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【セトラーがサポーター企業に学ぶ】「いい会社の『閃き』がいい地域をつくる!」奈良の老舗企業、「小山株式会社」に学ぶ地域貢献

皆さんこんにちは!
アナザー・ジャパン1期で香川県出身の藤田玲音です。
いつもnoteをご覧いただきありがとうございます。

現在、アナザー・ジャパンでは、記念すべき10番目の企画展となる「アナザー・キンキ」を開催しています。
企画展のテーマは、「絡み絡まる根のキンキ」。
テーマに込めた担当セトラーの想いを、こちらのnoteに綴っております。
併せて是非ご覧ください!

さて、今回は、アナザー・ジャパンのサポーター企業である小山株式会社様が、中川政七商店とタッグを組み、昨年12月に奈良県で開催した『奈良にいい会社をつくろうサミット 2023』を現地取材し感じたことを綴ろうと思います!本イベントには、同じくアナザー・ジャパン1期で滋賀県出身の佐向と共に参加させていただきました!

『奈良にいい会社をつくろうサミット 2023』

今回、私が参加させていただいた『奈良にいい会社をつくろうサミット』は、中川政七商店による奈良のまちづくり・N.PARK PROJECTが主催し、小山株式会社様とタッグを組んで開催された1DAYイベントです。

このサミットの目的は、読んで字の如く、「奈良に良い会社を作ること」。
奈良の地域ブランディングについて思考をめぐらせながら、奈良に産業と雇用を生む「いい会社」をつくる機会となることを目指して始められた新しい取り組みです。

昨年12月4日に開催された当イベントは、平日月曜日の日中にも関わらず、奈良を面白い地域にしようと100名近い来場者の皆さんが集まっていました。「地域をどう良くしていくか」という非常にシンプルな問いですが、県内の市長や町長のみならず、地元企業の関係者が多く参加されており、会場は活気のある良い雰囲気でした。

イベントの内容に関して、第一部には、有識者によるカンファレンス、第二部には、奈良の事業者や起業家によるビジネスピッチが用意されていました。

小山株式会社とは?

読者の皆さんは、今回のイベントを協賛された「小山株式会社」という社名をどこかでお聞きになったことはありますでしょうか?

会社のロゴは、コが八つと、マで、コヤマを表しています!

小山株式会社は、明治26年(1893年)創業で、現在は奈良県に本社を構える、130年以上の歴史を持つ会社です。
「貸布団」というビジネスモデルに始まり、寝具リースを中心に業界のパイオニアとして事業を拡大されてきました。特に、医療機関向けの寝具リース取引を日本で初めて開始したほか、近年では、サイバー事業部を立ち上げ、事業のデジタル化に努めるなど、社会のニーズに応える先駆的なサービスを提供されています。
現在では、法人向けを主として寝具のリースや販売、リネンサプライサービス、介護福祉用具のレンタルや販売など、幅広い事業を展開されています。

小山株式会社のお取引先は、全国に渡ります。
これまでの皆さんの生活の中でも同社のサービスに触れたことがあるかもしれません。例えば、ホテルや旅館等の宿泊施設、合宿等で利用する教育研修施設や保育園といった身近な所で、リースやレンタルされた商材は多く利用されています。
また、医療施設や介護施設においても寝具や関連用品のサービスは重宝されており、日々の暮らしを支えています。

コロナ禍において、小山株式会社様もまた「縁の下の力持ち」として重要な役割を果たされてきました。医療・福祉の現場で活躍するエッセンシャルワーカーの方々への負担が増大していた中で、小山社員の皆さまが寝具や白衣等の商材リース・レンタルに留まらず、130年の経験と実績に基づいたアイデアやITサービスの提供を通じて、各施設をサポートされてきました。

当時のことを振り返れば、感染防止のために、医療・介護の第一線で働かれている方々は、触れたり身につけたりする寝具や白衣、介護用品等を清潔な状態に保たねばならず、精神的にも張り詰めた日々が続いていたかと思います。そうした中で、現場の方々が本来注力すべき業務に取り組むことができるような環境を整えていくことがいかに重要であったかは改めて指摘するまでもありません。
ニッチな事業でありながら、未曾有のコロナ禍に際して、主なお取引先であったホテル・旅館等の宿泊施設が打撃を受けた中でも、安定した会社の業績を残されてきたのは、そうしたエッセンシャルワーカーの方々から堅い支持を受けてきた証だと思います。

閃きを育てよう

小山株式会社が経営理念に掲げてられている言葉が、「閃きを育てよう」です。

少し意外に感じられたのは、私だけではないと思います。
創立130周年を迎え、新たな経営理念として掲げられた言葉だそうです。
歴史ある企業でありながら、閃き・イノベーションを大切にされているのはとても興味深いと思いました。

ここには、「社員一人ひとりが学びや経験を通して得た知見から生み出した閃きを社員全員で力を合わせて育て、イノベーションを起こし成長する企業であり続けよう」というメッセージが込められています。

また企業目標では、「Sustainable Company– すべてのステークホルダーのために –」社員とその家族、顧客、取引先、株主だけでなく、地域社会を含むすべての関係者のために存続し続けることを明記されており、今回のサミット開催にあたって、本社を構える奈良の地域社会にどう持続的な貢献していくのかということを実践されているのだと納得しました。

閃きで民間から地域を変える

今回どうして小山株式会社様が中川政七商店とのこのような取り組みを開くことに至ったのか。その問いを、小山社長に直撃インタビューしました。

そこで、小山社長が端的に答えてくださったのは、
「奈良の会社が、民間から奈良を盛り上げていくことに意味があると信じている」ということでした。

その答えは、地域社会へ貢献していくこと、そして、地域を盛り上げていくために、まさに「閃き」を大事にされている会社だからだと思います。
第1部に行われた有識者によるプレゼンテーションやディスカッションを聞いていると、重要なポイントがあまりにもたくさん指摘されており、キーワードやヒントに溢れた頭の中は、考えや思考がぐるぐると掻き乱れ続けているような刺激的な感覚になりました。
(当日に同席されていた方は、きっと共感してくださると思います…!)
新しい未来の地域社会の姿は、会場にいた各々が得たヒントや新しい視点を通じて生まれた「閃き」を、実際の形に変えていった先に間違いなく存在するのだと思います。

午後に行われた第2部の事業者や起業家の方々のビジネスピッチにおいても同じです。すでに花開きつつある一人の起業家の「閃き」を、奈良を盛り上げようと志を共にする大勢の力で進化させていくことで、真のイノベーション・街づくりを達成することができるのだと感じました。今回のビジネスコンテストの最優秀者には、小山株式会社様のご支援の元で、中川政七商店によるビジネス支援が行われます。

今回のビジネスピッチに参加されていたご登壇者の皆さんは、奈良県出身で、これまで奈良に根付いた商いを行ってこられてきた事業者様ばかり。先代から続く商いを進化させていくビジネスのアイデアもあれば、昔ながらの地域の特産や強みを生かし新たにビジネスに変えるアイデアなど、その商いをその地域から発信していくことに強い意義を感じるものでした。

このようにして、奈良のポテンシャルを活かす会社を増やしていくことができれば、奈良県もGame Changeを起こすことが出来る。1人のひらめきから生まれた1を、大勢の力で10にし、100に育てていく。これこそが小山株式会社様が目指す地域成長の道であり、それが実践されていくようなイベントでした。一人ひとりが持つ閃きを、地域全体で引き出し、それを力強く育て上げることが、地域社会への真の貢献に繋がると、僕自身も共感し信じています。小山社長も語ってくださったように、今回の『奈良にいい会社をつくろうサミット』に居合わせた方々とともに、地元奈良の起業家の皆様のアイデアを大きく育てていくことが、地域社会への貢献に繋がっていくと思います。

奈良にいい会社が増えれば、奈良の社会はもっと良くなる。

そして、それは行政主導ではなく民間が主体となって地域を豊かにしていうということ。「まちづくり=行政主導」と捉えられることが多いですが、基調講演をされた木下斉さんのお言葉をお借りすれば、本来は、「まちづくり=アセットマネジメント」の話であって、民間主導で、良い商品、良いサービス、良い事業、良い会社を創造して、稼げる地域に変えていくことが、まちの活性化には必要不可欠です。

その地域ならではの魅力やその地域だからこそ生まれるビジネスへの価値が多くの方々に伝わり、消費や投資を通じた良好な経済サイクルが生まれるようになれば、自ずと良いまちづくりが続いていく仕組みを得ることができると思います。

地方で働くこと

アナザー・ジャパンを始めるまで、僕は東京の大学に通う普通の就活生でした。
当時から「将来は何かしらの形でお世話になった地元に貢献したい」と淡い思いを抱いていて、就活サイトに登録し、地元企業の一覧を端から見たりしていました。
しかし、いざ就職活動を始めるにあたって地方で働くということを本気で考え始めた時、どうしても県庁や市役所といった行政の仕事に就くという以外の選択肢は、やりがいや収入といったような観点で、魅力的に見えるものがありませんでした。

その後の休学を含めた2年以上のアナザー・ジャパンでの活動を経験して振り返ってみると、就活サイトから得た情報のみで、当時は地方で働くこと、そして地方にあるそれぞれの企業への解像度があまりにも低かったと反省しています。
アナザー・ジャパンで出会った事業者の方々を通じて、地域に根差し、地域の特徴を生かしたビジネスが日本各地でこんなにも展開されているのかということを痛感し続けてきました。
そこで出会った方々は、自分の仕事に誇りを持ち、こんな価値観を持って働いているのかという学びを提供してくださるカッコいい大人たちです。

これから就職活動を控えている学生の中にも、地元や地方で働くことに興味のある方は多いと思います。

皆さんの思いを言い当てるなら、

「地元・地方のために何かしたいけど、何をしたらいいか分からない。」

といったところでしょうか。

僕からアドバイスとしてお伝えできることは、地方で働くことや地方企業に対する自身の解像度を高めてみてください。その手段としてアナザー・ジャパンのセトラーとして働くことはもちろん、思い切って調べて気になる会社のところへ行ってみる、サービスやモノに触れてみることをお勧めしたいと思います。
きっと同じ会社でも見え方が大きく変わるはずです。

選考を控えている就活生の皆さんであれば、ぜひ一度プレエントリーをして会社説明会等の機会を調べてみてください。特に働いておられる方々とお話をしてみて直感的に感じることは、将来を決める上でとても参考になると思います。
今回お世話になった小山株式会社様の就活サイトは下記リンクから遷移できます!

このnote記事との出会いが、これからのキャリアを考える上で少しでも参考になれば幸いです。

これから奈良は絶対に面白い地域になる。

明確な定義があるわけではないですが、今回のサミットを開催された小山株式会社様・中川政七商店もまた、きっと奈良のいい会社です。100年以上の歴史と伝統を持つハイコンテクストな会社の面白さをぜひ一度紐解いてみてください。
僕自身、アナザー・ジャパンの経営を通じて、会社を1年続けることがいかに難しいかを痛感しています。それにもかかわらず、会社が100年以上続くということには、何か大きな理由があるはずです。

日本は、100年以上続く老舗企業が世界一でダントツ多い国ですが、
伝統ある企業は、ただ古いだけではありません。

伝統こそが革新の連続なのです。

130年の節目に「閃き」を経営理念に掲げる会社の新しい挑戦のイベントに参加させていただき、奈良の街づくりにおいて、革新が始まる場に立ち会うことができた気がします。

今回のような奈良での取り組みを通じて、民間から地域を良くしていく動きが醸成され、新しい会社や先進的な取り組みをしている会社が生まれていく、そして地方を拠点とする大きな企業がサポートしていくという形が続いていけば、新たな選択を悩む若者に提示することができるのだろうと思いました。

『いい会社をつくろうサミット』を、今度は自分の地元で開催したい!
この時期にこの取り組みを実施できている奈良県が純粋に羨ましい、そう思うようなイベントでした。

今回のライター:Reon Fujita


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