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【前編】J-PlatPatとMS Excelを使ってFタームから統計解析マップ作成-Fタームを用いたパテントマップを作成する際の考え方

本マガジンでは特許検索を中心に解説してきましたが、今後は特許分析・パテントマップ作成などについても取り上げていきたいと思います。

J-PlatPatとMS Excelを用いたパテントマップ作成方法については、既にイーパテントYoutubeチャンネルで動画をアップしておりますので、そちらをご参照ください。

今回取り上げるのは、J-PlatPatとMS Excelを使ってFタームから統計解析マップを作成する方法です。

本シリーズは本編3回+補足の全4回でお届けする予定です。

前編:Fタームを用いたパテントマップを作成する際の考え方
中編:J-PlatPatとMS Excelを用いてFタームを用いてパテントマップを作成する(方法1)
後編:J-PlatPatとMS Excelを用いてFタームを用いてパテントマップを作成する(方法2)
補足:有料の特許検索データベースを契約している場合にFタームを用いてパテントマップを作成する方法

J-PlatPatとMS Excelを用いてFタームを用いてパテントマップを作成する方法は主に2つあります。

もちろんJ-PlatPatではなく、有料の特許検索データベースを契約している方でも2つの方法とも活用することができます。有料の特許検索データベースからはFタームなど各種項目を含めたCSV・Excelリストをダウンロードすることができますので、有料の特許検索データベースを契約されている方の方がより効率的にパテントマップを作成することができます。

今回は第1回ということで、ある程度パテントマップの基礎知識をお持ちであり、実際にパテントマップを作成していきたいという方を前提としてお話していきます。

パテントマップの基礎知識などは拙著(Amazonへのリンクを貼っていますが、中古本で高価なので発明推進協会の書籍サイトから購入いただく方が良いです)や過去の論考、本noteの別記事をご参照ください。

1. 特許分析・パテントマップを作成する上で重要な分析軸

あるテーマを設定して特許分析・パテントマップを作成する際には、分析母集団検索式を作成します。この検索式をどう設定するか自体も重要ですが、良い分析母集団が設定できたら、次に重要となるのが分析軸(分類軸や分析項目とも言う)です。

たとえばハイブリッド自動車について分析したい場合、仮にハイブリッド自動車の分析母集団5,000件のみで分析しても

・件数推移マップ
・出願人ランキングマップ
・出願人別件数推移マップ

などのパテントマップしか作成することができません。

ハイブリッド自動車といっても、

・ハイブリッド自動車の車体構造
・エンジン制御
・モータ制御
・エンジンとモータの協調制御
・バッテリ/バッテリ制御
・エアコンなどの補機制御
・カーナビなどとの連携制御

など様々な技術から構成されています。また技術以外にも、

・農作業機械用
・建設機械用
・乗用車用
・商用車用(バス・トラック)
・コミューター(個人移動用)

など様々な用途・アプリケーションや、

・低コスト化
・低燃費化
・排ガス特性
・軽量化
・生産性向上

といった様々な課題があります。

このような技術、用途、課題などが分析軸というもので、1つの大きな分析母集団を様々な観点で分析することで、対象となるテーマ(ここではハイブリッド自動車)の出願状況の詳細を明らかにすることができるのです。

本シリーズでは、この分析軸としてFタームを使ってパテントマップを作成する方法について解説していきます。

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