親父という生き物

生まれたての娘をどう抱擁していいのか
実際これが人間か?
自分の子供という実感がなかなかわかない
自分の身体から生まれてこないからか
とっても不思議な感覚

暫くすると無性に愛おしくなり
肌から話したくなくなるほど愛したくなる。
おむつを替えたり、食事を与えたり
突拍子ない反応であったり、太陽のような笑顔だったり
不安に思うような表情であったり、何もかもが気になる
ぷにょぷにょの腕、団子さん兄弟みたい
首がまだ座っていない頃は
注意を怠ってはいけない。
夜な夜な起きても、彼女の笑顔は仕事のストレスを
一瞬で忘れさせてくれる。

最初の一歩、歩けるように自分なりに努力をする彼女
感動でしかない。妻への感謝が生まれ、家族という絆がさらに強くなる。
娘の一歩が我々の一歩でもある。
舌への刺激を覚えさせるために、レモンの切れを舐めさせる。
梅干しを舐めさせる。
色々な表情は今でも心に刻まれている。

日々の進歩があり、成長があり、親も親にさせてもらっている。
一緒に子供たちとお風呂に入る。
何秒もぐってられるか競争だ。
スイミングを習っている成果を見せてくれる。
足の下を潜り抜け、自慢げにほほ笑む。
そのうち徐々に彼女の身体にも変化が生じる。
改めて異性の身体の違いをまた妻とは別の意味で脳で理解する。
娘もじっくり自分の身体との違いを認識する。

ある時期に、『もうお風呂が狭いから別に入ろう。』と
説明するまでもなく、なんとなく別々に入り始める。
少女から大人の身体へと、妻と娘の成長を確認。
子供たちと一緒にというか、寝かしつける事もなくなり
親父として娘にどう接するかを自然と考え始める。
あらためとというわけでもなく、以前からそうしないといけないと
自然と理解していた。

話しかけるも、異様に反応し親父に反対意見をする娘
あまり追跡する事もなく、何気なく会話を終わらす。
そいういう年なんだと。
どうしても愛おしく、抱きしめてあげたいが
幼児の頃とは違う。
頭をごしごし、
手のひらを叩いたり、
足の裏を触ってみたり、
なるべく体の中心から離れたところで
痛いかもしれないが、
これが親父の愛情表現

どう生きようが、お前の人生だが
いつまでも健康で、いろんなことを学んで
最終的には幸せになってくれればそれでいい。
とっても愛している娘へ

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