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浮かぶ日々。

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最近の記事

無題

冬の夜、空気は澄んでいる。 ひさしぶりにゆっくり息をして、気付けた深夜。 部屋には出しっ放しの扇風機と、なにも挿していないちいさな花瓶。 朝が迎えに来るまで、もう少し我儘を言っていたい。 #エッセイ #冬の夜 #深夜

    • 繰り返し

      何度だって 繰り返すのだろう。 裏腹に、人一倍に忘れっぽい僕は。 会いたい時に会いたいって言っちゃだめだなんて間違ってるね! 会えないからこそ、会いたいって言おう。 会いたい、君に会いたい! 人は必要とされないと腐っちまうね。 #エッセイ #会いたい

      • on the beach

        「友達になってくれませんか?」 男は声をかけた。 女二人は顔を見合わせたが、その屈託のない笑顔に警戒心はすぐ消え失せた。 男はもうすぐ沖縄からこの地へ転勤するらしく、現在は前研修で短期間ここに居るらしい。 親しい友達も海も、まだここにはないのだと言う。 「休みなんで仕事の勉強をしてたんですけど、こんな良い天気だから、もう居ても立っても居られなくて海に来ちゃいましたよね。」 男の足元を見ると、ビジネスホテルの名前の入ったスリッパは砂にまみれている。 ホテルのスリッパ

        • ピンクに想いを馳せる

          黒髪にしたら、 セットをしないとなんとも冴えない髪型になってしまって。 何の用もない休日でもそれなりの身なりをして整えたい私は、髪型が決まらないだけでなんだかすごく退屈で憂鬱な気持ちだった。 それから 久し振りに、ベリーショートにした。 とってもモードになるようなパッツンマッシュの。 弱々しかった心が、急に数百人の兵に守られた気がした。それはとても心強かった。 私の中で長い間、自分を何者かに見せて自分を他から守るためにファッションは存在していた。 でもそろそ

          ちぇっ

          と思っていた。 あの娘に直接会うまでは。 文章上でのやりとりで、あの娘がなかなか一歩目を提案してくんないもんだから、ちぇっ、けち、とさえ思っていた。 一昨日、彼女に会った。 あわよくばこちらから切り出そうとさえ思っていた。 しかし彼女はとても親身に相談に乗ってくれ、優位に立とうとせず、自分のことのように頭を回転されてくれた。いつも、彼女はそうだ。 そして控えめにそれを提案した。 途端、自分がとてつもなく恥ずかしく惨めなかたまりのように思えた。 わたしは

          ちぇっ

          つん、とした

          匂い もやもやと充満する部屋で 今夜は寝ます すこしだけ、いい予感がするのです これからの生活 気のせいかもしれなくても 今はすこしだけ、浮かれていたい その為にすこしずつ、変わらなきゃね。 大丈夫、きっとわたしは大丈夫。 根拠のない大丈夫ほど、無敵なものは無いと思うのです。 だからきっと、大丈夫よね #エッセイ #セルフネイル #マニキュア #ADDICTION

          つん、とした

          檸檬トースト

          明日、だいすきな人に会いに行くために早起きをする! この頃、3時を過ぎないと眠れないという自堕落な習慣が意識せずとも身に付いてしまったので、今夜はそれではまずい、と、夜にお酒を嗜んで早く眠りにつく作戦を企てた。 急に背筋をピンと張るような作戦では即効性がないので、我ながら堕落を堕落で治す良い方法だと思った。が、わたしはあることに気付いてしまった。 ほろよいだろうと、ビールだろうと日本酒だろうとなんでも、お酒を飲んだら翌朝私はちょっとやそっとじゃ起きられないことを。 困

          檸檬トースト

          コップの中の離島

          科学的なソノ色の水に、ぷかりと浮かぶ白くて冷たいソレ。 私がクリームソーダを意識し始めたのは、大人になってからだ。 正直、こんなに食べ物や飲み物が溢れ返る世の中で、舌の肥えた現代人にとって、クリームソーダを超える″美味しい″はいくらでもあるだろう。 むしろ、食べ物の味だけを評価したランキングを付けたら、全食べ物の中で、果たして真ん中より上位にいるかも危うい。 それでも、なぜこんなにも、私に限らず、クリームソーダには人を惹きつける力があるのだろうか。 見た目の美し

          コップの中の離島

          甘くも苦くも、スパイシーに漂う

          10年前から片想いをしていて 3年半前に付き合えた彼と 2週間の同棲で関係が壊れてしまった。 きっと私の人生の中でこれからも、この人を越える大恋愛はない気がしてるなあ。 映画にしたら、なかなか面白いと思う。 男性役は、成田凌くんがハマリ役かな、美化されすぎだけど(笑) まだ生傷は痛むけど、別れたことに関してはまったく後悔や未練はない。むしろすごく良い経験になったし、彼には感謝しかない。 私は今まで、仕事も、人間関係も、嫌になったら、自分の都合よく、逃げるよ

          甘くも苦くも、スパイシーに漂う

          言葉を交わすこと

          文字に起こすこと 拙くても、下手くそでも、だんだんと削ぎ落とされて核の部分に近付いていく。 私はわりかし文章を書くことは好きなんだけれど、的確に言葉にすること、論理に基づいて説明をすることがとても苦手で、逃げてきた部分がある。話も上手く出来なくて、体験談を話そうとしても、始めに結論や結果から言ってしまったりして、全然面白おかしく話せなかったりして、へこむ。 でもこの頃は転職活動中ということもあって、言葉にせざるを得ないし、簡潔にど真ん中を伝えなければならなくて。 それ

          言葉を交わすこと

          うたかた/サンクチュアリ

          題名の中で最も、きゅんきゅんする甘いタイトル!!!! 活字が苦手なのと集中力がないので、本は普段全然読まないんだけれど、吉本ばななさんだけは気が向いたら読んでいます。 出会いは、昔登録してたブログサービスでフォローしていた憧れ的女性のブログで、よく紹介されていたのをきっかけに。 吉本ばななさんの、表現とか、思わせる情景とか、言葉の言い回し、すごく感情をぎゅっと掴んでくるの。大好きです。 でも普段ほんとうに本を読まないので、内容を忘れたころのに同じ本を何度も読む、み

          うたかた/サンクチュアリ

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          ここ一年ちょっと、ずっと宙に浮いたような日々で。 そんな中 新しい時代が始まったようだ。 ゆらゆらとまったく現実味がない日に、ぐいっと強い現実を無理矢理に押し込んでいるようなそんな気持ち。 時間だけが流れていっていて、 まだ心は過去に取り残されている。 それでも、嫌々でも、真っ当に生きねばと過去の自分と対話しつつ、今の、これからの、自分に丁度いいより少し上の日々を探っている。 前だけじゃなくて、後ろの自分とも手を繋ぎつつ、再スタートの準備を静かにしていきたい。