見出し画像

日本仏教復活への提言⑨ 「私的」自宅祭祀

 最後に、これまで述べてきた信仰、世界観を日々反芻するための習慣として、自宅祭祀の次第も以下の如く定める。自宅の神棚には中央に法身仏の応化身として三界の魂を教導する不動明王の護摩札、向かって右(神道における上手)に神霊を包摂する天照大御神の神札、そして左(仏教における上手)に精霊を教導する弘法大師の御影札をお祀りし(三尊合行法)、普礼真言ならびに五体投地を以て日々礼拝し三尊への帰依を固く誓う。

 以上の供養祭祀の勤修を通じて、ついに法身主義の世界観ならびに三界往生の死生観を心底より確信するに至った時、在家の身にありながらも生活活動の全ては利他の普賢行へと転じ、そして死による可視的な肉体の消滅への恐怖感や虚無感からは解放されて、今の一瞬一瞬の生に対し微塵の迷いもなく真摯に向き合うことができるようになると信じて疑わない。

 ひいては現世においても到達し得るこの境地こそが、弘法大師の説く「即身成仏」に他ならないのではないだろうか。わたし自身の残された人生を懸けて、この仮説を検証して参ることとしたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?