彩：ごめん！みんなお待たせ


軽快にスタジオに入ってきたのが5期生の最年少メンバー小川彩さん

午前中、出席必須の学校行事があったらしく、遅れての参加になった

もうすぐ収録が始まるとの事なので、僕は端の方の目立たない位置で様子を見ていた。


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『休憩入りま〜す』


2組のメンバー達の歌唱が終わると、
5期生達は休憩時間

何人かのメンバーがこちらに駆け寄ってくる


咲月：○○さんお疲れ様です！

奈央：お疲れ様で〜す。あ、お水貰ってもいいですか？

咲月：あ……


菅原さんに渡そうと思っていたペットボトルは冨里さんに取られてしまった。

悲しそうな表情の菅原さん


○○：菅原さん。もう1個貰ってくるので待っててくださいね？

茉央：茉央にも取ってきて〜

アルノ：私も

○○：わ、わかりました3つ持ってきますね？

桜：私も欲しい〜

○○：あ、えーっと……。とりあえず全員分持ってきます


5期生が集まっているのを不思議に思ったのか、小川さんもこちらに近づいてきた


彩：あれ、みんな誰と話してるの〜？

美空：新しいマネージャーさんだよ〜。あーやは今日も可愛いね

彩：ん。ありがと。

彩：私会ったことないから挨拶しないとだ

いろは：美空すっごいスルーされてる笑

姫奈：そういえば、○○さんが自己紹介してる時も彩学校で居なかったもんね

○○：あ、小川さんですね。

○○：4月から乃木坂のマネージャーとして働いてる○○といいますよろしくお願いします。

彩：えっ？

彩：○○先生……？

○○：えっ……？

彩：○○先生だ！！！久しぶりっ！

いろは：なになに。2人はどんな関係なの？？

○○：えーっと……

彩：もしかして○○先生覚えてないの？

○○：その……ごめん。

彩：小6の時に塾で算数教えてくれてたじゃん。

○○：えっ、もしかして、あやちゃん？

彩：うん。

○○：あっ、思い出した。

彩：またいつか先生に会えるの楽しみにしてたのに彩の事忘れちゃうなんて……

美空：○○さん！彩の事悲しませるの禁止ですよ

○○：ご、ごめん。

○○：大人っぽくなってたから気が付かなくて……でも、もう思い出したよ？

彩：お、大人っぽくか……。そ、それなら、今回は許してあげます。

アルノ：大人っぽいって言われて喜んでる……笑

瑛紗：単純。可愛い

彩：うるさい2人とも。


同期2人に揶揄われて口をまん丸に膨らませているあやちゃん。

拗ねている姿を見ると、あの頃のあどけないあやちゃんと重なる

自分の教え子がまさかアイドルになっているとは思わなかった


咲月：あ、あの。○○さん？そろそろお水欲しいんですけど

○○：あ、そうでした。皆さん分持ってきますね


またしても機嫌が悪くなった気がする菅原さんに急かされ、水を取りに行くことに


彩：彩も一緒に行く！

○○：ほんと？ありがとうあやちゃん

咲月：えっ……あっ。

○○：どうしました？

咲月：い、いえ。なんでもないです

彩：じゃあ、行こ〜！○○先生ーっ！




アルノ：強力なライバルが出来ちゃったねさっちゃん。

咲月：べ、べ、べ、べ別にそんな事ないし

アルノ：わかりやすいね……相変わらず

咲月：お願いだからみんなには内緒ね？

アルノ：分かってるって。



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彩：○○先生は今5期生のマネージャーしてるの？

○○：違うよ〜。菅原さんの専属

彩：え〜いいな〜、私について欲しかった

○○：いつかね？

○○：それよりさ。とりあえずみんなの前で先生って呼ぶのやめよう

彩：え〜〜、なんで？？

○○：今はメンバーとマネージャーなので。

○○：僕も仕事中は小川さんって呼びますね？

彩：うわーーーーん。ひどいよ〜

○○：ちょ、ちょっとタイム分かった。

○○：ちゃんと今まで通り、彩ちゃんって呼ぶから

彩：ほんと？うれしいっ。

彩：じゃあ彩は○○君って呼ぶね？

○○：嘘泣きか……釣られた。

泣き顔から一転、上機嫌な彩ちゃん

彩：また色々教えてね？○○くんっ♡



アイドルらしいあざとさも身につけた元・教え子に翻弄されっぱなしだった1日

お世話するメンバーの数が日に日に増えていくような予感がして、恐ろしくなった○○でした


〜つづく〜