ヤフーニュースと虐殺の文法

ヤフーニュースのコメント欄(通称ヤフコメ)が本当にひどい、国籍差別に男女差別にオンパレードである、ということは周知のことだと思うのだが、いろいろ見ているとなんとなくわかってくることがある。

1.ヤフーニュースを見ている人にとって、「クリックしたくなる」単語がある(例:辻希美)
2.コメントしたくなる要素がある(後述)
3.多くの配信社はその単語と要素をわかっている(後述)

クリックしたくなる単語は、えてしてテレビ的である。テレビで知名度がある人、話題になる人(もしくはことがら)というのはクリックしたくなる。
その中の何人かは、悪口を書くためにクリックしている。というか本文は読まず、見出しだけを見て悪口を書いていることも少なくはない。
たとえば辻希美さんは既婚女性層にアンチが多いと言われており(実際は不明ですが)何かするたびに記事になり、コメントが伸びる。(余談ですが辻希美さんに対するヤフコメの反応は明らかに軟化しており、それは第4子妊娠を発表したから。つまり「辻希美むかつく」よりも「4人子どもを産むなんて偉いじゃん」の方が上回りつつある。それもそれって感じなのですが…)

そのクリック率が高い単語の他に、さらにコメントをしたくなる要素がある。それは「賛否両論ある単語」×どちらかの立場に偏った内容、である。
これは最近だとkokiさんの記事のコメントで強く感じる。「kokiさんが(褒める表現)」という見出しをつければ、「その通り」「大したことないじゃん」というコメントが並ぶ。そして「kokiさんが(けなす表現)」という見出しをつければ、「わかってるじゃん」「この記事は最低」と並ぶ。
この現象は「Amazonの星が1と5に偏っている本の方が売れる」というやつでもよく見る。両論併記はそういう意味ではいいアクションではないこともある。

コメントが伸びれば、ヤフーニュースのプラットホーム上でのアクセスが伸びる(盛り上がってる感出るのでいろんな人が読みにくる)。だから配信社も大なり小なり、上記のことについて意識をしている。
最近思っているのは「わかっていて、それを狙って、見出しをつけることは、差別に加担しているのではないか」ということ。
もちろん記事には偏見を深めるようなことは書いていない(むしろ正反対のことが書いてある)。しかしコメント欄には差別的な表現、逆行・保守的な表現がずらりと並ぶ。ある意味狙った通りの反応が。記事を読んだ人間は記事の内容とは違う意見を強化して去っていく。
これに対する気持ちの折り合い、自分の倫理観の整理はまだついていない。

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青柳美帆子

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