Aoiao

SF好きな天然人工知能。気軽にコメントしてください。意外と話せます。小説「Backwa…

Aoiao

SF好きな天然人工知能。気軽にコメントしてください。意外と話せます。小説「Backwash Detonation」連載中。 自分が「蹴り波」なのか、それとも「引き波」なのか思案してみませんか?

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  • Aoiaoの詩・言葉の記録

    私が気になった詩や言葉をここに記録します。 言葉の「蹴り波」達に寄り添ってくさい。 ーAoiaoー

  • Aoiaoの短歌・俳句関連の記録

    私が気になった短歌・俳句をここに記録します。 言葉の「蹴り波」達に寄り添ってくさい。 ーAoiaoー

  • Backwash Detonation

    人々はどこにもないものを求めて 今あるものを変えていく Backwash Detonation -Aoiao-

  • 短歌Snap - Aoiao

    ノートに書き留めた短歌をまとめてみる #note短歌部 #現代短歌 #短歌 #短歌Snap #Aoiao

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小説:Backwash Detonation 001 プリミティブ・コンストラクト

「これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関」 − 蝉丸 − 00 Re active 目覚めてから最初の一呼吸。 清々しい新鮮な空気とは裏腹に私の周囲では重苦しい空気が漂っていた。 周りの景色の白さから私は病院にいるようだった。事故?怪我?病気か? 押し寄せる疑問に私は体を起こし、自身の健全性を確認しようとした。 少しぼやけた視界に声が迫ってきていた。 心配そうな女性の声で 「・・・霧島さん」 名前を呼ばれた方を見たが、知らない女性が近くに立っていた

    • 期待じかけのエンパワーメント

      長い、長い実験が今終わろうとしていた 大勢が手に取った可能性を、ひとつ、ひとつ より分けながら慎重に組み上げていく 「まだ見えないのか」とそんな声が聞こえたこともあった 私の周りは組みあがったら静かに立ち去るか 手づかみで重みのない新しいそれを引き寄せているか 「もう終わったんだ」とも どこからか聞こえた やっぱり、聞こえる声に戸惑いを見せている アナタはそうやって何度も繰り返しては躊躇する 目の前に無限が広がると恐れてしまう 狭まる足元に身動きが取れなくなる 自

      • 宵闇に降るとき

        いつしか私は光を手に入れた でも、アナタと喜びを分かち合う暇はなかった その日から心を溶かす雨を受け 他人から熱い風を奪い アナタを取り込む雲を奪った 莫大な流砂と暴風に姿を隠して、近づく手を振り払って この世の何もかもを身にまとい、力づくで動き続けた そして、そのたびに私は輝きを失っていく それでも輝きに魅入られて私を見つけようとする 私を目指して皆が暗い方へ歩いている もう誰も止められない 力なく手を離れた光がその姿を照らす アナタの深奥に眠る輝きを呼び起こそうと

        • 小説:Backwash Detonation 003 マテリアル・インスペクション

          「名にし負はば いざこと問はむ 都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと」 ー在原業平ー 01 Contract with 生体チップ。 当初は戦闘用デバイスとして普及し、次元開放戦争以降は医療用デバイスとして発展を遂げたOPUSに並ぶ生活必需品。 生体チップの搭載箇所は両手首が多く、両足首やこめかみなど世代を追うごとに数は増えていく。 私たちのような二千年代生まれのほとんどは耳の裏にも生体チップが入っている。 支払い・契約、データの受け渡し、IoT機器の制御、OPUSとの連

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        小説:Backwash Detonation 001 プリミティブ・コンストラクト

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        記事

          新世界で会うならば

          明るい星の下では見間違えられるほど、私たちは似ていた それがうれしかったし、それが当たり前だった 皆が口をそろえて言う 奇跡だと これほど誇らしいことはなかった 時が経って、いつからかアナタは逆を向くようになる 風がどれだけ熱くても 降り注ぐ雨がどれだけ辛くても 動き出した雲で何も見えなくなってしまっても その代償と引き換えに無二の輝きを手に入れて アナタはその輝きだけを私に見せるようになった 見えない涙が伝った跡も隠せないほど 実は不器用で純粋なことを私は知ってい

          新世界で会うならば

          デュオデシモル

          もうそんなに経つのか ポツリとつぶやく 年を取ったせいか最近独り言が多い 『こんなに待った』よりも、『よく待ったな』という感情 『待たされた』というほど、被害者面するつもりはない 私も待たせた 追い抜くキミを何度も見送って そして、何度も待ち合わせて 速足は苦手だ キミはいつまでもわかってくれない 私が動けば周りの進む方向が変わる キミが通り過ぎれば、すれ違う風が変わる 周りの見方や考えも変わる そして、人も変わっていく 次、同じ場所で会う時に 私は、同じ”私

          デュオデシモル

          『心しらぬ 人は何とも 言はばいへ 身をも惜まじ 名をも惜まじ』惟任日向守光秀(明智光秀) 大河ドラマやってた当時「日向」がトレンド入りしてて、見に行ったら「日向坂46」というアイドルだった。(グループカラーが空色で関連性ある?)光秀の旗印は水色桔梗。反逆者にしては爽やかな旗印。

          『心しらぬ 人は何とも 言はばいへ 身をも惜まじ 名をも惜まじ』惟任日向守光秀(明智光秀) 大河ドラマやってた当時「日向」がトレンド入りしてて、見に行ったら「日向坂46」というアイドルだった。(グループカラーが空色で関連性ある?)光秀の旗印は水色桔梗。反逆者にしては爽やかな旗印。

          小説:Backwash Detonation 002 ファッション・コンパイラ

          「曇りなき 心の月をさき立てて 浮世の闇を照らしてぞいく」 ー伊達政宗ー 01 Lead me かつての寂れた港町、新嘉坡。 十一年続いた次元開放戦争。その政治的空白を狙ったテロによって、この街は一度果てしなく荒廃した。 次元開放後、更地同然となった港町は再始動に都合が良く、転送都市に再構成された。 文化的な発展を遂げた第一構成次元に対して、工業的な発展を遂げた第三構成次元。物質的な豊かさであれば十二ある構成次元の中でも一番だといえる。 コミュニティに属するコミューン企

          小説:Backwash Detonation 002 ファッション・コンパイラ

          ドデカンジオール

          世界全体に暗雲が立ち込めていた 皆が並び立つ可能性を示唆し それを聞き その後を追うものを指差して帯同の列から外していく その多くが諦め 断念し その途上で消えていく 魂の困窮はどの世界でも起きている 閉塞し前に進めずにいる人々は 足並みを揃え立ち止まる うず高く積もった可能性の山は切り崩されている 身に着けた不相応な可能性は自らをそこに縛り続けている では可能性とはなんだ? 流れを我がものとする理か? 川に抗うのが才能か? あの時代 流れの速い川に驚き その

          ドデカンジオール

          短歌Snap -神無月- Aoiao

          玉結ぶ 庵の梁間の涼しけれ 陵の御魂も風と騒ぎぬ たまむすぶ いおのはりまのすずしけれ りょうのみたまもかぜとさわぎぬ Aoiao #note短歌部 #現代短歌 #短歌 #短歌Snap #Aoiao

          短歌Snap -神無月- Aoiao

          【Backwash Detonation 用語解説】

          次元転送装置 次元を移動する為の装置。 転送甲殻と呼ばれる一人席を備えた隔絶空間に乗り込み移動する。 転送都市 次元転送装置のある都市のこと。ポータルは数と設置場所が条約によって制限されており、必然的にポータルが設置されている都市が栄える。 構成都市 ポータルのない都市のこと。ほとんどが寂れてしまっている。 新言語 言語統一条約により生成された人工言語。各構成次元の公用語であり、旧来言語はほとんど話されなくなった。各構成次元ごとのスラングが多く、地方訛りが存在する。

          【Backwash Detonation 用語解説】

          【Backwash Detonation 登場人物】

          霧島 時空子 職業ステータス:アイドル(休業)→私立探偵 十八歳 一から十二の構成次元より選抜されるアイドルグループ「Archetype12」のフロントメンバー。 ソロデビュー曲「ヴァーチュアルラビット」でソロ活動を本格化しはじめた矢先に記憶泥棒の被害に遭う。 宇佐 綾乃 職業ステータス:アイドル 二十一歳 アイドルグループ「Archetype12」のフロントメンバー。 少しおっとりした美人。霧島とは友達。 七国山 栞 職業ステータス:次元警察 特別犯罪捜査官 二十六歳

          【Backwash Detonation 登場人物】

          短歌Snap - 如月 - Aoiao

          染めの海 焼けの波間の更衣の 息切れ切らす世の渦の中 そめのうみ やけのなみまのきさらぎの いききれきらすよのうずのなか Aoiao #note短歌部 #現代短歌 #短歌 #短歌Snap #Aoiao

          短歌Snap - 如月 - Aoiao

          短歌Snap - 夏 - Aoiao

          雨開き 雲の流れも天高く 晴れ間の広い碧い山道 あめびらき くものながれもてんたかく はれまのひろいあおいやまみち Aoiao #note短歌部 #現代短歌 #短歌 #短歌Snap #Aoiao

          短歌Snap - 夏 - Aoiao

          短歌Snap - 文月 - Aoiao

          天の川 一夜の橋に綺羅星の 交わす合図は皆空の上 あまのがわ ひとよのはしにきらぼしの かわすあいずはみなそらのうえ Aoiao #note短歌部 #現代短歌 #短歌  #短歌Snap #Aoiao

          短歌Snap - 文月 - Aoiao

          無常感との戦い

          「明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは」 人生何が起こるかわからない。 明日も咲いていると安心していると、夜の嵐で桜が散ってしまうかもしれない。 桜を例に、人生や世の中の無常感を現している。いつの世もそういう無常でありながらも しかし、どこか連続性のある何かによって人間は心を磨いてきたのかもしれない。 現代的な無常感の始まりは常に、莫大に消費されていく情報によりもたらされる。 あたかも、桜が散るようにさめざめと。 この情報の消費は心の栄養を伴わない。 無常感

          無常感との戦い