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長い長い手術の話


こんにちは。お久しぶりです、あん子です!

生後2週間で心臓に2つ穴があいていた息子のお話。
それが見つかるまでや、発信するに至った経緯はこちら


そして、手術までのことやお金の話はこちら



今回は手術のことを書こうと思います。
前回から間があいてしまいました。
なんとなく、辛かったなあという記憶なのと、思い出そうとしても思い出せないこともあったからかな?
1年という時間が経ったこともあるし、辛くて勝手に消えている記憶もあるように思います。


前回は手術の執刀してくれる先生との面談の話でした。
それが終われば後は、順番が回ってくる電話を待つのみです。

その頃の息子は、体力がどんどん無くなっていて、授乳時間が減り、授乳回数が増えていました。
多ければ1時間に1回。
しかも電話を取り逃したら、手術は次の人へ回って行ってしまう。
夜中に電話は無いんだろうなと思いながら、でも、もしかしたら・・・と思うと授乳もあり熟睡はできず。
また両親や夫の助けはたくさんありましたが、少しの息子のサインの見逃しが命に関わると思うと、「わたしが見逃したら終わり」という気持ちがあり、こちらも全く気を抜くことはできません。

1週間と少しすぎて、緊張と体力も限界に達したころ、電話が鳴りました。

知らない番号。
出ようとすると・・・切れました。

頭真っ白。パニック。


・・・どうしようわたし、電話、取れなかった。


嫌な想像がぐるぐる頭を占領しはじめますが、とにかく慌ててかけ直します。
パニックになるとリダイヤルするだけなのになんだか手間取って、時間がかかります。
交換台の方に外科に繋いでもらって、もう焦りと祈る気持ちでぐちゃぐちゃです。

「すみません!!(息子)の母です」

「あ、お母さん。急なんですが明日、入院できますか?」


・・・よかった。
間に合いました。

そして次の日晴れて入院となり(PCR検査済)、土日をまたいで検査をし、週明け即手術となりました。

正直ホッとしました。
息子には心拍数を測る機械が繋がれ、状態が数値で見える。
ナースステーションの隣の部屋で、ドアを開ければいつでも駆けつけてくれる体制がある。
素人のわたしが
「顔色悪いかな?」「苦しそうかな?」
と、24時間息子の状態を見ながら(それで居て不確かな診断をしながら)気を張らなくて良くなったのは本当に助かりました。
看護師さんたちは本当に親身になってくれて、日常の細かなことから
「お母さん大丈夫?寝れてる?」
「ゆっくりシャワー浴びてきていいからね!」
と、わたしのことまで気遣ってくれます。

どれだけホッとしてうれしかったか。

夜中の見回りなどで目が覚めることはあっても、
ぐっすり眠っていいと思えたのは入院してからです。

コロナ禍で面会や差し入れ、付き添いの交代などはNGでしたが、そういうものだと思えば、短期の入院だったので時は過ぎていきました。


あっという間に週末と検査は過ぎ、手術当日になりました。
夫は所定の位置に、所定の時間現れて、息子は子ども用であっても息子にとっては大きな手術着を不本意な顔で着させられて、運ばれていきました。

あまり記憶はないのです。

夫の手をずっと握っていたなという事と
時間が過ぎても全然手術が終わらなかったこと。


ようやく
「終わりました」
と知らせに来てくれた看護師さんの言葉と、執刀した先生の到着を待つ部屋の重苦しさ。

なんで1時間も遅れたのか。
不測の事態だったのか・・・


違いました。


「1度手術を終えたけど、もうひと針縫えそうだからもう一度心臓を停めてほぼ隙間なく縫合していたから」
でした。

先生ってほんとにもう・・・なんてすごいんだろう。

夫とわたしのなかでは神さまなんです。

ひと針縫うことで血管を縫ってしまうかもしれないので、ペースメーカーの不安はあった。
縫わないということはリスクは減るけど、そこから血液は漏れるので今後身体の負担はある。
けど、先生は「いけそう」と判断し、縫合し、結果ペースメーカーも必要無い状態にしてくれました。

わたしたち家族にとって、間違いなく人生でいちばんの大恩人です。


そしてICUへ。

グルグルに包帯が巻かれた細い腕や、たくさんの管が繋がれた小さな身体を前にすると、やっぱり2人とも泣いてしまいました。

でも「がんばったね、ありがとう」と、心の底から息子にも感謝しました。



手術のお話はここまで。
読んでくださった方、ありがとうございます!
同じ思いをされてる方の不安が少しでも減るといいな。
きっと、症状の重い軽いや手術の有無、疾患だって多岐にわたるのでたくさんの状況があると思います。
みんなそれぞれ大変ですよね。
病気でなくても子育てだって、子どもがいなくても生きていくのは大変なのだと思います。
ぜひ、大変な人の方を見て「もっと頑張れるはず」と天井をあげず、ご自身やご家族を労わってあげて欲しいなと思います。
(これは大好きなジェーン・スーさんのラジオのお悩み相談のコーナーで、蓮見アナから相談者さんへの声掛けがとてもすてきだったので言葉をお借りしました)

次回は、息子退院までの超回復を書こうと思います。笑

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