母のようになりたくなかった!
私は、母のようになりたくなかったのです。
それは母が好きとか、嫌いとかではなく…。
母のような生き方をしたくない!という意味です。
直接本人に聞いた事がないので、母が自分の人生をどう思っているのかは、正直わかりません。母のようになりたくないと娘が思っている事を知れば、傷つくかもしれません。いや、きっと傷つくでしょう。
私は、4人兄弟の長女という事もあり、一番母にとっては話しやすい存在でした。母は昭和初期に生まれて、家の手伝いや親戚の子守りやらで、とても教育に関心のある家ではなかったようです。
母の生まれた時代背景を考えれば、その頃の女性は自分の事より、家族や親せきを一番に考えるのが普通だったでしょうから。
では、どんなところが、どんな部分が、私に「母みたいになりたくない!」と思わせたのでしょうか?
それは母に染みついていた「被害者意識」でした!
母は日本で生まれた在日韓国人2世です。そして私は3世。
当時の社会状況は、在日韓国人には厳しく、差別やいじめなどがあったようです。私は、直接いじめなどにあったことはなかったのですが、家族の会話の中で、差別だったり、日本籍ではない事の不自由さを感じていました。
そして、それがもっともよくない形として影響したのが、「かわいそうな子」という、親からの無言のメッセージでした。
私はとても愛されて育ったと思います。かわいそうな子という意識が根底にあったせいか、母はとにかく世話をやいてくれました。(苦笑)
勉強においては、強要されることはなかったのですが、「どうせ私なんか勉強しても将来に何の役にも立たないから」という気持ちでいました。
でも、まあ、基本まじめだったので、そこそこの成績で、大学も推薦で入れるところに進学しました。
当然、というか、いつも「どうせ私なんか~」が根底にあったので、就職活動もしませんでした。
今からふりかえると、どうしようもないですよね?(汗)
こうして書いてる自分が恥ずかしい~。
ちなみに恋愛もこんな調子ですから、上手くいかず…
(この話は別の機会にて)
話を母に戻しますが、過干渉タイプだった母は、お酒を飲むと、若い頃や、結婚してから~、父が亡くなってから~の過去の話をします。
(※父は48歳で亡くなったので、一度も外で働いた事のない母の、その後の苦労は、私の想像以上だったと思います。)
長女である私は、これは親孝行といつも聞き役に回っています。
母の言葉は「あなた達のために、私はこんなにがんばってきた」と常に、
「あなた達のために…」がありました。
あなた達のために、自分は二の次、三の次という人生を送ってきたのよ、と。
今は、この母の言葉を聞く時は、自分の感情をコントロールする術をもっているので、もろにこの意識を浴びないですむのですが…、
これを子どもの頃は、ダイレクトに浴びていたわけで、潜在意識下(無意識)に深くたまっていた事を大人になってから知るのです。
親の意識が子どもに与える影響って、本当に計り知れません!
この親の意識によって、私はいつもすぐにあきらめてしまう、自分を大切にしない、自己肯定感の低い人になりました。でも見た目が明るいので、周りにも、なんと若い頃は自分でも気がついていなかったのです。「自己犠牲のギバー」タイプでした。
つまり私は、自己肯定感を下げる要因を、子育てする前から無意識に知っていたわけです。
だから、子どもの自己肯定感を育てる事は、「えぇ~」と言われるかもしれませんが、私には簡単というか、楽しかったのです。
母のようになりたくない!が反面教師となったわけです。
そして子育てを通して得た、経験や知識で、自分の中にあった「被害者意識」を書き換えて、自己肯定感を高めていきました。
親の「意識と過干渉(コントロールも含まれる)」が子どもに与える影響について!はこれからも、くどいくらいに伝えていきます。
そして、昨日はなんと1週間後に出産という女性とのオンラインセッションでした。
彼女いわく、「なんてドンピシャなタイミングでしょうか!」と、とっても喜んでくれました。私は、子育ての「全体像」を彼女に伝えました。
この「全体像」には、心理学や脳科学の専門家や、「知識は力なり」という私の子育て経験も含めました。例えるなら、ママという航海に出発する彼女に「航海図」を渡した感じです。
実際に子どもが生まれたら、思うようにはいかない事の連続でしょうが、地図を持たないで海をさまようより、全体を俯瞰した「地図」をもっている安心度は、ママの心に良い影響を与えます。そしてそれは当然、子どもにも良いに決まってますよね!
【追記】
早くに夫を亡くして、女手1つで4人の子どもを育てた母には感謝しています。母の価値観は時代背景に大きく影響されたものであり、私が在日3世であることも変えられないことです。その変れられない事に翻弄された時代は終わりました。これからの時代を生きる子ども達を、親の古い価値観のままで関わる危険性を知ってほしい。
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