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舞で語る

光の舞TOMO with 助川久美子「空の道」”Sky Path” Hikarinomai-TOMO with Kumiko Sukegawa
2023/07/04 @那須高福寺

かつてある演出家が言った。
「歌は語れ、セリフは歌え」
この言葉にもうひとつ、次の一節を追加する必要がありそうだ。
「踊りは舞え」
「光の舞TOMO」という「舞手」がいる。
この人は、まさに踊るのではなく「舞う」。
まったく淀みなく舞い続ける。
舞い続けたかと思うと、ピタリと止まる。
舞い続けるのも、ピタリと止まるのも、よほど体幹がしっかりしていないとできるものではない。そこはさすが鍛錬の賜物である。
しかもこの人は「舞で語る」人だ。
今回彼女に、一人の女性の誕生・幼年期・思春期・成人期・老年期・死・再生という、ライフサイクル全般にわたる喜怒哀楽とそれを超越した世界観を、ほとんど即興で(本番前日に一回音合わせしただけで)、舞っていただいた。役者でさえ、そう簡単に即興で演じられるものではない。
彼女はそれを、己の肉体だけで見事に表現してみせてくれた。さすがである。

ここにご紹介するのは、光の舞TOMOと助川久美子とのコラボでは定番となりつつある「空の道」という曲だ。
助川はこの曲を「大いなる存在からの恩寵」と呼んでいる。
まさに女神としての「光の舞TOMO」にピッタリの曲である。彼女はこの曲を毎回即興で舞う。
この曲を歌う助川は、「力まずに力強く」を心がけている。
これもまた「歌は語れ」の極意でもあるだろう。

”Sky Path”
music, vocal, guitar by Kumiko Sukegawa
words by Anthony K.

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