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「はじめまして」「いいえ、私ずっとはいましたよ」

知らない人に自己紹介。中卒フリーライター、ほぼ無職。人生のほとんど無職。いつ仕事なくなってもおかしくない、だから頑張らなきゃという気負いでやってる、フリーライターのaoikaraという人間です。

高校中退、予備校中退、専門学校中退の3連単。ついでにバイトも1ヶ月で辞めた。

もちろん全部、辞めようと思って始めているわけじゃない。そのときは「全力で頑張ろう」と思って、全力で頑張る。

だけど、いかんせん不器用だし実力もないから、やる気に追いつかない。できないことの方が多い。そうすると周りにも迷惑をかける。そんな自分がいたたまれなくなって、逃げ出してしまう。

周りからすると突然いなくなる。すごく迷惑。かといって強い印象があるわけでもないので、誰かの心の中で思い出されることもない。「あーいたね、そういう人。てかいたっけ?」そんな感じで、ジ、エンド。

「そんなのおかしいから、病院へ行った方がいい」って言われたこともある。実際行ったこともある。だけど私は診断が下るほどの何かではなくて、ただ堪え性がなくて、生きづらいだけの人らしい。


そんな私は挫折しまくりで、とにかく逃げて、人間関係もリセットしまくりの人生だった。おかげさまで、今もスマホの連絡先に友達が1人しかいない。

私は自分に対して、「何も続かないダメ人間だ」と思っていた。どうやって生きていこうか。こんなに無能な人間がどうやって生きていけるのか。

明日が来るのが本当に嫌だった。誰かに会うのも嫌だった。プライドだけは一人前で、誰よりも自分のことを情けないと思っていて、そんな自分を他人に見られるのが嫌だった。引きこもり、とまでいかなくても、特に何をするわけでもなく家にいた。

周りには不安も伴った心配をされていた。甘やかしてもらえる環境があったから、甘えにどっぷり浸かっていた。それが恥ずかしくて、でもそうするしかなくて、自分がダメダメだとより認識させられた。

でもそんなんじゃダメだって思って、家にいながらパソコンを使う仕事を始めた。給料なんて全然良くない。それでも、自分が何かをして稼ぐことができただけでうれしかった。「私でも役に立てるんだな」と。

半引きこもり状態で、パソコンでの作業を続けるようになった。途中、ぷっつりと糸が途切れたように、辞めてしまう時期もあった。また同じように「私は続けられないんだな」と落ち込んだ。

それでも気持ちを立て直して、戻ってきたら「心配していましたよ。良かったです」と声をかけてくれる人がいた。迷惑をたくさんかけているのに、そんなことを言ってくれる人がいるなんてと、申し訳なさとありがたさでいっぱいになった。そんな人たちのためにも頑張りたいと思った。

自分が好きな“書く”ということを仕事にできて、挫折もして、間違いもたくさんしながら、それを続けられている。それはいつの間にか生きがいになっている。今だって迷うしもがくけど、それは好きだからこそ、真剣に考えているからこその悩みで。

自分のことはダメダメで、社会に出るのがとても怖かったけれど、今は納税もして社会に参加しているという感覚がある。やっと「社会人です」と言えるような気がする。まだまだ、成長過程ではあるけれど。


高校も辞めて、予備校も辞めて、専門学校も辞めて、バイトも辞めて、何もかも続かなかった私は、ライターという仕事をしてからすでに5年が過ぎた。人生が変わったと思う。

そこにはたくさんの人との出会いがあった。嫌な思いをしたこともあるけれど、思い出すのは素敵な人ばかり。今交流があるのも、良い人ばかり。信頼できなかった私でも信頼してくれた、優しい人たち。そんな人に信頼してもらって、優しさを返していきたい。

それだけじゃない。私は、“知らない自分”に山ほど会った。「自分でお金を稼げる自分」「書くことができる自分」「仕事をする自分」「もっと頑張ろうと思える自分」「信頼できる人間になろうと思える自分」「納税できる自分」「将来を考える自分」「続けられる自分」「生きがいを見つけた自分」「誰かの役に立ちたいと思える自分」…こんな自分を5年前は想像できなかった。

劇的ではないけれど、確実に人生を変えていく。人生を変えてくれるのは、新たな自分との出会いなのだと思う。

人生って誰もが初体験で、予想外のことが山ほど起きる。で、失敗もする。なるべく失敗をしないように、自分の経験値からベストな答えを出そうとする。何度も失敗すると、「自分はダメだ」と結論づける。

でも、「自分はこういう人間だ」と決めつけると、それ以外に気づけなくなる。実は、自分が知らない自分もいる。昔はできなかったことも、今になってできることもあって、そこで新たな自分を発見することもできる。

見つけられるのは、良い自分だけじゃない。「やっぱり怠け者な自分」「同じ事を繰り返してなかなか成長しない自分」がいることにも気づく。じゃあどうしようと、立ち止まって考えて、「行動する自分」もいれば大丈夫。

最近は「明るくなろうとしている自分」「ちょっと社交的な自分」「友達を作りたい自分」もいる。「こういう自分になりたいな」と、また新たな自分との出会いを探している。

人はいくらでも変われる。良い意味でも悪い意味でも。もちろん多様な要因があるから、だからあなたも頑張って、なんて軽々しくは言わない。

そうではなくて、自分が思っている以上に自分って奥深いから、いろんな角度から探してみたら一歩踏み出せるかもって伝えたい。「はじめまして」っていう自分は「いいえ、私はずっといましたよ」って隠れてるから。

私はまた自分が変わっていくのが楽しみ。なりたい自分はいるし、こうなっていたいという将来もあるし、こうなりたくはないという不安もある。だからこそ、いつでも“新たな自分”を探していきたい。


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