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自称動物愛護団体で働いていました。

私が自称動物愛護団体で働いていたのは1年3ヶ月ほどの期間でした。
その間私が見た悲惨な内情を少しずつ話していこうと思います。

まず私がはじめに不信に思ったのはその団体の所在地がすぐ近くにある某大手ペットショップの犬舎があった場所であったこと、そして代表との面接のときでした。
いろいろな団体の方と会ってお話をしたりSNSなどで投稿を見たりしていると、保護活動をされているほとんどの方が「生体展示販売の廃止」を掲げ、訴えています。私もそうです。
しかしこの代表は、ペットショップの生体展示販売はなくてはならないと言ったのです。「ブリーダーさんは皆が接客が上手くコミュニケーション能力に長けている訳ではないので、ペットショップは飼い主との架け橋として必要」というのが彼の意見でした。

そこで「保護ビジネス」を疑いその内情を知るため入社を決めました。

自称動物愛護団体の実態

実際に働くようになって見えてきたのはその大手ペットショップとのつながりです。ペットショップの名称が書かれたバリケンを使っていたり、毎週“入荷”と言われるブリーダーからの受け入れがありペットショップの名前が大きくプリントされたマイクロバスに乗って大量の犬猫がやってきます。
その運送担当者はそのペットショップのウェブページに社員として名前、顔写真が出ています。決定打として、私の面接をした代表はそのペットショップの役員だったのです。私が入社してしばらくはウェブページに顔写真付きで名前も掲載されていましたが、外部からの指摘があったようで削除されていました。

こういった内部事情だったとしても、しっかりと犬猫のことを考えて健全に活動しているのであれば、命が救われるのであれば意味はあると思っていました。しかしその実態は想像を遥かに超える酷いものでした。 

悲惨な生体管理

まず、“入荷”の際のメディカルチェックは一切ありません。
私が以前(学生の頃)お手伝いさせていただいていた別の団体では「受け入れ」後に全頭必ずメディカルチェックが行われていました。しかしここではありません。
知識のない素人スタッフが性別の相違がないか、目視と触診で気になる疾患はないか(歯周病や目の白濁など)簡単に確認するだけでした。

なのでもちろんフィラリアの検査や予防もしていません。
フィラリアの予防はしているかと譲渡会にいらした方に質問され、「していない」と正直に答えたスタッフがいましたが後に代表から怒られることになってしまいました。

代表の言い分としては「飲み薬(や注射)としての予防はしていないがレボリューションはノミダニだけでなくフィラリアの予防にもなっている」というものでした。

ただこの背に垂らすタイプの薬であるレボリューションも全頭に行なっている訳ではなく、皮膚の状態が悪い子だけにお風呂後に使用しているだけなので「団体としてフィラリア予防はしている」と言える状態ではありません。
まず陽性かどうかの検査を行なっていないので既に虫が大きく成長してしまっていたとしても対応は全くされません。わからないのですから。
私が看取ったたくさんの子たちの中に、フィラリアで亡くなった子もたくさんいるのだろうと思っています。

血便が連日続いたとしても、常備されているディアバスターやビオイムバスターを投薬するだけ。改善されずとも投薬し続け、病院へ連れて行って欲しいと頼んでも聞き入れられることはありませんでした。

難病の治療も行わず

また、眼球摘出や子宮蓄膿などでの子宮摘出など手術を受けることのできた子も数頭いますが、私が1番印象に残っているのは、門脈体循環シャントという難病を患ったアイリッシュセッターの女の子です。この病気は血管の形成不全のために体内にアンモニアが回って身体の不調が現れるというもので、1歳までに要手術、手術しない場合の平均寿命は2歳というすごく厳しいものです。手術にはリスクもあるうえ60万〜ということでなかなか里親が決まらずにいました。

私が個人的にお世話になっている団体の方たちはそういった手術が必要な場合、まず団体で完了させて里親募集と移っていきます。

何度も、「門脈シャントの手術を団体で行い、譲渡が決まった際に里親様に医療費の何%かを負担してもらう方がいいのでは?」と掛け合っていましたがMGや代表に言われたのは「譲渡後の手術をしてもらう、方針は変えない」というものでした。

そのアイリッシュセッターは生後7ヶ月でシェルターへ来ましたが9ヶ月になった頃に体調を崩し、亡くなってしまいました。
元気がない、病院へ連れて行ってほしいとMGに伝えても全く対応してもらえず、何度目かの時に痙攣し泡を吹くなどの症状が出始めて初めて病院へ連れて行ってもらえましたが、そのまま帰ってくることはありませんでした。

これは私の憶測でしかありませんが、難病のため里親が決まる希望が薄い=利益回収できない→医療費がかかるよりは死んでくれた方がいい…と思っていたのでは?と考えています。

ここまでの話は私が入社して2ヶ月ちょっとの間で起きたことです。この悪質な保護ビジネス団体でのお話はシリーズ化して詳しく書いていきたいので、今回はここまでとします。

自分から知ろうとしなければなかなか得ることのできないペット産業の闇深さを1人でも多くの人に知っていただきたいです。

次の記事では、保護犬 保護猫ビジネスについて詳しく書いていきたいと思います。

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