性格がいいって?


「性格がいい」とはどういうことなのだろう。


性格はいい方がいい、と思うが、おそらく私は性格が悪い。

 自分に自信がないからか、ひがみっぽいし、否定されるとムキになってしまう。他人が困っているとほっとけなくて手を差し伸べようとするが、その対応で心を許す関係になれるというわけではなく、他人との壁は残したままだ。本性にも自信がないからか、自分をさらけ出すことはしない。

 性格がいい人は聞き上手で、でも自分のことも開示して、場を和ませる力がある気がする。そしてちょっとしたことでは怒らず、おおらかな気がする。でも、それはきっとプライベートなところしか見ていないからかもしれない。

 仕事ではどんな人がいいのだろう。先ほど記載した要素は重要だと思う。人間として。でも、言われたことに対して、すべてハイハイと聞いていたら、それが意に沿ったものであればいいが、そうでなければ、疲弊してしまうのではないだろうか。きっとYESマンでは、都合のいい人や調子がいい人になるのだろう。思っていることをはっきりと上申したとしても、性格がいいと評価される人はいると思う。

 何が違うのだろうか。

 自分の意見を言うことは重要だと思う。でも、その時に相手を受け入れているかどうかだと思う。違いを受け入れ、その中で最も良い解を見つけるために、冷静に話しあう必要があると思う。

 これまで、仕事をする中でいろいろな上司と関わってきたが、検討内容や報告内容を頭ごなしに、それも人が傷つくような言葉で否定する上司は性格がいいとは言えなかった。至らぬところは多々あるが、「所詮~なんだから」「どうせ~~なんだし」といったような、ネガティブな枕詞をつける上司は、あたかも自分が知っていることが世の中のすべてといわんばかりにすべてを否定する人だった。部下としては、心をえぐられるような気持ちになったし、前向きに検討する気すら失せた。その上司は、「人は道具として使うもの」と考えているようで、言葉の端々にその考えがちらついた。

 一方で、穏やかな上司は、私の考えを受け入れ、尊重する姿勢を示してくれる。それが、上司の考えと違ったとしても、考え方の違いを受け入れてくれているだけで、方針が変わることに対して受け止め方が大きく異なる。そして、至らぬところをポジティブな言葉で伝えてくれることも自分の成長に繋がる気がして前向きに受け取ることができた。

 人はそれぞれ考え方が異なって当たり前だと思う。ただ、仕事のように利害関係が伴う場合は、向かうゴールがそもそも異なると、他人の考え方を受け入れられない事態になりかねない。共通のゴールが明確だったら、進む道の選択が異なろうと、それは受け入れることができる違いなのだと思う。このようなことにならないように、話し合いがとても大切だと思う。本質的な部分を見極め、合意しておく。そして、聞く力を身に着け、相手の話を否定しない。言葉をたくさん知っておくこともとても重要だと思う。同じことを言うにしても、言葉の選択肢は数多あるので、最も傷つけない言葉で伝えることができれば、お互いに神経をすり減らすことなく前を向いて進むことができると思う。そのような関わり合いの中で、最もいい道を選ぶ建設的な議論ができれば、自分の意見を伝えつつも、性格がいい人になれるのではないのだろうか。


 


この考え方自体も人それぞれだと思う。私は私の思う性格がいい人になれるように、日々精進したい。



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