見出し画像

『ことばの生まれる景色』原画展 ブックショップ カスパール(葉山) 2019.5.18-2019.5.29

新緑の美しい季節、葉山のブックショップ カスパールでの展示がスタートしました。『ことばの生まれる景色』にも登場する、永井宏さんゆかりの地でもある葉山。ぜひゆっくりと展示をお楽しみください。

恒例の、nakabanさんデザインによるショップオリジナルスタンプもご用意してお待ちしております。

店内では、ナナロク社フェアも開催中です。ぜひお手にとってご覧ください。

【カスパール 展示作品】計17点『旅をする木』星野道夫
『ミラノ 霧の風景』須賀敦子
『よいひかり』三角みづ紀
『独り居の日記』メイ・サートン
『苦海浄土』石牟礼道子
『自選 谷川俊太郎詩集』谷川俊太郎
『夏の仕事』永井宏
『遠野物語』柳田国男
『かわいい女・犬を連れた奥さん』チェーホフ
『1973年のピンボール』村上春樹
『色彩論』ゲーテ
『楢山節考』深沢七郎
『ジョルジュ・モランディの手紙』ジョルジュ・モランディ
『小さな家』ル・コルビュジエ
『若き日の山』串田孫一
『門」夏目漱石
『声めぐり』『異なり記念日』齋藤陽道

〈ブックショップ カスパール店主・青木真緒さんへのQ&A〉
1)『ことばの生まれる景色』の中で、好きな作品は?
『よいひかり』
絵を見ているととても明るい光にようなものが心の中にあふれてきます。
詩から連想されるもの、でもどこまでも自由なような気持ち
色や光が楽しげに、心の中に小さな憩いの部屋を作るよう。
ベルリンで暮らしていた時のちいさなアパートの部屋も思い出しました。

2)もし自分が作品を選んで、nakabanさんに絵を描いてもらうとしたら
どの本を選びますか? 可能でしたらその本から選ぶ一節も教えてください。

『うたかたの日々』ボリス・ヴィアン
ネズミは二つの小さな目を閉じると首を猫の顎にのせた。
猫は注意深く尖った犬歯を小さな首にゆっくり置いた。
猫はふさふさしたしっぽを歩道に垂れ伸ばした。
ちょうど都合よく孤児院の11人の盲目の娘達が歌を唄いながらやってきた。

nakabanさんの絵を見ていると音楽が聞こえてくるようだと思うことがあります。それは陽気で同時に少し寂しいような音楽。ボリス・ヴィアンの小説に出てくる歌のシーンや、動物たちのシニカルなやりとり、nakabanさんの絵で見てみたいです。

3)展示に関して、お客様にひとことどうぞ。
さまざな本の中を旅しているような気持ちの良い展示です。葉山にゆかりの深い永井宏さんの『夏の仕事』についての辻山さんの文章、nakabanさんの絵、たくさんの方に見ていただきたいと思います。ぜひ遊びにいらしてください。

*  *  *

青木さん、ご回答ありがとうございました!
葉山といえば、夏のイメージが強いかもしれませんが、実は春から初夏のこの季節がいちばんのベストシーズンのような気がします。展示の帰りには、ぜひ一色海岸のほうまで足を伸ばしてみてくださいね。

(写真と文・川口恵子)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?