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それは心を鬼にしているのか、元々心が鬼なのか

今日、任地の個人零細企業さんと話をしたあとふと感じたことだ。
私は常にこれを心にとめておいた方がいい。

その企業のおじさんには、配属先の事務所で会った。モチベーションがあるのに仕事がない、技術向上のためのワークショップや研修を受けたい、と話しかけられたのだ。

活動の中に「個人零細企業支援」があることもあり、連絡先を聞き、先週から実際に詳しい話を伺っている。

聞くところによると、彼は元々旅行業を学んでいたが鉄鋼や木材・アルミニウム加工も学んでどのビジネスにも対応できるとのこと。しかし、どのビジネスにも仕事がない。どこからでもいいから仕事が欲しい、やる気はあるのに!と。

加工業は全くの守備範囲外だが、旅行関係なら過去に旅行業務取扱管理者試験に挑戦したことがあるし(地理が出来なさ過ぎて未取得)、自分でアレンジしたことが何度もあるので、要改善点などの提示はできるかもしれない。そのため旅行業方面のアドバイスや改善策を一緒に考えていこうということで合意したのが前回。
旅行業を宣伝するウェブページが既にあるというので、そのページを確認してフィードバックしますね、というのが今日の2回目だった。

改善の余地は大いにあった。
足りない情報が多かった。
私が一方的にあれこれ言うのも受け身になりがちなので、他の情報が充実したサイトと比較してみようと提案した。

「分かった、じゃあちょっとそのスマホで見せて。」

彼が指しているのは私のスマホ

彼は自分のスマホもパソコンも持っている。

―え?私ので?

「だって僕のじゃそんなにサクサク動かないから」

その日ミーティングに使った場所のWi-Fiはまるで役に立たなかった(よくある)。だから私はSIMのデータ通信を使っていた。

おじさんはスマホは持っているけど、データ通信用のSIMは入れていないらしい。今回のようなWi-Fiのあるところに来たときに繋いで使っているのだそうだ。

―そうだ、先輩が言ってたわ。

ここの人たちはスマホを持っていてもデータ通信にお金を払っていないので、繋がっていないスマホをいじってる。ほら、よくゲームとかしてるでしょ?


―今回は貸しますけど、ビジネスで旅行業やるなら投資としてデータ通信もちゃんと買った方がいいですよ。

そして次からは、私の配属先オフィスで会うことにした。停電さえしなければ、そこそこの強度のWi-Fiがあるから。


今日のミーティングを終え、一人になって自分の言ったことを反芻してみる。

―今回は貸しますけど、ビジネスで旅行業やるなら投資としてデータ通信もちゃんと買った方がいいですよ。

たまのミーティングの時くらいいっか、と流すこともできるけど、人の物に頼るのは今後を考えてもよくない。そもそもいざという時にお客様と連絡が取れないのは困る。
心を鬼にして言ったつもりだった。

でもなぁ。

明らかに私と彼の金銭感覚は違う。今収入源のない彼に数分サイト閲覧で貸したところで大きくデータ量を使うわけでもないし、目くじらたてるほどのことなのか。
自分のために言う、単なる「いけず」や不寛容ではないのか。

相手のためになるのはどっちなんだろう。
所有の感覚が圧倒的に日本より低いこの地で「頼りすぎはよくない」なんて、それは日本から来た私の感覚なのかも?
しかし貸すのが当たり前になって当然のように相手から求められるようになったら、それに対してぷっつんする(怒る)私の姿も想像に容易いので、それを回避するための提案と思えばいっか?
いやいやぷっつんしなければよくない?……

まだ結論はでていない。


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