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STU48船上劇場のすゝめ、船上公演のすゝめ、「GO!GO! little SEABIRDS!!」のすゝめ

「お見送りなど甘え」
「お見送りがないと出席確認ができないってやつは何やってもダメ」
「お見送りが当たり前と思っていたとは、蜂蜜のように甘ったるい思考」
「お見送りとうちわと推しサイリウムは女子供がやること」

どうも。
アンチッチでございます。

3回ほどSTU48の船上劇場を見たので感想を箇条書きさせていただきたいと思います。




ざっくり言うと
・「GO!GO! little SEABIRDS!!」公演
・STU48公演
の前半後半という構成です。

わたくし、あまりまとめサイト等は見ないようにしているのですが、頻繁に「賛否両論」という言葉を散見いたしましたので、さぞかし「賛否」渦巻く、賛成と否定が風神雷神のごとくヲタクに立ち向かってくるのかと身構えながら、船上劇場の入口には賛成と否定が阿像吽像の如く仁王立ちしているのかと怯えながら、いざ初出航を迎えたのでございます。

最初に見終えた時は

「めっちゃええやん」

と感嘆してしまいました。

「○○プロデュース公演」なるものに、さして新しいものを感じなくなってきたところに、今村ねずみ氏が手掛けたという「GO!GO! little SEABIRDS!!」公演は他のプロデュース公演とは一線を画するものであった。

冒頭からOvertureなしで、「瀬戸内の声」をBGMに海を模したブルーのカバーをかけられて視界を奪われる。

カバーが剥がされると眼前に広がる16人の少女たちのシルエット。

そこから1曲目の「フライングゲット」が始まるまでの間は完全にバーレスク東京の世界。
48の文脈で読むのなら「SDN48」を彷彿とさせるオープニングショー。
中学生メンバーだろうが関係ない。そこが広島港であろうが高松であろうが徳島であろうが今治であろうが神戸港であろうが下関出あろうが関係ない。瞬間的に六本木はバーレスク東京のような、魅せる魅了するダンスを軸としたショーパブタイムが展開される。

そして王道のAKB48のヒットナンバーをDJ調につないでいき、「恋するフォーチュンクッキー」ウクレレverで自己紹介。

その後には昭和楽曲のカバー。48の公演で言うところのユニットゾーンである。
このユニット部分では「歌唱」を軸に展開。口パクなど許されなかった時代の曲を口パク無しで歌い上げる。
そうなると必然、ヲタクも「MIXなし」「コールなし」を強いられる。アイドル文脈のお約束は許されない。
しかし、ユニットゾーンの最後の楽曲は「風を待つ」というSTU48のシングル楽曲。ショータイム仕立ての非現実からSTU48メンバーがアイドルとして、歌って踊る現実に戻ってくるという仕立て。

以上、ここまでが「GO!GO! little SEABIRDS!!」公演ということになる。

ここから先は、前半後半チームに別れたMCが入り、ほぼすべてSTU48楽曲を使用した後半ブロックに突入する。

つまり船上劇場初日から叫ばれていた「賛否両論」という評価は、これは実質前半を指してのことだったのでありましょう。


私はSTU48が好きですが、しかし動画で公演を見るのがどうにも億劫な質なものでして、公演を生で見るまでセットリストも何もほとんど知らない状態で見ることができました。まあ、甲斐心愛ちゃんがウクレレを弾いている曲があることは画像等が目に入ってしまい、知ることとなりましたが。

そのような実質初見という状況で思ったのは、「練り込まれていやがる」というもの。

バーレスク東京からものまねパブの歌謡タイム。六本木のショーパブのような世界観の連続。船上劇場が浮かぶ瀬戸内の海とのコントラストがきいており、「非日常」が突如として瀬戸内海に浮かぶことになる。

完全オリジナル公演が1番という大前提はおいておこう。
オリジナル公演がない中での選択肢は

・ 既存の公演を使う
・ 陸上公演のセトリの流用
・ プロデュース公演

正直どれもベストだしどれもベターなんだと思う。
つまりは、選ばれたものこそが、少なくともベターであると信じるしかない。

初っ端のバーレスク東京のような妖艶な演出と口パク当たり前のアイドル界をあざ笑うかのごとく、懐メロ歌謡をガチで歌いきる。
他のプロデュース公演との分かりやすい違いはこの2つかと思うのですが、この演出が成立するのはSTU48だからだと思いました。

STU48の活動の中心は広島。広島といえばアクターズスクール広島。
通称「ASH」のお膝元。
日本アイドル虎の穴と呼ばれ、PerfumeとBABYMETALという、世界に通じるアイドルを生み出したと言っても過言ではない、最強のアイドル養成機関。
そうそれがASH。

STU48には、アイドル虎の穴で鍛えられしASH戦士が多いことは既知のことだろう。
またASHではないが、スクール等で鍛えられていたメンバーが多い。
「GO!GO! little SEABIRDS!!」公演が最初の公演でも成立したのは、ASH出身者たちの能力の高さが重要なファクターであったことに異論はないだろうし、ある程度その高い戦闘力を前提にセットリストを組んだのではないだろうか?

私は、STU48はASHと非ASHの織りなすコントラストを楽しむものだと思っている。

そのASHと非ASHの対比を上手に料理できているのが「GO!GO! little SEABIRDS!!」公演だと思う。
ベストかは断言できないが、ベターな選択をした良いプロデュース公演だと断言したい。
当日公演を見終えた私は「めっちゃいいじゃん」とTwitterで呟いたのでございました。


さて、それでも不満部分はよく分かります。

単純に推しメンが出ない問題に関しては、これがSTU48結成3~4ヶ月目で船上劇場ができ、そこで船上劇場公演選抜が今のような形になったのなら、文句を言うヲタがいても「黙れキモヲタ、モブヲタ共」と思うのですが、船上劇場ができるまでがあまりにも長かった。
その間に醸成されていった、序列や人気を一気に無視した選抜。
それもよくあるサプライズなんだと、「なんでもありのAKB48」の姉妹グループなんだからと、納得できるほど人ができている必要はないでしょう。

これに関しては船ができるのが遅かったのが悪い。
推しメンが出ないから見ない。それを責められる状況ではないと思うので、そこに関しては共感できる次第です。

あとはユニット部分でなんともあくびが出そうな曲が続くと言いますか…。
初めて見る公演では全曲集中しますが、2度目3度目となると、見る方にとってそこがあからさまな休憩タイムになってしまうといいますか。
あくびタイムになってしまうのが本音でございましょう。そこで飽きさせないよう、よりメンバーが心を込めて歌ったとしてもいかんせん曲が。BPMが。眠気を誘ってくる。
「飽きる」という感想も散見しましたが、それもまたまあ納得できるかなと。

そしてヲタクの業でもありますが。
ヲタクが背負いし業とでも言いましょうか。
お見送りがない…。
私も本来の劇場公演はお見送りがなくて良いと思っています。
世界観との兼ね合いや、観覧中「お見送りで出席確認できればいいや」となると、必死さが湧き上がってこないことがありまして。
しかし。
「遠征」「糞席」の2要素が加わると、途端に私も「お見送りやってくれ」派に寝返るわけでして。

さすがに。
さすがに船上劇場の糞席は辛いです。
「無」の海中にいるかのような、モニターで見るよりも見づらい環境で、前方の盛り上がりからも置いていかれると状況。
それが、新幹線で、飛行機で。
何万円もかけて遠征した時に糞席というコンボを食らうと、否が応でも萎えてしまう。
せめて。
蜘蛛の糸のようなか細い糸でいい。一瞬でもいい、超高速でもいい。
「お見送りをやって欲しい!」
船上劇場から出たら日が暮れており、暗闇に包まれた瀬戸内海に向かって叫びたくなるのです。


「お見送りは甘え」
「お見送りに縋り付きたい夜もある」

このコントラスト。
正の感情と負の感情のコントラスト。
そうコントラスト。
STU48とはコントラストなのです。


「GO!GO! little SEABIRDS!!」公演。
見ないという選択肢はない。
絶対に1度は見てください。
そこではいろんな感情を喚起してくれることは間違いないと思います。
私は3回くらいしか見ておりませんが、それでもメンバーの成長や、新たな発見、そして「このままでいいの?」という運営への疑問等々、いろいろな感情を呼び起こしてくれることは間違いないです。

GO!GO!瀬戸内!!
GO!GO! little SEABIRDS!!


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