悪戯に笑う君

瞳月:しーちゃんEATSで〜す

手には2人分とは思えないくらいの大きな弁当箱を持っている

○○:えーっと、僕頼んでないよ?

瞳月:むぅ。なんでそんな酷い事言うん?

○○:冗談だって。

○○:さぁ、入って入って

瞳月:お邪魔しま〜す


瞳月:今日はな、頑張ってお弁当作ってきてん


山下さんは目を細めて恥ずかしそうに笑う

○○:まじ??めっちゃ嬉しい。

瞳月:○○のために頑張って作ってんで

○○:開けてみてもいい?

瞳月:え、ええよ

不安そうにこちらを見つめている

○○:わ〜!めっちゃ美味しそう

瞳月:そーやろ?

○○:うん。凄いね山下さん

瞳月:お、男の子のために作ったん初めてやから、ちゃんと味わってな?

○○:う、うん。


……


瞳月:黙ってないで早う食べてや

○○:えーっと、じゃあいただきます。

瞳月:どう…?

少し不安げに僕の顔を覗き込んでくる

○○:うまっ!

瞳月:ほんまに?良かった

○○:うん。ほんまほんま

瞳月:エセ関西弁は許さへんからな。

○○:うっ、ごめん。

瞳月:まぁ、美味くて当然やけどな。しーが作ったんやから

不安げな表情から一転、今度はドヤ顔

○○:ほら、山下さんも一緒に食べようよ

瞳月:いただきます。

瞳月:うん。うまっ。

瞳月:しー、料理上手いかもしれへん○○もそう思うやろ?


○○:ふふっ。そうだね

ころころと変わる君の表情にどうしようもないほどに心奪われて

思わず笑みがこぼれる

瞳月:なにわらってるん

○○:山下さんが美味しそうに食べるところ、やっぱり好きだなって思って

瞳月:えっ、好き…?

○○:あ、いやえっと…なんでもない。


……


○○:ごめん、忘れて!

瞳月:そこだけなん?好きなとこ

○○:えっ?

瞳月:しーの好きなところそこだけなん?

○○:そんな訳ないでしょ

瞳月:じゃあ、どこ?

○○:えーっと、どこって言われると……

瞳月:もういい。しらん


拗ねてそっぽむく山下さん

あぁ、そうやってまた違う表情を知って
自分の中の想いが大きくなっていく。

○○:好きだよ。山下さんの全部が

瞳月:ふ〜ん…。

○○:山下さんはどう思ってるの…?

瞳月:好きなとこ100個言えたら返事したる

○○:えぇ、じゃあ今から考えるから言い終わるまでちゃんと聞いててよ?

瞳月:ええよ。

○○:まずはー、表情がころころ変わって可愛いでしょ。

○○:拗ねた表情も可愛いよ

○○:僕がお弁当食べてる時に不安そうに見てたのも可愛かった

○○:あとは────

瞳月:タ、タイム。もう、わかったから

○○:山下さんが言えって言ったのに。

瞳月:しーも好き…やで。

○○:えっ。ほんとに?

瞳月:う、うん。

瞳月:とにかく、しーのこと好きなんは十分伝わったからもう言わんくて大丈夫

○○:恥ずかしいだけでしょ。超可愛い

○○:あ、これ4つ目ね

瞳月:うっさい。ばかっ

○○:ごめんごめん。叩かないでよ

瞳月:はぁ、なんかもうお腹すいてきた。

瞳月:はやくお弁当食べてまおうや

○○:あ、話しそらした

瞳月:なぁ。もう作らんくてもええの?

リスみたいに頬を膨らませてこちらを睨んでいる君

○○:そ、それは困るから黙って食べるよ

瞳月:それでよし




これからも君の色んな表情を知って
その度に好きなところが増えていくのだろう。

今だってどうしようもないくらいに君のことが愛おしい。

君の事を好きになった理由なんて沢山あるけれど

瞳月:○○も食べる?

○○:食べる食べる

瞳月:やっぱあげへん。しーのが無くなっちゃうもん

○○:ええ。ちょうだいよ


やっぱり1番は────


瞳月:ん〜これめっちゃ美味いな!



────いっぱい食べる君が好きだな。

〜しーちゃんEATS おしまい〜

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