「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」は2021年公開の劇場版アニメが今でも上映されていますが、元々はブシロードと2.5次元ミュージカルを多く手掛けるネルケプランニングとの共同企画による舞台とアニメを両方展開するメディアミックス作品です。

アニメの放送開始に先行してステージイベントが行われてきた経緯があり、特にアニメと同じ世界観の別ストーリーを展開するミュージカル「The LIVE」は2017年の#1に始まり、2018年のには#1の再演や#2、2019年に#2の再演、2021年の#3とパワーアップしつつ公演が行われてきました。メインとなる聖翔音楽学園の物語以外にも派生作品の舞台も実現し、アニメの放送が終わってもなお人気がある作品です。

そんな舞台公演も#4で一つの区切りを迎えます。

舞台スタァライトの集大成

今回の舞台のタイトルが「Climax」とされていることからも予想されていると思いますが、これまでアニメと舞台の双方で紡いできた物語の一つの終わりを描いた内容となっています。劇場版の出来事を経てそれぞれの進路を決めた聖翔音楽学園俳優育成科99組が卒業を迎えるまでの数日間を描きます。

海外に留学する者、家業を継ぐ者、国内の名門校に進学する者などバラバラになっていく進路については劇場版のエンドロールで描かれていましたが、本公演ではあのエンドロールを踏まえた上で、そこに至るまでの彼女達の心境の移り変わりを見せてくれます。なので、これまでアニメを見ていて舞台には触れてこなかった方にとっても気になる内容となっています。

アニメとの繋がりもありつつ、これまでの#1～#3からの引用をしている箇所もあり、今まで舞台を見続けてきた方にとっては必見と言えるでしょう。

これまでの見たことがない方はAmazon Prime Videoで見放題配信されているものがあるので、是非そちらを御覧ください。

パフォーマンスもクライマックス！

スタァライトの舞台はアニメの担当声優と舞台の出演者が一致しているものですが、舞台を展開することが前提とされていた企画のため、ミュージカルや舞台の経験のある俳優さんばかりが選ばれています。それもあって、舞台上のパフォーマンスは最初からレベルが高かったのですが、何度も公演を重ねたことで、#4では役とのシンクロ具合も動きも歌もクライマックス！

スタァライトは激しい殺陣をこなしながら歌う場面もあるのですが、動きながらでも歌がブレないのが凄い。特にセンターの愛城かれん役の小山百代さんは以前にも増して体幹が強く、声量も上がっている印象でした。参加されているユニット「サンドリオン」での活動も目立ってきている（メジャーデビューおめでとうございます！）方なので、今後もより一層の活躍をされるのでしょう。

ミュージカルといえば歌で進行するのが常ですが、これまでの公演に比較して歌の物量も増している印象です。歌もダンスもお芝居も殺陣も全部を詰め込んだエンタメ度もクライマックスな構成ですので、ファンのみならず満足していただけるのではないでしょうか？

ベストアルバム的選曲で最後までアツい！

ミュージカルの第一部が終わると、続けてライブ・コンサートの第二部が始まる構成です。今回は聖翔音楽学園以外のメンバーも参加されているため、誰がどのパートを歌うのか？といったサプライズへの期待もできます。気になる楽曲についてはここでは書かないでおきますが、ベストアルバムのような選曲なので、ライブで聴きたいと思っていた曲についてはほとんど聴けると思って大丈夫です。多声コーラスの曲もありますが、そこを見事にこなす出演者の歌唱力には感動します。

これが最後なのか・・・？

本公演は2023年2月25日～28日の各日2回で8公演で終わってしまいます。内容的に終わりを描いた作品であることや、出演者が別件の仕事が増えているためスケジュール調整が困難になってきていることなどを考えると、今回が聖翔音楽学園のメンバーを中心とした公演は今回が最後になるかもしれません。

場合によっては何らかの形で再集結することもあるでしょうが、これまでと同じような頻度で観ることは難しいでしょう。舞台少女は同じ舞台にとどまり続けることはなく、新たな舞台へ向かうのです。だから、今この瞬間のきらめきを見逃さないよう劇場に足を運んでみていただければと思います。配信もあるので、現地に行けない方はそちらからもどうぞ。

聖翔音楽学園のメンバーの他にもスタァライトの舞台に立つ方々はいます。ゲームから派生したシークフェルト音楽学院中等部の公演が今年予定されているので、そちらも注目していきたいと思います。