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Phantom

今月は自分の本番の後、人生初のオペラを観たり、ファントムを観たりと演劇三昧な1ヶ月であった。

記憶の遥か彼方にオペラ座の怪人(劇団四季)を観たような記憶はあるが、20年ほど前でほぼ正しく憶えていない。

今年何度目かの梅芸

年始のエリザベートが終演になった頃、確か発表されたっけ。推しの1人、加藤和樹君がエリックを、エリザベートで新しく推したいと言っていた子役の井伊巧君が少年エリックをやるとのことで、是非とも観たいなぁなんて思っていた。が、チケット販売等全く情報をチェックせず、呑気に構えていて、気づいたら全席完売に。あんな前から知っていたのに、何をしていたんだ、自分。と呆れながら。偶然、本当に奇跡的に、恐らくキャンセルしたどなたかのお陰で、たまたま復活していた2席のうちの1席に滑り込めた。神様ありがとう。キャンセルした人ありがとう。感謝。しかも座席がセンターオブセンターくらいで、全体を観るにも、役者を観るにも丁度良い位置。

いつも結構早めに劇場入りするのだが、今回はまぁまぁギリギリに入って、お手洗いに行って、席に着くと、舞台上には既に役者たちが立っていて、前説的にパリの街に住む人々が、日々の1ページを過ごしていた。あぁ、このタイプか!これならもっと早めに入るんだったと思っても後の祭り。基本的に前情報をほぼ入れずに行くのが仇となった。次回から気をつけよう。

華やかな舞台の上には色とりどりの屋台風のショップが並んでいて、花や果物を売っていたり、親子や警官など街の人々が美しい衣装に身を包んで街を作っていた。美術と衣装の仕事が素晴らしい。前座からそのままストーリーの開幕に繋げ、クリスティーヌがやって来て、舞台が始まった。

キャストボード

始まってからも兎に角衣装と美術のクオリティが高い。目を惹かずにいられない、繊細な仕事の数々で、観ててとても楽しかった。役者もアンサンブルの方々の仕事が美しく、メインキャストに華を添えていて、素晴らしかった。

カルロッタ役の石田ニコルさんが、とても良い味を出していて、すぐ好きになった。あんなに役で遊べるのはカッコいい。悪役なのに憎めないお茶目さだったり、可愛らしさが記憶に強く残った。

クリスティーヌは今回ダブルから直前でシングルへの変更。真彩さんのブレない芯の通った、透き通った天使の歌声ハイトーンは、本当に美しく、クリスティーヌそのものというように感じた。歌声は楽器なんだな、と感じれる美しさだ。しかし、連日の公演やマチソワ公演で喉を傷めないか心配ではある。喉のケアを頑張って欲しいし、身体も大事にして欲しい。応援したい。

少年エリックは運良く井伊巧君だった。これも奇跡。少年ルドルフよりも、感情を出して叫ばなくてはいけないので、演じるのが難しいだろうなと思ったが、ちゃんと少年時代のエリックだった。流石巧くんだ。本当に大人になった時どうなるのか、成長が楽しみな役者さんである。

そして何よりも、1番はやっぱりエリック。加藤エリックは、幼さを全面に押し出した、可愛い感じのエリックだった。闇の中でずっと過ごしてきて、他者との関わりも殆どない世界で、音楽だけが自分を救ってくれる。感情を上手くコントロールできず、色んな葛藤を抱えた繊細なエリックを演じてらして、流石、としか言いようがなかった。歌もやっぱり好きだし、音楽、芝居に愛された人だなぁと感じる。本当に羨ましくもあり、届かないからこそ推したいと思える人の1人だ。

舞台の中で借景の如く、オーケストラピットが思わぬところにあって、驚いた。そういう演出があるのか〜!と、普段あまり観ることのない景色だったので!新鮮だった。それから照明もあまり見ない感じのプランで、表現の幅の広さが素敵だなと思えた。ほぼ素人だけど。何が言いたいかと言うと、音響も照明も素晴らしかったと言うこと。

1番総括としては、全てが緻密に計算され、構成され、プロフェッショナルの最大の仕事をひとつにまとめ上げた演出が良かったと思う。きっと演出のオーダーに応えることはとても大変だったであろう、それでも1人1人が「魅せたいもの」に対し、カンパニーの全てを持って1つの作品を作るんだ、というようなモノが見えた気がした。全ての関わった人々にブラボーを送りたい。オペラ座だけに。

可能であればお代わり観劇したいくらい、わたしはとても良い作品に出会えたなと思っている。エリザベートの次に好きな作品かもしれない。次回再演があれば、忘れず多めにチケットを取ろうと思った。

次はいつ来れるだろう

余談だが、Tシャツだけを買うつもりが、パンフレットとトートバッグを追加購入した。

Anne

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