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2024.04.19 曇ヶ原単独ライブ at 高円寺HIGH ~飛翔を見届けるまでの3864時間~


2023年11月10日から2024年4月19日までに参加した曇ヶ原関連

2023年11月10日に不思議ロックフェスvol.2で曇ヶ原の圧倒的な熱量と超絶技巧に魅了されてから、その後。
※不思議ロックフェスVol.2参加時のnote

フォロワーの桂樹さんからの強いプッシュもあり、様々な曇ヶ原メンバー関連のイベントやライブに足を運んできた。

2023年11月24日、西荻窪の+22 New Style Barでオオシマトモヒロさん(@info_cassandra)主催で開かれたプログレインプロセッション。
この日はKeyのa_kiraさん、Gtのヴァイオラ伊藤さんが参加されていた。Evraakから瀬尾マリナさん、川島さん、今川さん、ヨシダさんも参加し、急遽ドラムに吉田達也さんも参加と非常に豪華な共演で、まるで不思議ロックフェスで曇ヶ原で披露されたインプロをEvraakさんと共演して追体験できたようであった。



また、12月2日には高円寺の昭和精吾事務所にて氾濫原4の舞台を観劇。初めて見る本格的な演劇で役者さんたちの迫真の演技に圧倒され、そしてショウタさんが寺山修司の詩を朗読し「中野通り」を弾き語りで演奏するというレアな場面を見ることができた。てっきり楽曲を演奏するくらいの参加かと思いきゃショウタさんもがっつりと役者の一人として演技に参加されており、そして寺山修司の詩と合わさって中野通りはより深みを増していた。



※ツイート中の「河津桜」は「中野通り」の誤り


12月20日には江古田Buddyにて返シドメのライブへ。曇ヶ原ではロックなオルガンを自在に操っていたa_kiraさんが、グランドピアノを使って演奏されており、また違った魅力を発見できた。

2024年1月9日には池袋手刀にて、ヴァイオラ伊藤さんが所属している中学生棺桶のライブに参加。渡辺周さんとのツインギターはオールドなサバスのドゥームメタルで、かっこいい。

そして、ついに2か月ぶりに1月14日の新大久保アースダムで曇ヶ原が観れる!・・・と思った矢先、私はライブ前日にインフルエンザA型を発症し、観に行けなくなってしまう。そしてもうしばらく、メンバーの他参加プロジェクトを追う旅は続く。まるで本家KCの復活を待ちながら、King Crimson ProjeKctを追うかのようだ(知らんけど)。
2月17日には、吉祥寺シルバーエレファントにて、a_kiraさんが主宰した天使の聲プロジェクトを観劇に。J・Aシーザーの影響を多分に受け、そして自身も舞台に関わってきた経験を活かし、舞台と音楽との総合芸術を見事に表現しきっていた。a_kiraさんが珍しくボーカルを取ったりギターが演奏される姿を見ることができた。

2月25日には、再び中学生棺桶の新譜レコ発イベントへ。

そして4月6日、ようやく池袋手刀にて曇ヶ原としてのバンドでのライブを見届けることができた。30分という短い枠の中で演奏された鉛色・新披露曲・3472-1曲は、不思議ロックフェスからさらに演奏力と熱量が進化しており、5か月振りに生で観られた曇ヶ原にすっかりはしゃいでしまった。
そして、ようやく迎えた高円寺HIGHでの単独ライブである。
思えば、この5か月間、3864時間は曇ヶ原とともに過ごしてきたようなものだ。
チケット予約者には予約特典として新曲のデモが入ったCD-Rが配布され、チケットはピクチャーチケット仕様、専用のフライヤーが作成されるという気合いの入りっぷりに期待が高まる。
キャッチコピーの213744時間の悔恨とは何を指すのか、これもまた謎である。

そして迎えた、4月19日単独ライブ

セットリスト

★初披露 ☆音源未収録曲

  1. (入場SE) 県道334号

  2. 歪む地平線 ★☆

  3. うさぎの涙

  4. ベンタブラック ★☆

  5. 明日も雨 ☆

  6. 鉛色

  7. 3472-1

  8. 中野通り

  9. くじらの歌は聴こえない

  10. Improvisation ☆

  11. 雪虫 (Guest:一噌幸弘)

  12. 河津桜

  13. (アンコール)花降る夜に ★☆


このところ参加したライブは曇や雨の天候が多かったけれど、この日は珍しく天候に恵まれ、昼間は突き抜けるような青空の爽やかな初夏の晴天だった。
私はというとどうも最近遅刻癖がひどくなってしまったようで、会場に着いたのは開場時間ギリギリになってしまった。実は初めて訪れる高円寺HIGH、迷子にならずにたどり着けるだろうかと心配していたが杞憂だった。すでに開演前から長蛇の列が発生していたので、一目ですぐに分かった。
非常に失礼ながら、土日ではなく金曜日の平日開催だし何度も宣伝しているのでチケットの売れ行きは大丈夫なのだろうかと心配していたのだが、本当に余計なお世話だったらしい。むしろ会場に入ってしまえば満員で、最近新しくファンになった人や急遽直前に行くのを決めた知人は、かなり番号も後ろのほうだったようである。
会場内には、この5か月間で私が足を運んできた他プロジェクト・バンドのメンバーの方々もプライベートで多数鑑賞に来られていた。対バンではないのにこれだけの共演経験者が鑑賞に来られているあたり、曇ヶ原の人脈の広さと音楽関係者からの厚い信頼を感じる。

整理番号に従って入場すると、入口で「歪む地平線」のCD-Rを受け取った。ライブチケットを予約した特典だったはずなので2枚になってしまったが、当日券で来られた人への配慮かも知れない。ダブってしまった1枚は布教用として活用しよう。

池袋手刀のライブで「3倍の機材を持ち込みます」とショウタさんから予告されていた通り、ステージ上手にはいくつあるか数えられないくらいズラリと配置されたa_kiraさんのキーボードセット、ステージ後方中央には銅鑼、そして下手には通常のライブでは見られなかった、大小さまざまな多彩なシンバルをセットしたムJAPANさんの自前のドラムセットが配置されている。a_kiraさんのスペースとムJAPANさんの占有スペースがほぼ同じである。
高円寺HIGHのステージは舞台のように高くなっているので、後ろのほうでも見やすそうだ。一番の新しいポイントは、ドラムが後方ではなく下手側に横方向に配置されていたことであろう。常連ファンの方に聞いてみても、この配置はバンド初とのこと。

開演前は人と話していたので会場BGMをあまりじっくりと聞けなかったが、Don Cavalleroという知らないバンドを発掘することができた。USのマスロックらしい。曇ヶ原にしては結構意外なチョイスだ。

※追記:a_kiraさんのX(旧Twitter)投稿情報によると、開演前BGMの選曲にバンドは関わってはいないとのこと。

やがて、毎度同じみの「北池袋のアネクドテン」というキャッチコピーそのものである「県道334号」が開演SEとして流れると、メンバーが入場してきた。
「大変長らくお待たせしました。豊島区代表・曇ヶ原はじめます。よろしくお願いいたします」とショウタさんが開演時間が押したことを気遣う挨拶をすると、いよいよ演奏が始まった。
曇ヶ原といえば1stフルアルバムのオープニングトラックでもある「3472-1」から演奏されるのが十八番であるが、4月6日の池袋手刀では「鉛色」からスタートと意表をついてきた。今日は果たしてどちらから演奏されるのか・・・と期待していると、メトロトンの音色が!これは・・・チケット予約特典と本日ライブ入場時にも配布された先行公開の新曲「歪む地平線」ではないか!
曇ヶ原初のa_kiraさん作曲ということで注目を浴び、そして反響が大きかった期待値の高い曲である。なんとも嬉しいサプライズにテンションが上がる。KCやアネクドテンの影響を多分に感じられる、プログレメタルファンにも受け入れられそうな、曇ヶ原史上最高難易度を誇るインスト楽曲である。中間部のキーボードとギターのユニゾンがかっこいい。CD-Rではデモトラックなので正確には全パート生演奏ではなかったのだが、今回メンバーの手により生演奏されたことで、血肉の通った楽曲へと息が吹き込まれたようだ。今後も彼らのライブ定番曲として定着してほしいものだ。

そしてそのままの高いテンションのまま、「うさぎの涙」へ。ムJapanさんのパワフルながら多彩にシンバルを使い分ける熱いプレイが大変素晴らしい。今回はショウタさんはダブルネックは使用しなかったが、12弦ギターをあやつり繊細なアコースティックパートを彩る。
ヴァイオラさんのギターフレーズとともにインストソロパ-トが始まると、いよいよPVで観た銅鑼がショウタさんの手によって叩かれ・・・るかと思いきゃ、鳴らされなかったのはちょっと意表を突かれた。そして、始まるa_kiraさんのキーボードソロは凄まじく素晴らしく、かっこいい。3人の高いテンションを維持した超絶技巧演奏が素晴らしい。

ここでショウタさんのMCへ。本日は新曲と旧曲を織り交ぜて演奏するようなセトリを組んでおり、新曲と新曲っぽい曲をやると予告。

新曲の「ベンダブラック」はかっちりとしたインストパートから始まる楽曲で、プログレメタルが好きな人にも刺さりそうな、今までの曇ヶ原とはちょっと違ったテイストの楽曲だ。のちのMCで、ショウタさんが持ってきた弾き語りの楽曲をヴァイオラさんがアレンジしたものであることが公表されると、ちょっと納得した。ヴァイオラさんのギターソロが素晴らしく、a_kiraさんとのギターとキーボードのユニゾンパートも熱い。

その次に演奏された新曲っぽい曲・「明日も雨」は、これまたこれまでの曇ヶ原とは全く違うテイストで、a_kiraさんが珍しくエレピ音色を使っており、Return to Foever時代のChick Coreaを感じさせる楽曲だ。a_kira氏が加入後に作曲された曲を、シティポップ風に再アレンジした新曲っぽい曲とのことで、これまた曇ヶ原としては新境地の楽曲だ。こういったシンプルなアレンジはショウタさんのVoの儚さが引き立っていていい。そして、ヴァイオラさんのギターソロはフュージョン全盛期時代のギターヒーローのようなフレージングで、こんな弾き方もできるなんてやはり器用だなと思った。

そしてしっとりした楽曲から一転し、曇ヶ原得意のテンションの高い技巧派イントロからスタートする「鉛色」が繰り広げられる。1stフルアルバムには収録されていないのがもったいない名曲であるが、やはりライブで聴くのは大変絶品なので何度でも聴きたい。2023年にアルカンジェロから発売された公式ライブDVD「奪われた声を取り返すために」に収録されているので、こちらも必見だ。
a_kiraさんのピアノソロは絶品である。そして始まるショウタさんのゴリゴリの5拍子ベースリフからの展開が好きだ。

珍しくヴァイオラさんがマイクを取り、MCを始めた。実はMCをやるのは初めてと自己申告すると、「ヴァイオラー!」と会場から温かい声援が上がる。ベンタブラックと明日も雨の作曲背景について、スラスラと紹介されていた。

そして、MC明けに演奏されたのは、曇ヶ原の十八番であり私が曇ヶ原に魅了されたきっかけの「3472-1」。a_kiraさんは上に何段も自前のキーボードや機材が積み上げられているのも気に留めず、傾けたりと激しく壮絶なソロを繰り広げる。超絶技巧とショウタさんの哀愁あるメロディの対比は、何度聴いても素晴らしいのだ。ドラムソロを始める前にショウタさんがムJAPANさんを紹介して拍手が起こるのが好きだ。
そして続くヴァイオラさんのギターソロ。この日のヴァイオラさんはどの場面のギターソロも冴えわたっていて、照明を受けて演奏する姿はまさに令和のプログレスターというキャッチコピーそのもの姿だ。きっとこの場に若いファンや学生が来ていたら、ヴァイオラさんのようになりたいといってギターを志す若者が誕生していたに違いない。ショウタさんと肩を互いに預けながらのパフォーマンスもとてもかっこ良かった。

続いて演奏されたのは、「中野通り」。曇ヶ原版エピタフといった位置づけのこの曲は、メロトロン音色がショウタさんの切ないボーカルの哀愁を引き立たせる。何気にこの曲もバンド形態でライブで聴くのが初めてなので、嬉しい。

ショウタさんによる楽曲紹介と物販紹介の後、ヴァイオラさんが四人囃子の「おまつり」のコードを弾いたもんだからカバーを演奏するのかとびっくりした(会場でも歓声が上がったので、同じことを期待した人は多かったかも知れない)。結局バンドとしては演奏されなかったので、是非Youtubeでまたカバーしてほしい。

続けて、EPとして発売された「くじらの歌は聴こえない」が演奏される。大好きなお気に入りの楽曲なので、またライブで聴くことができてうれしい。ワンマンライブならではでステージ後方にはバンドロゴフラッグが配置されており、この曲では青い照明がフラッグに反射すると海の底にいるかのようで幻想的で美しかった。この曲にFloydのEchoesのKeyの音色が使われていたことに、今更気づく。中間部の怒涛のインストパートはさらに凄みが増していて素晴らしい。

続く楽曲は、RushのXanaduを思わせる静かなギターとKeyのインストパートで始まった。曇ヶ原の新境地の楽曲だな・・・と思っているとテンポアップし、聞き覚えのあるパートに!なんと、不思議ロックフェスVol.2で聴いた、胸アツのインプロバトル楽曲、再び!a_kiraさんは特別にJ・Aシーザーから譲り受けたKeyを持ち込んだからか、J・Aシーザーの国境巡礼歌のフレーズを演奏していた。不思議ロックフェスの時よりも、ムJAPANさんのドラムは情熱的になっている。a_kiraさんが壮絶なキーボードソロを弾いている間、ショウタさんとヴァイオラさんがステージの淵にちょこんと座って見守っていたのが個人的にめちゃくちゃ可愛かった名場面ポイントだ。そしてソロがヴァイオラさんに引き渡されると、a_kiraさんが演奏を辞めてキーボード周りをいろいろいじっている。これはいよいよアレが来るか・・・と見守っていると、やはりキーボードを取り外してショルキーのように担いで前へ出てきた!a_kiraさんとヴァイオラさんがフロントに立ってのソロバトルは大変楽しい。そこからのショウタさんのベ-スはしっとりとしたジャコパストリアス風のフレーズ。ベースソロ終わりに、ここで初めて銅鑼はa_kiraさんの手によって叩かれ、また緊張感あふれるインプロバトルが再開した。ムJAPANさんが自身のルーツであるV系風のドラムフレーズを入れてきたのも意外で面白い。終わりに銅鑼を叩いたのはヴァイオラさんで、これまた意外である。間違いなくこのライブのハイライトとなる名場面が多数だった。

次はa_kiraさんのMC。飛び入りゲストで、なんと返シドメの一噌幸弘さんが会場から笛を吹きながら登場。物販でお見掛けした際、和装を着てきてすごいなと思ったが、まさかゲストで参加されるとは思わなかった。曇ヶ原のうさぎ柄トートバックも装備していた。a_kiraさんによると、一噌さんの参加は全然予定になかったが、リハの時に笛を持ってきたので急遽ゲスト参加が決まったとのこと。メンバーが演奏準備を行っている間も一噌さんが速弾きで笛を吹くので、a_kiraさんとソロバトルが発生したのが面白い。
「雪虫」は、a_kiraさんは終始アコースティックピアノ音色で演奏し、ヴァイオラさんもアコギと静かなアコースティックな編成で、一噌さんの篠笛のソロを引き立てていた。
「ありがとうございました」とショウタさんが挨拶をしても一噌さんは笛を吹き続けるので、ムJAPANさんが加わって軽いジャムセッションのようになり、a_kiraさんが銅鑼を叩いて締める。銅鑼の有効活用だな・・・と思いきゃ、「ちょっと待って、(笛が)出てこない!」とトートバッグの中を漁り始める一噌さん。返シドメでは名物の笛の2本吹きが披露され、なんだかんだで他メンバーも加わってインプロ第二弾のような形で再開してしまったのが面白かった。ダジャレは無かったが、一噌さんが「残りドメでした」と挨拶して退場し、緊張感の多い楽曲が続く中で、なごんだ場面であった。

そして、ラストの河津桜の演奏へ。本当にこの曲は13分と長いのにCDブックレットわずか1ページ分しか歌われない歌詞があまりにも儚くて好きだ。そして、春が来たというを告げると、ショウタさんが銅鑼を叩き崩れ落ちる。見事な圧巻の演奏と世界観に、会場に拍手と歓声が沸き上がった。4月6日の池袋手刀のライブに続けてショウタさんがピック投げを行うと、ステージ前方のほうに落ちたようだ(前回は遠すぎ、今回も届かずでキャッチできず)。

そして、アンコールでは「花降る夜に」という曲が演奏された。ヴァイオラさんがアコースティックギターをスタンドにセットして演奏されたのは、静かでシンプルな楽曲。フォロワさんが映画のED曲のようだと表現していたが、まさにそのような感じだ。怒涛の超絶技巧も良いのだが、やはりシンプルにショウタさんの作る楽曲の良さがわかるこういう静かな曲も清涼剤的でいい。と思いきゃ、照明が明るくなり、ムJAPANさんのドラムも力強くなり、ヴァイオラさんの泣きのギターソロが盛り込まれる。静かな楽曲だが曇ヶ原らしいエモーショナルなパートがあって、とてもいい。

ワンマンライブ恒例の客席をバックにしての写真撮影を行い、あっという間に2時間15分のライブが終了した。

今日のライブはメンバーの他参加プロジェクトも含めた総括といった感じであり、曇ヶ原しか知らない状態で聴くよりも何倍もかなり楽しめた。これだけ特別感溢れるセットリストやステージングができるのは、やはり各メンバーそれぞれ全く異なるバックボーンを組み合わせ、生かし、そして様々なライブにも聴衆として足を運んでいてファン目線を忘れないからであろう。

「鳥よ、いま羽撃け」が今回のライブのキャッチコピーであるが、とても素敵だ。そして、普段はnoteには他人のツイートは引用しないのだが、これを受けてのTUTINOKOさんのコメントが大変素晴らしいのでここに掲載したい。

私が曇ヶ原と過ごした時間はたったの5か月だけど、この5か月の期間だけでも、毎回ライブの度にものすごい進化を遂げるそのスピードに驚く。曇ヶ原が多くの人に愛され、そして心を掴んで離さないのは、進化の「可能性」を感じるからではないだろうか。彼らなら、遠く、もっと高くはるか彼方へ飛び立ち、日本一を超えて世界を代表するプログレバンドにすらなれるのではないか・・・そんな期待感が、胸を熱くするのだ。
実は2月25日の中学生棺桶のライブの後、ショウタさんが10年ぶりに弾き語りで高円寺某所でのオープンマイクに参加するのを見ていた。この日は10年ぶりに訪れて歌ったそうで、私以外曇ヶ原のファンがいない中、たまと同じ小型のギターを抱えて曇ヶ原の楽曲を行うショウタさんの姿は、デビューしたばかりの頃を時間をさかのぼって垣間見るかのようだった。曇ヶ原からあえて超絶技巧を取っ払ったシンプルな弾き語りスタイルは、ショウタさんの歌唱の切なさと楽曲の繊細さが引き立っていてこれは別の魅力がある。だが、ショウタさんの世界観をここまで最大限に表現し、令和のプログレスターとして飛翔することができたのは、Gtのヴァイオラ伊藤さん、Keyのa_kiraさん、そしてDrsのムJAPANさんといった最強の演奏力と華を持ったメンバーに恵まれたからではないかと思う。
バンド仲間との絆、そして共演したさまざまな音楽仲間との絆を感じ、終演後私も心にじんと来るものがあった。ただの歴5か月のにわかファンすらここまで心を動かすのだから、5年以上、10年以上応援し続けているファンはさらに感無量であると予測する。

そして、私自身も奇跡の中にいるのだ。
去年の秋、とても耳が肥えている知人が「すごい!Rushみたいだ!」と曇ヶ原を絶賛しなければ、じゃあ不思議ロックフェスに行って曇ヶ原を見てみようかという気持ちになれなかったかも知れない。そもそも、TUTINOKOさんがX(旧Twitter)で熱心に曇ヶ原をプッシュしてくれなかったら、私も知人に曇ヶ原を紹介しなかったかもしれない。桂樹さんが薦めてくれなければメンバーの他プロジェクトのライブには足を運ばなかっただろうし、そうすると今日のライブをここまで楽しむことはできなかったかもしれない。ライブは聴くほうも、たくさんの奇跡とたくさんの人とのご縁が重なって、奇跡の連続で行けるようになっている。私もこれから後どのくらいこの奇跡に立ち会えるかわからない。だからこそ、参加したライブはしっかりと目と耳に焼き付けておきたいのだ。

残念ながら、現時点ではまだ次のライブは9月の不思議ロックフェス以外発表されていないが、ショウタさんのツイートから察するに何か計画はされていそうだ。曇ヶ原ロスに陥っている人は、早速オオシマさん主催の4月23日開催のプログレインプロイベントに参加してみると、a_kiraさんとヴァイオラさんの活躍を見ることができる。ライブのインプロでワクワクした人は、行って損はないだろうし、ここに発表されている以外にも意外なミュージシャンたちが飛び入り参加して、夢の競演が叶うかもしれない。

※2024.5.8追記 6/29に東高円寺で行われる、ACM:::さん主催のライブに出演が決まったようです!

リンク集


曇ヶ原公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/kumorigahara

曇ヶ原公式Youtubeチャンネル

公式HP


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