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オニユリ

7月中旬くらいまではオレンジ色の花が咲いていればカンゾウだったけれど、
その後はオニユリが咲いている。
草丈は1~2m。
「ユリ」から思い浮かべる優し気な感じや可憐さはなく、ゴツイので「鬼」ユリかな?
葉の根元に黒いムカゴがついているのでこれは「オニユリ」。
ひとまわり小さい「コオニユリ」にはムカゴはつかないとのこと。
なんでもない道端に生えていたりもする。
花びらはオレンジ色に黒っぽい斑点があって、
この色は昆虫の中でもアゲハチョウの仲間だけに目立つ色なのだそう。
このそっくり返り具合が特徴的で面白いのだけど、蜜を吸いに来たチョウの足場になるそう。
ユリの花粉は成分が脂質類で、粘着性があるので、衣類などについてしまうと落ちにくい。
「洋服に花粉が付いた場合、絶対に手で払い落してはなりません」
日比谷花壇のサイトを見ると、払い落とす、粘着テープ、掃除機など・・・。
下にリンクあり。
ムカゴ。これをまくと3~4年で開花するそう。
日本のユリでムカゴがつくのはオニユリのみとのこと。
オニユリは種子ができず(3倍体のため)、繁殖はこのムカゴか鱗茎(ゆり根)の株分けによる。
コオニユリは種子ができるが、実生から6〜8年立たないと開花しない。
このムカゴも食べられる。

オニユリの鱗茎(ゆり根、「茎」の字が使われているように根ではなく葉が変形したもの)は少し苦味があるけれど食用になり、一説には、食用とするため古い時代に中国から渡来してきたとされていると。
鱗茎が食用にされる品種は、オニユリ、コオニユリ、ヤマユリ、カノコユリで、なかでもコオニユリが苦味が少なく、現在食用として栽培されているもの95%は、コオニユリの栽培種(主に白銀)なのだそう。

野生種のユリはウイルス耐性が弱く栽培が難しいところ(野生では球根が深いところにあるから発病しにくいのだとか)、オニユリはウイルス耐性があって性質も強いので庭などでも栽培しやすいとのこと。

オニユリ(鬼百合、学名: Lilium lancifolium)
ユリ科ユリ属の多年草。花期は7~9月。
北海道から九州に分布。
平地から低山で普通に見られる。

日本に自生するユリの仲間は15種類ほどで、オレンジ色の花が咲くのは、オニユリとコオニユリの他には「クルマユリ」があり、
見分け方は、
●オニユリ/コオニユリは葉の付き方が互生、クルマユリは葉が放射状に生える(輪生)。
●コオニユリの雄しべは茶色で、クルマユリの雄しべはオレンジ色。

コオニユリの話になってしまうけれど、実生から開花するまで6〜8年ということは、食用のゆり根が育つにもそれぐらいかかるということかな?と思ったら、以下のサイトでやっぱりゆり根の生産が大変なことを知った。
いただくときは、このことを思い返してありがたくいただこう。
「ゆり根(百合根)の栽培はとても時間がかかり、種球から始めると何と6年もかかるそうです。畑に植え付けするまでに3年、畑に植え付けてから更に3年の月日を必要とします。
また、畑を毎年のように植え替えなければならず、一度植えた畑には最低でも7年は空けなければならないそうです。」

鱗茎は薬用にもされる。生薬名「百合(ビャクゴウ)」


ついでに、ユリの花粉の落とし方


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