怒鳴り続けるお客様

寒さが緩んでいて、ホクホクな青鳥(あおどり)なのです。
そんな日だからこそ、ちょっと離れたお店に行ったのです。
たいした用事ではないのですが、いわゆる100円ショップなのです。

フロアを探検しつつ、必要なコーナーを隅々見つつ、なんだか耳障りな音が聞こえてくるなあ、と思っていたのです。
なんとなくそちらへ向かうと、はっきり聞き取れるような距離に縮まったのです。

男の人がなんか言っているなー、なのです。
どうやらお店の人に自分の子供がぶつかって、転んだようなのです。
ちらりと、その区画を横目で見たら、20~30代の男性がワーワー大声を出して、店員さんに言葉を浴びせているのです。

そこで罵声を浴びていたのはその男性の親か祖母、くらいの女性たち3人なのです。
全員頭を下げて、黙って聞いているのです。
もう謝罪はしているだろうし、それでも男性はヒートアップしているのです。
「オレが間違っているの、ねえ」
と言っている声が聞こえるのです。

側には男性の奥さんと、ぶつかって転んだであろう子供が元気に走り回っているのです。
子供の落ち着きのなさに、なんとなく察するものがあるのです。
奥さんは黙って夫の怒鳴り声をそのままにしている、ということは同意見、ということなのかな、なのです。

正直、気分が良いものではないのです。
埒が明かないとでも思ったのか、男性がどこかに電話をしはじめたのです。
子供が転んで怪我をした、のなら揉めるのもわかるけれども、当の子供は元気よく落ち着きなく走り回っているしなあ、なのです。

その様子を見て、だったら自分達できちんと見ていなかったのが悪いんじゃない? と、思ったのです。
落ち着きのない子供なんて、広い店内を走り回るものなんだし、なのです。

正直、その一家がどんな謝罪が欲しいのか、第三者から見るとわからないのです。
謝罪の言葉ではない、とするのなら何が欲しいのだろう、なのです。
お店の人も、いい迷惑だよなあ、とその現場を後にした青鳥なのです。

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