しとどの窟

某日、天気は雨。天気予報を見ない私も珍しく雨の予報を事前に調べ早朝から湯河原駅に降りた。ずっと訪れてみたかったしとどの窟に訪れるためだった。

しとどの窟

しとどの窟は正式名称を土肥椙山巌窟と言い、古くは源頼朝が身を隠した洞窟とされてます。元は地蔵信仰の地だったそうです。なお同県の別場所(真鶴)にもしとどの窟と呼ばれる場所が存在してます。2ヶ所あるため、以前はどちらが本物かの論争があったそうですが、現在は頼朝が追手を逃れるために複数の場所に身を隠したという説に帰着しているそうな。

こちらは別の日に撮影した、真鶴の方のしとどの巌。巫鳥と書いて「しとど」と読みます。

余談ですが、私は真鶴-湯河原区間も、湯河原-しとどの窟区間も歩いたことがあるので、体感を持って言えるが、道路も整備されていない鎌倉時代にこの区間を歩くのはかなりの旅路になると感じている。

坂を下る

山奥のトンネルを抜けるとすぐに霊場の入り口があり、そこからすぐに石灯篭と地蔵が無数に並ぶ急な坂を20分程下る。それぞれのお顔も微妙に違っていて面白い。

いい着こなしだ
三鈷杵を持っている。
ヒョウ柄…

坂の一番下から。

坂を下りきると、いきなり岩肌がくりぬかれた半洞窟の様な区間が現れ、観音様の石仏がちらほらと見えてくる。ここから、しばらく階段を登りきると、冒頭の写真の洞窟に辿り着く。

千手観音
三面、見事な苔むし
文化財級のものが野ざらしになり苔むしているのは、ひょっとすると海外とかでは分からない感覚かもですが、場としての身近である信仰を感じるので、日本の良いところだと思っている。
まるでハートを模した様で、何処か愛らしい。

洞窟

これ何を模したものなんだろう。
上の方が落ちてしまっている。
流れ落ちる水が天からの蜘蛛の糸の様に思えた。原題だと仏様は上に座すので、厳密にいうと違うんだろうけど、気にしない。

帰路、天候も相まって歩いて来た道がガスに覆われてしまっていた。
蜘蛛の糸を感じていた次第なので、天上にこれたのだろうかと嘯いて鼓舞して頑張って歩いた。

おまけ 「しとど」とは

頼朝が身を隠す中、追手が訪れた際に、「シトト」と言われる鳥が洞窟内から急に飛び出してきたので、「なんだ、鳥か…」と追手が立ち去ったと言われる為、しとどの窟と呼ばれるそうです。
シトトは鵐と漢字で書き、こちらはホオジロ科の鳥だそうです。
特にホオジロ・アオジ・クロジ・カシラダカあたりの鳥を示すそうです。地域によっては、もう少し拡大するそうで、ミヤマホオジロなんかもそう呼ぶ場合もあるそうです。

昔、撮影したカシラダカの写真があったので参考に載せておきます。
こちらはミヤマホオジロ


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