読書記録「鹿の王 上下」

こんにちは。南極に行く目的を探すため、インプットを続けているライアンです。
このnote毎日投稿ももうすぐで1か月早いものですね。

どっちもすぐには成果などにはつながらないとは思いますが、地道に続けたいと思います。

そんなわけで今日、先輩からオススメしてもらった本が届く前から読んでいた「鹿の王」を読み切りました(高井さんの本は近日中に感想upします)。

簡単にあらすじを紹介すると、黒狼病という伝染病を巡った、感染するも生き残ったもの、立ち向かう医者、陰謀に利用しようとする人々を描いた異世界医術・政治ファンタジーです。

作者が先日読んだ「獣の奏者」の上橋菜穂子さんで、同作からは自然科学を(生き物の摂理を)探求する人間の意欲を感じることができたため、南極でなにがしかを研究したいと思っている自分に影響を与えてくれるのではないかと思い手に取った次第です。

正直、「やばいこれを研究したい!!」という運命の出逢いはなかったですが(;'∀')、そこまで一気に期待していたわけではなかったのでダメージは小さいです (笑)

ただ、代わりに死生観に影響を受けたように感じます。

ネタバレは避けて、まとめると。

生物の死は悲しいが、終わりではない。

そういうエピソードが盛り込まれていました。全体を活かすために死にゆく細胞。群れを活かすために死にゆく個体。それらがあるからより大きなものが生き残って、次につながるのだなという。

案外人間っていうのはそういうものなのかもしれないと思います。

僕は、一人一人の人間が生まれてきた意味を持っていると思っています。
ただ、これまでここにおける意味=その人が生きている間に何か社会に影響を与えるものを生み出すことだけを想定していました。

ただ、今回の「鹿の王」を読み切った直後、歩いているときに

「人の一生には意味があると考えているがもしかしたら、それは次の世代が何かをするための土台を作る事だったりして、その人が生きている間には目に見える成果にはつながらない。なんてこともあるんじゃないのか」というこれまでにない考えが生まれてきました。

正直に言えば、そんな考えは「自分は”何者”かになって、何かを成し遂げたい」と考えている若い自分:ライアンには少々受け入れがたい考えです(自分からわいてきた考えですが・・・)。

でも、いつかそんな考えもきっと役に立つ日が来るでしょう。
(RPGとかで最強の回復薬をもったいながって、クリアしても手元に残っているタイプの考え方)

作中ではないのですが、もう一つ得たものもあります。それは元は文化人類学者だったという作者の上橋さんが本から得たイメージから執筆に入っているとのこと。
タイトルを見ると、結構専門的な学術書に見受けられ、そういった本を広く収集することが緻密な設定をもつ異世界での物語を紡ぐ基礎になっているのだろうなと感じました。

それに読み始めたころに、こんなニュースが出たのは縁を感じたものです。

そう、鹿の王がアニメ化されるということ。

しかも製作するのはこれまで多くの作品を拝見してきた、Production I.G.。これは楽しみです。

特に、同プロダクションの「攻殻機動隊」や「psycho-pass」という2大作品には大きな影響を受けているのです。

こちらも楽しみに待ちたいと思います。

頂いたサポートは、南極の植物を研究するために進学する大学院の学費や生活費に使わせていただきます。