2018年を予想する会

2018年を予想する会をやってみた。これはどういう会かと言うと、未来大好き系アーリーアダプターを集めて、1月に2018年の間に何が起こるかと言うことを予想し、それを年末に再度集めて誰の予想がどれくらい当たったかと言うことを確かめるという趣旨の会である。たくさん当てた人が勝つという、そういう一種のマインドスポーツである。年始に思い付いたので是非やろうと回りに言っていたところ、めでたく開催された次第である。

この会は大きく「振り返り」、「予想幅だし」、「最終化」の三部構成で行った。
・振り返りフェーズにおいてはまずは2017年の各業界での振り返りを行った。これによって1年と言うタイムスパンで何がどこまで変わるのかと言う感覚をなんとなく再認識することができる。大体一人20分くらいで六人で2時間くらいこのフェーズを行った。
・次の予想幅だしフェイズでは、大喜利形式で実際に予想を行う。とにかく量を重視してスケッチブックに書き込んでいき、書けた人から発表する形とした。内容のクオリティーであるとか緻密な事はあまり考えずにどんどんその場の雰囲気に応じて人の意見に乗っかって量を出すと言う事を行った。これも2時間くらいかけてひたすらアイデアを出す。
・最終化フェーズでは、1人五個まで自分の出した中で特に自信がある予想を選びブラッシュアップして発表し、また聞き手はその予想が今年中に起きそうかどうかということを投票した。ここで1つポイントなのは、聞き手の予想によって得られるポイントが変わる点である。たくさんの人が起きると予想したことに関しては実際に起きた時に得られる実現ポイントを低く設定し、あまり皆が同意しなかったことが起きた場合には実現したときのポイントを高く計算するようにした。みんなが絶対起きるよねということを的中させるより、みんなが起きないと思ったことが起きる方が価値が高いからである。

振り返りフェーズでは、フィンテックからバイオロジー、映画産業まで割といろんな分野の話を聞けたのでひたすら勉強になった。「この領域とこの領域が実は同じ技術でつながっているのか」というような発見がある。

例えば今回の会議で一つ出たのはライトフィールドという、撮影をした後でピントを調整することができるカメラの技術があるのだが、これは色んな産業に影響を与えているという話を聞けた。例えば映画産業ではピントが後から自在に変更できるが故に撮影時の作業内容が変わり、カメラマンに求められるスキルセットもそれに伴って変わったことで、今まで力仕事的で男性の特権とされていた仕事に女性が参入してくることができるようになった。結果、2017年に初めて女性がアカデミー賞にノミネートされることに繋がったらしい。そして一方で、同じ技術がバイオロジーの分野においては神経細胞を一度撮影するだけで、今までは2次元的にしかとらえられなかったものを3次元的にとらえられるようにできるイノベーションを起こしたらしい。

技術のシーズについて知ることも大事だが、そこだけではなくてその技術シーズがいろんな産業にどのようなインパクトを与えるのかということを想像することも大事である。いろんな分野の人を呼んで、最近はこの技術によって業界がこう変わったんだという話をいろいろ聞くことによって、そういった想像力を鍛えていけるような気がする。

そんなこんなで最終的に発表されたものをいくつか紹介すると、下記のようなものがあった(一部抜粋)。
・年末年始の大作としてVR映画が発表される(25%同意)
・Amazon Goで万引きが起きる(50%同意)
・VR暮らし1ヵ月超えな人が出てくる(75%同意)
・ロボットクッキングの高級レストランが世界のどこかで誕生する(25%)
・透明なディスプレイが東京の複数デパートで実際に導入される(63%)
・イーサリウムがビットコインの時価総額を超える(25%)
・マイナンバー制度の見直しが始まる(25%)
・ゲノム100%全合成の酵母ができる(25%)
・ジャニーズでもネットで顔写真が解禁される(0%)
・スマートスピーカがタダで配布される(38%)
・映画において男優賞と女優賞を撤廃する映画賞ができる(75%)
・犯罪が起きる前に捕まえられる監視カメラができる(25%)

遠い未来を予想するよりも、ある意味一年という縛りがあるのは難しく、発想する際もあまり思考を飛ばしすぎないことが求められ、頭の使い方は独特で面白かった。どんな人が集まるかでだいぶ出てくるアウトプットも変わると思うので、もしよかったら皆さんもやってみてほしい(そして出てきたアウトプットをぼくに教えてほしい)。2018年、どれだけ実現するかどうか楽しみである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?