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伝統を美しいものにし過ぎない

日本滞在10日目のメモ。

昨日は立命館大学東京キャンパスの連続セミナー。『発酵文化人類学』の小倉ヒラクさんを講師にお願いしたのだが、彼の活動領域はものすごく広く、それらが有機的に関連しているので、場を作るのに1つ考えたことがある。まず参加者のなかで化学や食品に関係している人たちになるべく質問やコメントをもらい、そして徐々に文化論に入るという道筋だ。この逆のプロセスをとると議論に弾みをつけにくいだろうと考えた。

セミナーが終わってから、小倉さんと今回の連続セミナーを手伝ってくれているデザインを勉強中の塚嵜友子さんの3人で、発酵料理を肴に日本酒を飲みながら、後編の話をする。小倉さんが江戸時代の酒蔵を描いた絵巻物を色々と見ていると、現場での事故をテーマとしている作品が思いのほか多い、という事実を指摘。これはローカルな産物や伝統を「美しいものにし過ぎない」という意味で大切な点だ。

今日はルドヴィーコ・チフェッリさんと会う。彼は東京に住むイタリア人ビジネスマンで、ミラノと東京の両方でたまに会う関係だ。彼の活動領域はテクノロジーや投資であり、ぼくは彼から両国での動向を聞くことが多い。彼のお父さんの書いた本を頂戴する。1928年、サント・ドミンゴで生まれ、イタリアの戦中時代を過ごし、米国の大学で勉強し、ブラジル、カナダ、米国、そしてイタリアで仕事をしてきた科学者の本だが、学ぶことが多いだろうと感じる。

それから経営学者の三宅秀道さんと雑談。WISDOMで対談して以来、ちょくちょくお会いして、大企業のための経営学ではない経営学のエッセンスを伺っている。実は今回の滞在でも2回目だ。オープンや民主的プロセスという概念が地域コミュニティにとって重要であることと、事業・商品開発プロセスでそれらが同じような位置を占めると思う勘違いが多い、という話をした。

サンケイビズのコラムは乳幼児へのレッジョ・エミリア教育について書きました。

これからの予定です。

6月6日は虎ノ門ヒルズのVenture Cafe Tokyo でざっくばらんにMade in Italyと意味のイノベーションの話。6月14日は六本木のデザインハブで意味のイノベーションと社会の話。6月15日は立命館大学東京キャンパスで、子どもの保育園の松本さんと対談。6月16日は立命館大学東京キャンパスで経済産業研究所の藤井敏彦さんと対談

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安西洋之(ビジネスプランナー)

モバイルクルーズ株式会社/De-Tales ltd. ミラノと東京を拠点に活動。分野はデザインや異文化理解。ローカリゼーションマップ主宰。最新著書は『デザインの次に来るもの』、監修にロベルト・ベルガンティ『突破するデザイン』。

日本にいます記 2018年初夏編

普段いるミラノを離れて日本にいる間にお会いした方、考えたことのメモです。
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