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MOON WALKER 03 @松陰神社前「目にはみえない光たちそれらをぼくらは信じている」の巻

ー 第3回目のムーンウォーカー!今回は2019年4月末から5月上旬にかけて開催した展示についてお話しました。
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MOON WALKERとは:いまを残したいというアオイの想いからスタート。編集者・インタビュアーのhuruさん&フォトグラファーを始め多方面で活躍中のなかむらしんたろうさんと共に3人でアオイの所縁ある場所へ行き、対談・撮影(散歩)を重ねていきます。

<前回の渋谷/神南編はこちら

何度も辞めた、諦めた
何度も向き合った、生まれ変わろうとした
(個展に展示した詩“行動が愛になる”より)
何度も 何度も 思い出して
生まれ変わって 立ち上がってみれば
西日に照らされた瞳は
見えない明日を向いている

押し殺して 忘れていた
深い眠りから 覚めたなら
小さな一歩 それだけでいい

目にはみえない 光たち
それらをぼくは 信じている
(個展に展示した詩“Reincarnation”より)

第三回:日常にある生まれ変わりの尊さを改めて教えてくれた 月とリリカル「01.Reincarnation」

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——今回は『月とリリカル』という個展をなぜ始めたのかの話。アオイさんはよく「特別に何かすごい特技があるわけじゃない」と自分で言っていて。特別に自信がある技術がなくても、なぜ個展シリーズをスタートしたのか。

アオイ:今まではモデルをして写真を展示してもらうことはあっても、自分が個展をする意味はあんまり感じてなくて。でもこの前CDをクラウドファウンディングをしながら制作をして、そのリターンでトークとミニライブをしたんですけど、その時にやっぱり対面で人と会わないとダメだなっていうことをすごく感じたんです。学生時代は、そういう気持ちにはなることはなくて。参加はするけど自発的に何かをすることはなかったし、したいともあまり思わなかった。人とあんまり深く関わりたいという気持ちがなかったんですね。むしろ深く関わるのが怖い。人は好きだけど、そこまで近づけないというか。でもあのときのライブで、人からどういう風に見られるとか関係なく出来た瞬間、この空気感がスタートだなと思って。もっと人と直接会いたくなったんです。

——その直接の反対にあるのは、オンライン上のコミュニケーションとか、SNSのこと?

アオイ:そうですね。それでいいと思ってたんですけど。でも話すっていうその距離感が特別だなと思って。で、そこで普通、ミュージシャンならもっとライブやろうということになるんですけど、私の場合、まずは展示をやろうと思って。展示ならば、ライブ以上に普通に来てくれた人と話せるから。そういうことを思いながら、ノリを鍛えるためにやっていたインスタライブでポロっと「展示をしたいと思ったんですよね」と言ったら、今回の会場になったBy & By coffee and bar のミキさんがうちでしませんか?って言ってくれて。それで、お店にその後2週間後くらいに行ったんです。当初は『yoake』のブックレットで撮った写真を展示したいと思ってたんだけど、お店の雰囲気を見て違うなって思って。一から新しく考えようって思って構想をそこから考え始めたんです。

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——結果的に内面を深く映し出す方向に行きましたよね。

アオイ: 展示をやることが決まって、とある日の夜に、何かやるものを考えようってなった時に、言葉、詩だなと。自分は写真家じゃないから、写真だけの展示は違うなと思って。それで4つ物語を書いてそれぞれ違った世界観で写真を撮ったら面白いんじゃないかなと考えたり(結果、3つの視点に分けて展示をしました)。

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——たぶんこの『月とリリカル』というのは、音楽活動と同じような感じでアオイさんが普遍的にやっていく1個のジャンルで、そのファーストアルバムみたいなものが「Reincarnation」っていうのが今回の第一回目だと思うんですね。「Reincarnation」というのは「生まれ変わり」という意味だけど、それは今回に限っての特別な瞬間のことなのか、もしくは、アオイさんの人生の中で何回も経験してきたようなことなのか?

アオイ:何回もあったことですね。その何回も感じているものを形にしたいなと思って「Reincarnation」にしたんです。生まれ変わりって言うと体が死んで、次の来世ということになると思うだけど、そうじゃなくて、生きてはいるけども、今日から新しい日々が始まるという。この展示そのものも日々の生まれ変わりって言ってたんですけど、たとえば自分が昨日まで散歩もしてなかったけど、今日から散歩して痩せるぞと思ったら、それも日常にある生まれ変わりだと思うんです。そこに日常の尊さもあるし、それを形にして感じてもらえたら良いなっていうのが根底にあって。今回の展示を見て何人かそういうふうに受けとってくれた方もいて、それはすごく嬉しかった。

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——そうやって何度も日常の中の生まれ変わりを繰り返してると、本気でやりたいことがないとか飽きっぽくて三日坊主みたいな、マイナスの捉え方を自分でしてしまうこともあると思うんですね。

アオイ:うん、実際にスーパー飽きっぽいですね(笑)。でも飽きっぽいけどポジティブになった。続けて色んなことをやってきて、だからこそ、それを経ての次っていうのがあると思ってて。それを生まれ変わりではなく続いていることと捉える人もいるだろうけど。自分としては、昨日までとか1分前まではダメだったけど、今日からとか今からは違うって意志が大事だと思っていて。みんなこう好きなこととかやりたいことってあって、それが明確に何なのかわかってなくても必ずあると思うんです。そういう意味ではみんなプレイヤーになれるはずなんです。だから、今日までがダメでも、理想の自分とかけ離れていても、この瞬間、あるいは明日からでも生まれ変われるよねと。その繰り返しで少しずつ、過去の自分から変化してることに気づく。

あと今回起きた変化でいうと、この展示の準備を始めた段階では前回の曲作りに比べるとあんまり楽しい気持ちになれなくて。それは今の生活が良いなって思ってるのに、そこにあるものを削って悩んでこれ以上何を求めるんだろうっていうことを思ってた時期だったんです。けど、またいろんな人の力を借りたり話していくうちに、展示が終わる頃には今できないことをできるように努力をしたいって気持ちになったんです。そして今まではどちらかというと内側に向けての表現だったけど、もっと外に向かって出していきたいと思うようになりました。

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——今回、具体的にはどんな展示をした?

アオイ:この世の中はたくさんの人によって回っているけど、そこにはまずそれぞれ個人の生活や感情から成り立っていると思いました。だから今回は個人にフォーカスを当てたいっていう思いで、今回「Flower」「Dairy」「Personal」の3つの視点をつくりました。個人の内側/外側にはいつもお世話になっているフォトグラファーの方に撮っていただいたお写真と、少し昔の自分にタイムスリップしながら書いた言葉を。そして私が視る景色はiPhoneで普段撮影をしていた写真を使用しました。(詳しくはウェブのポートフォリオでまとめておこうと思ってます。)

Flower - 個人の内側(心)を見る
Dairy - 個人の外側(生活)を見る
Personal - 私・個人が視る景色

あと振り返ると、今回の展示と去年制作した『yoake』はセットみたいなものでした。当たり前と呼べる生活がこんなに素敵なんだなとか、人間ってすごく良いなっていう感覚に出会って。その当たり前は自分にとって当たり前じゃなかったから、それは表現せざるを得ない衝撃で、こうして形になった。そして今回展示をしたことによって、その当たり前の素敵さはとても優しく、自分自身を麻痺させるものでもあることに気づきましたね。

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——特に今回の個展については、さらに深く訊きたいと思っていて、「Reincarnation」の中の「Flower」のパートの写真を撮ったフォトグラファーのtakutakiさんとの対談という形でこの続きの話をお届けしたいと思ってます。

アオイ:はい、よろしくお願いします!楽しみです。

●松陰神社エリア 散歩

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△ 展示準備期間中、真夜中一人でひっそりと海老ドリアを食べた場所

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△ クロージングパーティで思わず開放的なきもちになってのこの表情である

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2019/05/29 MOON WALKER
第三回 松陰神社編

Edit&interview: huru
Photograph: なかむらしんたろう
tape transcription: なかたけちなつ
※ 本記事は展示写真も合わせて掲載しています
※ インタビュー日から公開までだいぶ月日が経ちました

月とリリカル「01. Reincarnation」-Credit-

Model/poem:Aoi Bellemoon
Photographer(Flower):takutaki(Takuya Otaki)
Photographer(Daily):Koichi Kinoshita
Photographer(Personal):Aoi Bellemoon
Designer(Logo):Gyoran
Designer(Card&Book):Nami Matsumoto
Producer:Makoto Fukuchi

Prints:toshigraph
Support:Kei Numakura
CafeGallery:BY & BY coffee and bar

●「月とリリカル」開催経緯について

● MOONWALKER - これまでの歩み

・MOON WALKER 01 @下北沢 
- 「人間」について語り、泣く
・MOON WALKER 02 @渋谷/神南 
- 雨の渋谷は現実(リアル)なゲーム『月の国』

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● ONLINE STORE

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展示に来てくれた方、力をかしてくれたみんな、ありがとう!


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皆さまのおかげでがんばれています。いつもありがとうございます!