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むかし通っていたお菓子教室の話

20年ほど前、お菓子屋さんで働きながら、勉強のために通っていたお菓子教室があります。
そのお菓子教室は「エスパス・キンゾー」といって、京都にあったパティスリー「オ・グルニエ・ドール」のオーナー西原金蔵さんが開いていました。
(「オ・グルニエ・ドール」は惜しまれつつも2018年に閉店。また、西原さんは2019年にひっそりコンフィズリー専門のお店をオープンしました)

教室のメニューはこんな感じ。フランス菓子の古典を踏まえています。

西原さんのお菓子教室はデモンストレーションを見た後、試食するというスタイルだったんですが、毎回教えてもらうこと一つひとつが目から鱗でした。

サブレ、ビスキュイ、ガレット、ジェノワーズetc
基本の生地の製法において、材料の温度帯、混ぜる時の状態、焼き上がった時の食感、それぞれの工程の意味をフランス菓子の伝統を踏まえて丁寧に教えてくれました。

また、西原さんが目の前で作ったお菓子はどれもめっちゃおいしい。
季節感、デコレーションのセンス、食感、香り全てが小さなお菓子の中に凝縮されていて食べた時にこの上ない多幸感を得られました。
(ヘッダーの写真はそのお菓子たちの一部です)

教室のコンセププトに「料理ルセット(レシピ)を超えるもの」と掲げられていたのですが、その言葉どおり、レシピと作り方の行間にある、素材を活かすためのテクニックをご教示いただいたと思っています。

中には今まで食べたことのない素材を使ったお菓子もあって、「世の中にこんなにおいしいものがあるんだ!」という驚きもたくさんありました。例えるなら、味覚が開く体験とでも言いましょうか。

西原さんから教えてもらったことはノートにみっちりまとめてあり、今でもお菓子を作る時は必ずそのノートを振り返ります。

教室で配布されたレシピ。
「料理ルセットを超えるもの」料理界のダ・ヴィンチと言われたアラン・シャペルの言葉






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