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アンティークメダイに描かれた、リジューのテレーズ…薔薇の雨を降らせる乙女

来たる10月1日はリジューのテレーズの聖人暦の日です。
といっても何か特別な事が行われるわけではありませんが、カトリックの習慣ではこのように聖人の日が定められています。
聖テレーズは24歳の若さで亡くなった美しいシスターとしてフランスでも人気の高い聖人です。
数々いる聖人聖女たちの中では断トツに若く美人で、個人的にもジャンヌダルクと一位二位を争う押しの聖人です。

美しい姿の女性はやはり絵になるもので、アンティークメダイをはじめ、蚤の市で見かける古い物には聖テレーズのものがたくさん。
ここリヨンが彼女のゆかりの地であるリジューに近いからという理由もあるかもしれません。

私自身はカトリック信者ではないため聖品はあまり蒐集していませんが、小さな中に芸術が凝縮したメダイだけは例外で…
このように美しいテレーズの姿が描かれたメダイはつい手に取ってしまいます。
どのテレーズが一番美人でしょうか?

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これらの構図のように、少し右側を見せ目線を合わせたものが一番よく見かけるテレーズの姿で、手に薔薇と十字架を持っているのが特徴です。
メダイには大抵描かれた聖人の名前が書かれていますが、まれに無記名のものもあり、そんな場合でもこのように薔薇と十字架を手に持った美人であればその特徴だけでテレーズと見分けることも可能です。

このようなお約束の構図というのはカトリックのアイコンではしばしば見かける決まりごとのようで、それを調べるだけでもオタク心が弾みます。
※お仲間がいればぜひ語り合いたいものです。

彼女のトレードマークは何と言っても「薔薇」です。
手に持った姿以外にも裏面に薔薇が描かれているものや、メダイ自体が薔薇の形をしているものも。

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さらに裏面には彼女が残した名言が記されていることもあります。

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Je veux passer mon ciel a faire de bien sur la terre. (地上に善を為すために天での時を過ごしましょう)
Je ferai tomber une pluie de rose. (薔薇の雨を降らしましょう)

これはテレーズが残した有名な言葉ですが、この事から空からバラの花が降ってくるようなデザインが裏面に用いられることが多いようです。
文字の周囲にも薔薇の花があしらわれており、薔薇とテレーズはいつも表裏一体だという事がうかがえます。
薔薇とテレーズ。
この美しい二つが組み合わされ描かれた構図は、エレガントで人気が高いのもうなずけます。

おまけ
こちらはテレーズのメダイにしては変わった形とデザインです。目を閉じた横顔は少し希少なデザインです。

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古くから願いや祈りが込められた、アンティークメダイ。
その思いを受け継ぎつつ、小さな美術品として蒐集する方が今また増えてきているようですね。

※この記事は2015年に書いたものをrewriteしています。

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