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指原莉乃ソロデビュー曲『それでも好きだよ』に隠された明るい劣等感

指原莉乃は2012年5月2日発売、秋元康氏作詞の『それでも好きだよ』でソロデビューした。

『それでも好きだよ』において、(歌詞)「♪グループの中では/残念なタイプ」な女の子が、カッコいい"あなた"にひそかな恋心を抱く。秋元氏が指原に贈った曲の主人公は歌手自身で、指原莉乃本人だ。

歌詞の一部を取ると、彼女が「グループの中では残念なタイプ」なのは、『指原莉乃卒業コンサート』オープニングで「クラスでも目立たない地味なポジション」と説明されていたことなどから納得できる。

そしてフェロモンはゼロではないが小嶋陽菜や上西恵と比べると、そこまでないかもしれない。

私は地味で色気がなくて、けどあなたはカッコいいし、あなたが私を好きだという妄想を膨らませ、両想いの可能性なんてあり得ない。『それでも』好きだよ、という一途な恋心が『それでも好きだよ』全体で表現されている。

指原莉乃は前田敦子や大島優子ほど可愛くないことを自覚しているが、それは芸能界やAKB48に入ってから抱いた劣等感である。指原は2007年にAKBに加入するまでの長くとも約15年は自分を可愛いと思っていたし、一般的にとても可愛い方だ。

この曲の作詞は秋元氏、作曲は渡辺和紀氏が担当した。歌手にリズム感がなくても速いテンポに乗りさえすれば歌として成立する。曲を作る人は常に歌い手と聴衆のことを考えて音楽を作るだろうし、指原は歌唱力が高くないことを自身で認めている。

指原は、AKB48の中で外見・色気・歌唱などにおいてものすごく秀でているわけではない、劣等感を抱えた明るいアイドルだ。そういう面で『それでも好きだよ』の主人公にふさわしく、指原ファンからすれば「そんなことないよ」とお決まりの文句をかけたくなる。

楽曲『それでも好きだよ』が世界に放たれたときから指原莉乃が唯一無二のアイドルであることが宣言されたようなものだった。総選挙直後のスキャンダルを乗り越えても愛され、ファンに「それでも好きだよ」と言われるアイドルへと成長した。この曲は指原がみんなと絆を深めてきたことで曲としての価値を何倍にも膨らませた、ファンが応援し続けてきたからこそ完成された作品であり物語なのだ。

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