見出し画像

Amazonで購入したもので道路騒音を計測してみた(1)

家のベランダに騒音計とボイスレコーダーを設置して、道路騒音を計測した結果を記事に投稿する。今住んでいるマンションに引っ越してから夜目覚めてしまうことが何回かあったのが、騒音計測のきっかけである。

図1:騒音計とボイスレコーダーをベランダに設置した様子

計測場所

この計測は、私が住んでいるマンション(川崎市内)のベランダ(私の部屋は低層階ではない)に、以下の計測機器を設置した。私の住んでいるマンションの近くの国道1号線のエリアでの自動車騒音(昼間)は、以下のサイトで50~65dB(2019年)となっていた。

使用した器具

上の写真のように三脚に騒音計とボイスレコーダーを取り付けたものを自宅ベランダに設置した。ちなみに、三脚、騒音計、ボイスレコーダーは全てAmazonで購入した。

騒音計とボイスレコーダーの各種設定は以下の通りとした。

  • 騒音計の高さ:ウインドスクリーン(スポンジの部分)の部分が床面から125cm。

  • 騒音計はFast、A特性に設定。

  • 騒音計の記録は「10秒に1回の記録」で設定(騒音計対応のソフトを使用)

  • ボイスレコーダーの感度:7段階で設定できるうちの一番小さなものに設定。

  • ボイスレコーダーのノイズキャンセリング機能:OFF

  • ボイスレコーダーのサンプリング周波数:48kHz

※なお、騒音計とボイスレコーダーの時刻同期は完璧にはできていない。同期方法は、騒音計とボイスレコーダーの両者の録音開始ボタンを押した後に「アー」と大声で叫んだタイミングをそろえるようにしている。騒音計が10秒に1回の記録設定のため、最大で10秒の差がある。正直、いくつかの波形を確認していると、5, 6秒の差はあると個人的には思っている。

騒音レベルの計測結果(12/23 6:38~8:38)

図2は10秒ごとに記録した結果を図示したものである。図3は10秒ごとの記録データ6個の平均を計算して1分ごとの平均値を算出した結果を図示したものである。2時間分の全データの平均値は55.6dB(A)であった。

図2:騒音計の計測結果(10秒ごとに記録した結果)
図3:騒音計の計測結果(1分間の平均値を計算した結果)

波形

図3の値が大きい時刻の波形を確認する。ここでは、6:50、7:24、8:11、8:12の4つ。各時間帯での波形を示す。

※ なお、騒音計とボイスレコーダーの時刻同期は完璧ではなく、最大で10秒の差があることをふまえて、波形データを確認したところ、8:11に図3の値が大きいのは、私のデータ処理上では8:12の冒頭部分の振幅の大きい部分の影響と考えている。

図4:ボイスレコーダーで記録した波形の例(23/12/23 6:50)
図5:ボイスレコーダーで記録した波形の例(23/12/23 7:24)
図6:ボイスレコーダーで記録した波形の例(23/12/23 8:11)
図7:ボイスレコーダーで記録した波形の例(23/12/23 8:12)

それぞれの波形に対応する録音データを確認したところ、8:11の最後から8:12の最初の振幅が大きい部分は、救急車と思われる緊急車両のサイレン音であった。6:50、8:12のその他の部分で振幅が大きくなった部分では、バイクの通過音が聞こえた。7:24の最後の振幅が大きくなった部分は、何か大型車が通過したような感じの音が聞こえた。

今回、録音データをPCにイヤホンをさして聞いてみたが、バイクの通過音が他の雑多な音とは大きさ、高さが異なることに改めて気づかされた。

スペクトログラム

最後に、8:12の波形に対応するスペクトログラムを図8に示す。スペクトログラムは生波形のカットオフ周波数6kHzのローパスフィルタをかけた時間波形に対して計算した。ローパスフィルタをかける前後の波形およびスペクトログラムを確認してからカットオフ周波数は選定している。

図7:ボイスレコーダーで記録した波形のスペクトログラム(23/12/23 8:12)

基本的には波形の振幅が大きくなると、スペクトログラムでのレベルも大きくなっていた。緊急車両が通過する時刻では特に1kHzより少し低い周波数のパワーが大きくなっていた。

ちなみに、サイレンの周波数についてGoogle検索をすると、救急車のサイレンは770Hzと960Hzの音が繰り返し再生されているものであることがわかった。消防車やパトカーに搭載されているサイレンの音も1kHzより少々低い周波数であるらしい。そのため、1kHzより少し低い周波数でパワーが大きくなる結果は適切といえる。

(補足)

  • 本記事の内容についてコメント等がある場合は、noteの記事に対する感想の書き込み機能やコメント機能で教えていただけますと幸いです。

  • 本記事に取り上げたデータの一部を以下のGithubで公開しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?