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ベンチャーキャピタルが奨学金を始める訳

ベンチャーキャピタルANRIの鮫島です。

こちらでリリースした通り若手研究者向けに奨学金を開始したのでその背景とかポエム書いてみた。

ベンチャーキャピタルという仕事は奥が深くて自分みたいなペーペーが何も偉そうに語れるものではないが、大企業や銀行さん等の投資家から見れば金融商品の一つだ。そこにお金を預けて投資家はリターンを得る。そうするとインフラファンドやヘッジファンド、日本で言う所のカーライル等のPEファンドとかと比べて少なくとも同程度以上のリターンを出さない限り僕らは生き残れない。なので僕らは投資家の皆さんに最大のリターンを出せるように日々頑張っている。但し、他の種類のファンドと大きく異なる点が一点あると思っている。それはベンチャーキャピタルは投資を通じて未来を創ろうとしているという点だ。起業家のハートに火をつけて事業を加速させる。その先に誰かの課題を解決して、よりよい未来を創る。産業を創る。ベンチャーキャピタルはそんな最高の仕事だと思ってる。

自分は大学発ベンチャーと呼ばれるような技術系ベンチャーを中心に投資させてもらっている。その活動をしている中で自分が感じてきたのは、事業化にはすぐには結びつかないけれども素晴らしい基礎研究が日本にまだまだ存在するものの冷遇されているという事だ。自分自身が大学院生だった10年前から変わっておらず、むしろ悪化している気さえしている。特に若手研究者の待遇は悲惨だ。数万円の教科書が買えなくてその為にバイトするなんておかしい。もっと基礎研究に集中できる環境を整えるべき。そのような基礎研究もゆくゆくは、未来を創るコトに繋がる訳で、投資を通じて未来を創るベンチャーキャピタルの仕事と目的は同じで、アプローチが異なるだけだ。

そんな思いから大きな金額ではないけども今回の奨学金を始めてみた。海外ではPether ThielやEric Schmidtらも奨学金プログラムを実施しており、起業家やベンチャーキャピタリストが奨学金をやったりNPOに寄付したり未来を創る為の様々なアプローチを取っている。今後日本でも投資以外の活動も通じて社会に貢献する、よりよい未来を創る、そういうコトをやらない投資家はむしろサムイって認識される時代になるのでは。

今回の奨学金によって少しでも若手研究者の研究の足しになれば幸いだし、自分独自のよりぶっ飛んだ研究に果敢に挑戦してもらえると最高だ。

ユニークな基礎研究しているにも関わらず資金が足りなくて困っている、そういう若手研究者のご応募お待ちしてます!


ベンチャーキャピタルANRIの鮫島です。普段は本郷のインキュベーション施設(#NestHongo)で暇してます。起業相談、テック系分野のインターン、お茶したいとかあればお気軽にDMくだされー


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