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京都の真ん中で見つけた「プチ瑠璃光院」のこと

この間の土曜日、イメージ的に「京都市の真ん中」=堀川六角にあるカフェで、めちゃくちゃに癒される体験をした。

↑堀川六角の位置
リフレクションとほうじ茶

折しも(?)その前日、3ヶ月交際して実家への挨拶も済ませていた婚約相手との別れを決断し、けっこうな傷を追っていた——話し合いの結果「まあどう考えてもこいつとは無理だな」と頭では納得しつつ、そこそこのダメージは受けた——心に、曇天の光を受けて柔らかに輝く新緑が沁みた

お店の名は「麓寿庵(ろくじゅあん)」。

用事の帰りにたまたま見つけ、綺麗な看板に惹かれて立ち寄った。

この暖簾をくぐると左側、横幅の広い玄関にカウンターがあり、
いかにもバイトらしい和装風の女性店員さんが数名。

(帰るときにはパンツスーツ姿の女性も見かけた。マネージャーさんだろうか。なんにせよ、この日のスタッフは全員同年代っぽい女性だったこともあり、より寛げた気がする)

靴を脱ぎ、料亭でよく見るタイプの靴箱に入れて、鍵をカバンに入れる。
カウンターの横の椅子に腰かけると、お品書きを渡されてここで注文する。
さらに店員さんの説明が続く。

「お時間よろしければ、この建物のご説明をさせていただきます」

とのことで、お願いした。

「こちらへどうぞ」と案内され、大正時代の絵師・今尾景年の邸宅を改装したという話、絵師の作品や制作中の姿の写真、当時の天皇より賜ったという柱、庭園の説明、等々……

さほど興味がなくとも聞き飽きない・見飽きない程度の量の情報・作品・調度が楽しめる。

そして、眼前にお庭が広がる席に案内された。

表側の庭

人が少なければ、表側の庭↑と奥の庭↓と、それぞれに面した席に座らせてもらえるようだ。

奥の庭

カフェタイムのお品書きは「鴨粥」か「華わらび」の二択。

正直、どちらを選んでも全く腹には溜まらず実用的ではない感じだが、それを超えるおまけが付いてくる。

ほぼ貸し切り状態(反対の庭側に二人組のお客がいたが、会話が時々耳に届く程度)の静かな広間で、新緑のリフレクションを楽しめる——

「こりゃまるで、『プチ瑠璃光院』とも言えるのでは?
 烏丸御池駅から徒歩10分程度の京都市の真ん中
で、
 
美味しいものとおかわり自由のお茶を頂きつつ、
 
マイナスイオン浴び放題の癒され放題……
 これが1500円から体験できる
とは……格安すぎる……!」

と、慄いた。

慄きつつ、1時間少々滞在した。

エディブルフラワー入りのぽてぽてと愛らしいわらび餅を
きな粉と黒蜜で
頂き、ツイッターを眺め、
お茶を一度おかわりし、撮影用和傘も完備のお庭を歩き、
これまた谷崎の『陰影礼讃』を体現したようなお手洗いを借り、
席に戻って残ったお茶を飲み……

通路を挟んだ隣にカップルが座ってお喋りを始めたのを機に、
ようやく席を立った。


「やべーな……やべー癒やしスポットを見つけちまったもんだ……」

とニヤニヤしながら、お会計してお店を出た。

土曜の午後だったが、席にはだいぶ余裕があった。
店名で検索すると複数の紹介記事は見つかるものの、まだ新しくてそこまで有名ではないのだろうか。

レビューをつけるなら間違いなく星5以上だが、
あんまり人気が出ると、あの静けさを味わえなくなるのがジレンマ。

……と言いつつ、維持にもコストがかかるだろうから、あまり人が来なくてなくなっても困る。
ここがなくなったら泣く。

婚約相手と別れる時も全然泣かなかった自分であるが、この小・瑠璃光院が失われたなら絶対泣く自信がある。

ということで、これをお読みいただいた方は是非とも、というか必ず訪れてくださいまし。

"映え" 間違いなしの「華わらび」が1500円、健康に良さそうな「鴨粥」が2500円ほどです。

お茶はなんかすごくいいお抹茶か、香ばしいほうじ茶が選べておかわり自由、合計2000〜3000円で、かの有名寺院的なリフレクションが味わえます。

コロナ禍だとのんびり過ごせた瑠璃光院も、
今や人が増えて癒しどころの話ではないと思われるので……。

陽射しの下の新緑も素晴らしいだろうし、今後も定期的にマイナスイオンを浴びに行きたいカフェである。


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