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夏空に生まれる
夏空に生きる
夏空に生かされる

というなまえをもらった男の子に
会いに行った。

3年前、初めて男の子に会ったときは
まだおかあさんのお腹の中にいた。

安心して生まれておいで、と言って、
おかあさんのお腹の上から
祈るようにそっと触れた。

男の子は、おかあさんに大切な命のことをおしえにきていた。
おかあさんが気づいていなかった、
ひとときもおそくない今に
気づかなければならなかったこと
おかあさんの命に関わることを
自ら生命として宿ることで伝えた。

かみさまは
おかあさんの命も
男の子の命も
守ってくださった。

生まれた夏から数えて
4度目の夏空を仰ぐ男の子は
少しはにかみながらも
こちらをまっすぐにみつめて
たくさんおしゃべりを聞かせてくれた

はしゃいで転んで
おかあさんに大きな声で泣いてあまえる男の子に
わたしは
生まれてきてくれてありがとう、と
なんども言わずにはいられなかった。

夏の暑い暑い日。
まぶしすぎる夏空は、
命と出逢いのつながりの不思議ものみこんでいた。



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