クラシカルDJが選ぶ 「今!聴いてほしいクラシック」 vol.0


 クラシカルDJとは、その名の通りクラシック音楽のみをミックスするDJ。

世界中どこを探してもクラシカルDJは僕、Aoi Mizunoしかいないらしい。

バロック、古典、ロマン派、近代。17世紀から20世紀まである幅広い全てのクラシック音楽を様々な文脈に落とし込み、それをハーモニーで繋いでいく。
始めた時は遊びのようなものだったけれど今はそれを生業にし、クラシック最大の名門レーベル「ドイツグラモフォン」からデビューアルバムをリリースさせて貰えているのだから、人生は何が起こるか分からなくて本当に面白い。

DJって結局なんなんだろう?って考えてみた。

ほかの音楽家とちがい、人様の音源を用いてステージに立つDJが持つ力とはなんだろう?その答えは思いのほかすぐに出た。

それは、「人と音楽を繋げること」。
出会うはずの無かった人と音楽が出会うきっかけを作り、その新しい音楽の世界の入口を開いてあげること。

それこそが、DJという楽器を演奏しない不思議なミュージシャンにできる一番素敵なパフォーマンスなんだ。

「人と音楽をつなぐ」ことを今もっとも必要としているジャンルがクラシック音楽。

「クラシック、興味ある。でも、何から聴けばいいの?どこから探せばいいの?」

こんな言葉を今までたくさん聞いてきた。僕はちゃんと、これらの声に対して丁寧に答えてきただろうか?
しっかりとその人の好みに合うものをキュレーションしてきているだろうか?

自問自答した答えは否だった。

今までの僕はいつも「聴けば凄さがわかるから!」「とりあえず聴いてくれ!」と表面的な愛のない言葉でぶっきらぼうにゴリ押ししてきただけ。
せっかく僕を通じてクラシックに興味を持ってくれた人たちのために、何か出来ないか。そう考え抜いて出した答えが、このnoteの活用だった。

100%リスナー向けの全く新しいクラシック音楽レコメンド・メディア

いわゆるポップスはアーティスト名と曲名さえ分かれば、誰もが簡単にひとつの結果に辿りつく事が出来る。

しかしクラシックになるとそれは容易な事ではない。作曲家名と曲名が分かっていても検索結果には膨大な数のアルバムが表示され、どれを聴いていいか分からなくなってしまう。

Popsなど :アーティスト→曲名
クラシック:作曲家→アーティスト(演奏家)→曲名

ポップスでは上記の2ステップスで済むものがクラシックではひとつステップが増えてしまう。これこそが「クラシックが聴きにくい」事の純粋でかつ大きな原因のひとつだと思う。

でも、これがクラシックの最大の面白さなんだ。

同じ作曲家の同じ曲を、様々な人がそれぞれの解釈で演奏する。正解なんてひとつもない。曲が生まれてから数百年たっても常に変容し続け、多様化していく。これがクラシック音楽が数百年間生き残ってきた強さでもある。

そんな面白さを逆手にとって、このnoteでは作曲家も、曲もレコメンドしない。
その代わりに今を生きるアーティスト(演奏家)にスポットを当てていこうと思う。

クラシック=作曲家の方程式をぶっ壊す

クラシックのおすすめ、と言われると大抵の人は作曲家の名前を挙げる(モーツァルトとかラヴェルとか)。それを聞いたあなたの検索結果には先述の通り膨大なアルバム達がこちらを睨んでくるだろう。

これがもし作曲家ではなく、現存するアーティストだった場合どうだろう?

「クラシックだったらAってピアニストがおすすめだよ!」
「このaってアルバムが特に良いよ!」

そう言われれば一発で聴くアルバムに辿り着ける。そしてそのAさんがリリースしているアルバムもきっと10枚くらい。
曲や作曲家の好みはそのAさんのアルバム達から知っていけば良いんだ。
そうやって好きな曲を見つけていく。

そして、そのAさんが現役バリバリのアーティストなら、新譜が出る。ライブにも行ける。他のジャンルの好きなアーティストのように、常にワクワクさせてくれるあなたの宝物のような存在になり得るんだ。

これが僕が考えついた新しいクラシックの楽しみ方。

随分と前置きが長くなってしまったけれど、ここから記念すべきアーティスト1人目のレコメンドを、始めていきましょう。


クラシック界に風穴をあけるスーパーバンドとそのフロントマン

テオドール・クルレンツィス
×
ムジカ・エテルナ

いまクラシック界で最も注目されている男、それがこのギリシャ人40代の「若手」指揮者クルレンツィス。そしてクルレンツィスが第二の故郷ロシアで創ったオケがムジカ・エテルナだ。

普通、オーケストラは様々な指揮者と公演をして、指揮者は様々なオケを振る。
でもクルレンツィスとムジカ・エテルナはその活動のほとんどを共にしている。
このコンビの関係性はまさにバンドとフロントマンのようだ。

レーベルとも指揮者とオケが一緒になって契約を結んだ。これは本当に珍しいことで、それだけ深い関係性だということ。

今は共に世界中をツアーにまわっていて、今月初来日を果たす。そのチケットは超一流オケ並みの高値(S席¥20000)で売られたにもかかわらず、発売直後にすべて完売。

フライヤーに記された「別格。」という文字通りの現象が既に来日前から起こっている。

その別格コンビの作る音楽、それを一言でいえば「圧倒的なグルーヴ」。
他のオケの音源には無かったマットなサウンド、爆速のテンポ感。クラシックってこんなにアガるの?!と、クラシックがかつてのPopsでありRockだった事を僕らに思い出させてくれる。

まずは下に作ったプレイリストの一曲目、「フィガロの結婚序曲」(Le Nozze Di Figaro) を聴いてほしい。出来れば「クラシックを聴く」と思わずに。開始直後に口角は必ず上がるし、聴き始めて10秒後には身体が勝手に踊り出してしまう。この曲を知っている人は、この曲に対するイメージが大きくアップデートされると思う。知らない人でも「おいおいクラシックって実はやべー音楽なんじゃねえの」って自然と口から台詞が溢れる。

あらゆるパートがありえないほど鮮明で情報量がヤバい。まさに聴覚の4K。

昨夏ではクラシック界の殿堂、ザルツブルク音楽祭でベートーヴェンの交響曲全曲を演奏し、これも完売。ほかの巨匠たちの演目を完璧に食ってしまったらしい。

彼らの音楽には、クラシック界が長らく忘れていた「何か」があるんだ。その「何か」を追いかけるのに今からでも遅すぎる事はない。これからもっと大きく面白いものを見せてくれるって僕は確信している。ぜひチェックしてみてほしい。

このノートに連携するSpotifyのプレイリストはコチラ。レコメンドしていくアーティストのお勧めを追加していくので、ぜひフォローお願いします。
https://open.spotify.com/user/aoi_muzica/playlist/3DLPzTEMgoPvM8n7uzmWMa?si=K2iIo8c4TjOgDL2QlCXFDA
#クラシック #音楽 #蒼く生きるクラシカルレコメン

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Aoi Mizuno

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