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文学フリマ広島5で購入した本の感想 さきわけ、さきがけ


少女の成長もの というと曖昧なんですが、青春もの。
異世界ファンタジーで 少女たちが成長し、大人になっていくあいまいな年齢の恋愛も含めた成長もの。
わたしであるヒロインがとにかく可愛い。表紙にもあるように可愛いけれど、いろんなことで諦めている。卑屈さ(生きるために必要なことを心得ている大人である部分)けれど子供らしさの純粋さ、そして成人の儀式に対する心持ちも 15歳から成人式などを体験すると、わかる~というのもある。ヒロインも素敵だけど、周りの女の子たちもとっても素敵で、彼女たちの揺れる心と純粋さと一緒に無意識の傲慢さ。それを感じながらも救われるというヒロインの女の子同士のどうしもない(身分も含めて)友情をほのかにかんじさせてくれる。
見どころはラストの彼との婚約者についてのやりとりで、たぶんわかってないヒロインにたいして男の子を出してくるヒーローの態度に、ひゃあ、かっこいい~~! ときめく、というか、ここでときめけ! 理解しろ、この少年から男になっているところ~~! とかときめいてました。
藍間先生は、そういう男の子から男になった雰囲気を出すのがうまい。たぶんメインはヒロインたちのほのかな友情なのかなぁと思いつつ(わかるというところがいっぱいあるので) けど、男の子から男に変化する瞬間のにあわせと意地の悪い雰囲気とかときめく~~!
ときめきと友情がぎゅうと押し込められた素敵な一冊でした。

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