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アーティストとデザイナーの違いを考える

6回目のポッドキャストは、アーティストとデザイナーの違いについて話しました。

アートとデザインの2つを比較すると、アートの方が「大人の振る舞い」をしているとの印象をうけます。なにせ、歴史と伝統が違います。どうも、アーティストとデザイナーの間でも似たようなところがないだろうか、ということが話題の発端です。

アーティストは素を出すことが多い一方、デザイナーは用意した言葉で喋ることが少なくない。用意した言葉を喋る人はビジネスパーソンなら(まだ)よいですが、クリエイターの範疇に入るデザイナーはもう少し言葉を自由に扱っていいのではないか。そんなことをさまざまなクリエーターと話していて、ぼくは思うのですね。

さて、このポッドキャストは何度も書いているように、シナリオなしに話しています。カフェで話しているので、周囲の雑音も聞こえます。会話の途中で、お互い黙ることもあります。

昨晩、ミラノに来た発酵デザイナーの小倉ヒラクさんと夕食をとりながら話していて、似たような趣向を凝らしているなと思ったことがあります。彼は今、渋谷のヒカリエで「発酵から再発見する日本の旅」という展覧会をやっています。

そこでトークセッションも実施しているのですが、登壇していただく方との事前打合せを一切なし、スライドの用意はなし(必要なら2-3枚、事前にヒラクさんに渡しておく)などのルールを決めているそうです。

彼はこう話していました。

「結局、みなさんが事前の準備に一生懸命になるのは、セッションの途中で沈黙の時間ができるのが怖いわけですよね。本人からすればそうでしょう。でも聴衆の立場からすると、登壇者が黙ったシーンが印象に残ったり、考えさせられたりするのです」

かなりいい狙いですよね?

追記。ヒラクさんがTwitterで下記のコメントをしていたので、ここにコピペ。

戸惑いや言いよどみから予期せぬ流れが生まれるし、その瞬間に立ち会うために僕たちは人の集まりに顔を出すんだと思っていて。「予期できない」ということは「価値づけ(スコアリング)が追いつかない」ということ。僕は既存の価値づけからスルッと抜け出る一瞬を愛しています

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