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M-1のくらげのネタ「思い出せない」の感想


イントロ

あけましておめでとうございます。
MWMのモミールの記事を書こうと思ってうかうかしてたら開催期間が終わってしまって書くことが無くなったので全然違うジャンルの記事を書きます。
去年のM-1面白かったですよね。
一昨年のM-1のキュウの「全然違うもの」が初見よりも何回も見ると面白いタイプのネタで「~でしょう」にハマって今でもたまに見返すくらい好きなんですよ。
で、去年のM-1のくらげの「思い出せない」ってネタあるじゃないですか。これも初見よりも二回目以降の方が面白いタイプのネタだと思ってて…

初見の感想はどうなの?

昔の大悟を彷彿とさせる男らしい見た目でアロハの渡辺にワイシャツにネクタイのビジュアルの杉が思い出せないことについて話すという設定。
初見だと渡辺のキャラ・ビジュアルで男性が疎いであろう女性向けの情報を良く知っているというギャップと語感を重視した専門用語の羅列をして笑わせようとしている認識で終わってしまいがちです。
終わった直後の今田耕司の「面白かったけどね。言うてるだけやねんけどね。何でしょう不思議な。」の一言コメントがそれを表していると思います。自分は31とサンリオと数字がチョットデキルだったのですが口紅の部分に関しては今田さんと同じ感想でした。
山田邦子の「女の子が大好きなブランドや懐かしいのがいっぱい出てきた」「女子には良いと思います。」の審査コメントは正しいし、上戸彩の「女の子が知ってる名前がたくさん出てきたので女の子には受けると思います」という善意のフォロー(意地悪な視点だと死体蹴り)も正しい。
ここまでで考えが止まると面白い漫才になります。
普段からバラエティやお笑いをちょっと見ている人は620点で10位の残念な結果と女性二人のコメントを頭に入れた上で「言葉の羅列。女性向けの漫才。」で終わらせてしまいそうです。こうなると「面白くない」、「最下位を取るべくして取った女性ウケしか考えていない劇場特化の漫才」、「何でこんなコンビを決勝に上げた?」みたいな感想がウジャウジャ出てきます。バッド!

実際はどうなんです?

31は時期に合わせて冬用のメニューなっている上に限定のフレーバーもネタに入っていて芸が細かいです(別のシーズンではそれに合わせて内容も変えているらしい)。
サンリオに関してはキャラクター大賞のページを見ながらネタを見れば大体理解できるのでやってみてください。メジャーなキャラとマイナーなキャラの振れ幅とか語感、緩急が楽しいです。
ジョージとメアリーがハローキティの父母って初見で分かった奴いる?
↑私は分かりました。勝手に決めつけないでください。(クソリプ)
口紅に関しては聞いたことあるくらいしかわかりませんでした。いかがでしたか?多分Xで検索かければ親切な誰かが解説とか考察をしていると思います。
数字に関してはもういいでしょう。

カゲヤマがキングオブコントで披露した二つのネタにおいて益田が演じた尻丸出し土下座サラリーマンとデスク脱糞サラリーマンが実は同一人物で世界が繋がっていたという裏設定を作ってお笑いファンの考察待ちをしていたが、結局誰もそんな考察をしなかったという悲しい過去(山添サクラバシ919で山添の口から語られた)を知っているため、微力ながら今回のくらげのネタについて自分の考えを書いておこうと思った次第です。短い上に浅くてすまん…

じゃあどうして最下位だったんです?

ちょっと考えると全然違うと分かるのですがクイズで「M-1で初見の漫才師」に「テーマが思い出せないの漫才」の二つのヒントが出たら「ミルクボーイ」が誰の頭にも浮かぶでしょうし、M-1の観覧の客ならなおさらです。勝手に過去の大会チャンピオンが比較対象になって超えてない判定を下してしまい実際の内容よりウケなくなっています。そこは松ちゃんも指摘していました(松ちゃんサンキュー)。
最後の数字に関しては皆さんご存知だと思うのですがサーティワンアイスクリーム(バスキンロビンス)・サンリオ・口紅の前提となる知識を全て抑えておかないと、この漫才は前述の初見の感想のようになってしまい置いてけぼりを食らいます。ある程度芸人同士のノリを分かった上でM-1やおもしろ荘などの年末年始の特番を事前に見ていないと面白さが減少してしまう某no寄席みたいなものです。数字以外刺さらない人の方が多数派のいろんな人が注目する賞レースで一部しか分からないネタを選ぶのはちょっと違うかもしれませんね。
ネタを見てすぐの審査になるのでノイズが入らずすぐに理解できる色んな意味での分かりやすいネタがM-1向きなのでしょう。難しいですね。
人柄を漫才で表現することに重きを置く審査員が多いのでメディア露出が極端に少ないコンビが4分でそれをネタに入れ込むのも難しかったと思います。その逆で周知されて勝手にハードルが上がって上手くいかなかったのがモグライダーです(ともしげの滑舌が良くなくて聞き取れなかった方が大きいのでは?とも思います。)。
ダンビラムーチョ大原の一旦ユニフォームを取りに捌けて岡本選手にサインをねだる謎行動が直前にあったのも良くなかったと思います。生で見てる時に原田フニャオが残されて繋いでる時間が本当に何十倍にも感じた(見返したら本当にすぐに取って戻ってきてるし打ち上げ配信を含めてM-1全部一通り見た後の二周目以降だとかなり面白い行動。M-1をかき乱す盤外戦術過ぎる。)。初見で千鳥みたいに裏笑いで面白がれる人は少数派に決まってますし会場の空気が重くなったと思います。
よくバラエティを見る人や全然見ない人(そんな人が見て面白いのかは謎)までいろんな層からの視聴率が高い水曜日のダウンタウンのS-1GPで勝者(実質敗者)のエンジンコータローを上げるためにM-1前年度優勝者のウエストランド井口の絞り出した品評に羅列が用いられ、羅列にマイナスイメージが付いてしまったのももしかしたら一因になっているのかもしれません。
(追記2024/01/31)
S-1優勝の実績によりエンジンコータローが事務所所属になりました。
S-1夢あるなぁ…


このネタは羅列が面白い(ここが初見のネタの感想と重なるのがややこしくなる原因)のでオチを重視してる人はハーゲンダッツ・つば九郎・ドモホルンリンクル・12でちょっと弱いと感じたのかもしれないです。

もし事前知識あったらどんな感じ?

自分はジョジョがチョットデキルので「思い出せない」ネタをいじってジョジョバージョンにしてみました。ジョジョの事前知識がある人はこんな感じかと受け取ってもらえるかもしれませんしそうじゃないかもしれません。ジョジョに興味が無さそうな80歳くらいのご老人二人(渡辺役の服装はちゃんちゃんこくらいが妥当か?)が漫才してる想定で読んでください。でもそうすると別の要素が入るよな…うーん…

A「俺この前初めてさジョジョの奇妙な冒険読んだのよ」
B「ジョジョの奇妙な冒険。でもジョジョの奇妙な冒険ってさ、巻数も多いし絵も独特だから通ってきてないジジイの俺らは読みづらいよな、アレな」
A「そう思ったんだけどさ、いざ買って読んでみたらめちゃくちゃ面白いね」
B「面白いか」
A「めちゃくちゃ面白かったんだけどさ。出てくるスタンドでめちゃくちゃ使いたい能力のスタンド見つけてさ」
B「ジジイはジョジョ興味ねぇからな」
A「めちゃくちゃ使いたかったんだけどさ、何ていうスタンドだったか思い出せないんだよね」
B「あぁー。もしかしたらアレかなぁ」
B「星の白金(スター・プラチナ)?」
A「違う」
B「天国への扉(ヘブンズ・ドアー)?」
A「違う」
B「隠者の紫(ハーミットパープル)?」
A「違う」
B「黄金体験(ゴールド・エクスペリエンス)?」
A「違う」
B「銀の戦車(シルバーチャリオッツ)?」
A「違う」
B「キラークイーン?」
A「違う」
B「世界(ザ・ワールド)?」
A「違う」
B「手(ザ・ハンド)?」
A「違う」
B「錠前(ザ・ロック)?」
A「違う」
B「THEMATTEKUDASAI?」
A「違う」
B「トゥーム・オブ・ザ・ブーム ワン?」
A「違う」
B「トゥーム・オブ・ザ・ブーム ツー?」
A「違う」
B「トゥーム・オブ・ザ・ブーム スリー?」
A「違う」
B「トト?」
A「違う」
B「クヌム?」
A「違う」
B「ボクのリズムを聴いてくれ?」
A「違う」
B「スティッキィ・フィンガーズ?」
A「違う」
B「セックス・ピストルズ?」
A「違う」
B「バーニングダウン・ザ・ハウス?」
A「違う」
B「ジェイル・ハウス・ロック?」
A「違う」
B「グリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム?」
A「違う」
B「カリフォルニア・キング・ベッドちゃん?」
A「違う」
B「ちょっと待てやオイ。お前が使いたいスタンドっていったいどれだよ」
A「思い出した!伸縮自在の愛(バンジーガム)だ!」
B「お前それHUNTER×HUNTERじゃねぇか」
A「えっアレHUNTER×HUNTERなの?」
B「ヒソカの念能力じゃねぇか。お前よぉ」
A「あぁそうなんだ」
B「お前俺がどんな気持ちでグリーン・グリーン・グラス・オブ・ホームって言ったと思ってんだ」
A「言ってたなぁ」
B「お前俺がどんな気持ちでボクのリズムを聴いてくれって言ったと思ってんだ」
A「そんなやついるんだ」
B「いるんだよ」
A「いるんだ」
B「俺がたまたまジョジョ好きだったから良かったけどさぁ」
A「うん」
B「これを機に覚えろ。全然違うんだから」
A「全然違うんだ」
B「そうだよお前」

こんな感じですかね。ジョジョ知らないと意味不明ですね。くらげのネタ面白かったです。


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