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【GMB入居者インタビュー】けんすうさんに聞く!GMBの魅力!

『GMB入居者に聞く、GMBの魅力!』は、ベンチャーキャピタルANRIが渋谷で運営するインキュベーション施設、Good Morning Building by anri(以下: GMB)に入居している方々に、さまざまなお話をうかがっていく企画です。第1回目は、アル株式会社の、けんすうこと、古川健介さんです。

情報過多の時代にこそ見直される「立ち話」の価値

Q: こんにちは!さっそくですが、GMBに入居されたきっかけは何だったのでしょうか?

古川健介さん(以下:古川):きっかけは、佐俣アンリさんから「GMBに入らない?」と言われたことです。当時、私は、前職の会社に所属していたのですが、成果を長らく出せていないという危機感などから、環境を変える必要を感じていました。

自分でオフィスを借りてもよかったのですが、アンリさんとはリクルートにいる時からの友達だったので、友達の近くで働くのもおもしろいかなーという軽い気持ちで入ったのがきっかけです。

Q: 実際に入居してみて、いかがでしたか?

古川:年齢層が若くて、かつほとんどが違う会社の人、という環境はすごいおもしろかったです。実際に、同じフロアにいる人に投資をしたり、そのサービスを使ったり、ということもよくありました。

こういったインキュベーション施設を検討している起業家の方も多いと思うんですが、やはりいちばん大きいのが、人のネットワークです。

Google Venturesの調査によると、VCと会社との距離感は、ベンチャーの成功率に寄与するというデータがあるようです。また、集積効果という言葉もあり、一つの場所に集まっていることは、大きな効果をもたらします。

その一つが、立ち話です。わざわざ、アポをとって、アジェンダを決めて話すような情報は、いわば、効率化された情報。つまり、コモディティ化が早い情報です。そういう情報に価値がないとは言いませんが、みんな必死に情報を集めるので、ほとんど差がでません。

むしろ差がでるのは、5分の立ち話で生じる雑談からの情報です。たとえば「ありえないと思うんだけど、こんなビジネスアイデアどうか」とか「あの会社、今こういうことでうまくいっているらしいよ」という、まだ生の、調理されていない情報こそが、重要になってきます。

インターネットによって情報が高速にシェアされるようにあったからこそ、会議室でもない、オンラインのチャットでもない、飲み会でもない、ちょっとした立ち話の価値があがっているように思います。

Q:なるほど。ちなみに、GMBならではの、入ってよかったことなどはありますか?

GMBでは、ラウンジや、外のカフェなど、話しかけやすい雰囲気があったり、みんなで集まってボードゲームをする、ご飯を食べるなどのイベントも開催してもらっているので、そこでの交流が大きなメリットとだと感じています。多くのインキュベーション施設でも、内部のコミュニティを盛り上げようと、いろいろ施策は打っていると思いますが、自然と、各社の社員同士でもコミュニケーションを取りやすい状況になっているのは、GMBの特徴の一つかもしれません。

それは、やはり心理的に、話しかけやすい、それが許される雰囲気があるから。アンリさんが、威圧感なく、親しみやすいのが大きいと思っています。起業家をコントロールしようとしない。「安定した精神で、元気に、楽しく、仕事を超がんばれ」ということ以外、あまり介入してこないイメージがあります。

GMBのユニークなところでいうと、近くにいる起業家や社員、VCの人も、下のカフェでのんびりしてたりすることじゃないでしょうか。卒業していった人もいますし、単に近いから、という人もいます。そういう、起業家が自然といたくなるオープンな雰囲気はよい特徴の一つだと思います。

多くのインキュベーション施設は、入り口がビルの中だったりしますが、GMBの場合、道沿いにカフェがあるので、たまたま通りがった起業家が話したり、カフェでコーヒーをかってラフに座る、という参加方法ができるので、出来ていることだと思います。

起業家が、起業時に気をつけないといけないことは、孤独になることです。一緒に働いている仲間とうまくやっている時はいいのですが、仲間が去ってしまうことも、よくあります。そういう時に、孤独な状態だと「もう終わりだ」と極端な考えになってしまったりするのですが、利害関係がない仲間がいると、追い詰められづらいというのはあります。

起業家でつらいのは、事業がうまくいかないことよりも、孤独を感じることだと思うので、そこのセーフティネットになっているのは、インキュベーション施設のいいところだと思います。

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アドバイスは「点」ではなく「線」で。GMBコミュニティだからできる、独自のつながり

Q : GMBを見ていて、他のコミュニティと違うな、という点はありますか?

他の起業家コミュニティなどでは、相談内容がほぼ同じなイメージがあります。設立時だと資金調達、グロース時期だと、マーケティング、拡大期だと組織の問題、などです。

しかし、これらの相談内容の問題は、ほとんどが「点」での話になってしまうということです。A社では成功したやり方が、B社では全く機能しない、ということはよくあります。それは、「線」で考えていないからです。施策には一貫性が必要なのに、点で相談してしまうことで起きてしまう悲劇です。

しかし、GMBではそういった話はあまり出てこない気がします。どちらかというと、じっくりと人間関係を作った上で、線でアドバイスができるという点です。

これは、運営しているANRIさんが前に出すぎずに、お互いに会社同士がコミュニケーションしているからだと思います。おそらく、アンリさんが知らないところで、僕もたくさんいろいろな人にアドバイスしたり、たくさんアドバイスもらったりしていると思います(笑)。

Q: 今、ベンチャーキャピタルがこのようなインキュベーション施設を運営する意義があるとしたら、どのような点がありますか?

投資家との距離が近いというのは個人的には非常に重要だと思います。

私も、40-50社近く投資をしていますが、やはり連絡が頻繁な起業家と、そうでない起業家とでは、コミットの度合いが変わっていきます。そして、そのコミットは、起業家側が引き出す必要があります。

連絡も相談もしない起業家には、やはり投資家も協力をしなくなっていきます。しかし、若い起業家には、大人をいい感じにコントロールして、使うというスキルが足りなかったり、その発想がなかったりします。

その意味で、GMBのようなインキュベーション施設があると、ラフに「最近どう?」と話しかけたり「これ協力してください」と頼みやすかったりします。その意味で、インキュベーション施設は、ベンチャーキャピタルにとって、投資の成功率をあげる大きな武器になるのではないでしょうか。


「作業場所」にとどまらず、社会を共にアップデートする「連帯」へ

Q: インキュベーション施設の役割は、昔と変化していますか?また、今後どのように変わっていくでしょうか?

昔は単純に、働く場所を提供するという機能の話だったと思います。要は、オフィスの賃料が安い、もしくは環境がいい、審査がかんたん、などです。

しかし、今やインキュベーション施設には、機能はほとんど差がでません。極論、空調がきいた部屋があり、インターネットが快適であれば、そこまでの施設は求められていません。むしろ、高級すぎると、次に移転したときに、グレードがダウンした感じがして嫌だ、という会社もあります。

今、求められているのは「意味」です。

たとえば、GMBが持っている「意味」は、「お互いに協力しあい、良い変化をもたらして、社会をアップデートしたい」ということです。ディストラプト(破壊)でもなく、競争でもなく、お互いに協力しあうことで、社会をアップデートする。そういう意味をもったインキュベーション施設だと思っています。

他のインキュベーション施設では、他の意味を持っているでしょう。たとえば、Skyland Venturesが運営しているHiveでは「起業しろ」です。これは、起業前の人が訪れた時には「会社を自分で立ち上げろ」という意味になりますし、中ですでに起業している人たちには「ビジネスを立ち上げる」という意味になります。

それぞれのインキュベーション施設が、それぞれの意味を持って、その上で、起業家が選べるようになるとよい環境になるなーと思っています。

ありがとうございました!

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