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リンドウ(ホソバリンドウかな?)

田畑と山の間を通っている道の、道端にある小さな溝のふち。
枯れ草の陰に紫色が見えたのでかき分けてみたら、
溝の奥側に生えたものが倒れている。これはリンドウ!?
自生のリンドウはなかな見られなくなっているのは知っていたのでびっくりした。
周りを見ても、これ1株だけ。
手持ちの図鑑には、リンドウは草丈は20~100cmで花の頃には茎が倒れていることが多いと。
そして「草原にポツポツと生える」とある。群生するのは稀とのこと。
また、湿地に生えるタイプで葉が細いのが特徴の「ホソバリンドウ」というのがあるらしく、
これはホソバリンドウの方かもしれない。
花は晴天の時だけ開くのだそう。この日は晴れと薄曇りをいったり来たり。
凛とした美しさ。見られてとても嬉しい。

秋の山野を代表する花、だけど自生のものは減少しているそう。
草地開発、道路工事、園芸用採集、遷移の進行(人が手を入れないと草地から森林に移りかわっていく)が減少の主要因とのことで、Wikipediaには以下のように書かれていた。

かつては水田周辺の草地やため池の堤防などにリンドウやアキノキリンソウなどの草花がたくさん自生していたが、それは農業との関係で定期的に草刈りがなされ、草丈が低い状態に保たれていたためだった。近年、そのような手入れのはいる場所が少なくなったため、リンドウをはじめこれらの植物は見る機会が少なくなってしまい、リンドウを探すことも難しくなってしまっている。

Wikipediaより

自生のリンドウを見るのは今回が初めてで、上に登場するアキノキリンソウも私はまだ見たことがなく、秋の花には他にもキキョウやオミナエシ、フジバカマなど野生ではほとんど見られなくなってしまった花が多いことを思い出す。残念だ・・・。
人の活動によって維持される草原を「半自然草原」「二次草原」というそうで、秋の七草のキキョウ、オミナエシ、カワラナデシコ、あとリンドウやツリガネニンジン、ワレモコウなどもこうした草原で生育する植物とのことで、植林や土地開発によって多くの「半自然草原」が消滅、減少するにつれてこれらの植物も減っていっているようだ。

リンドウは、園芸植物や切り花として、または野草としてよく栽培されるけれど、園芸店で売られているものは別種のエゾリンドウの栽培品種である場合が多いのだそう。

リンドウ(竜胆、学名:Gentiana scabra Bungevar. buergeri (Miq.) Maxim.
リンドウ科リンドウ属の多年草。花期は9~11月。
日本では本州、四国、九州に分布。山の草地などに生える。
別名はササリンドウ(葉が笹に似ていることから)、イヤミグサ(胃病み草)、古くはエヤミグサ(疫病草、瘧草)。

全草は苦く、特に根は大変苦くて薬用になり、苦味健胃、消化不良による胃もたれ、食欲不振、胃酸過多に薬効があるといわれる。
根は日本薬局方に収録されている生薬の「リュウタン(竜胆/龍胆)」の原料のひとつとして用いられる、リュウタンはリンドウ属の数種の根から作られる。


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