スターポケット 今日はくもり

わたしは祈る
愛おしいものが存在しているこの世界が
たしかにここにあることを
認識されなければ存在しないあなたは
ではもう既に認識されなくなった世界のどこからきたのだろう
こんなに美しいあなたよ

わたしはどんどん忘れ去られるはずだ
でも今もなお記憶にいた
ちっぽけな自分の苦しさの色も知らなかった
わたしのことがあのひとの記憶にいた
下手くそだったのにね
小さなマシュマロがたくさんのった
ほっとしょこらの塩辛い味
教室を出るときの嫌な視線
狭い階段をすれ違うあの子
4次元に消えてしまうレオタード
壊される透明なわたし手から生み出された四角い城いつから嫌いだった?
わたしはもうどんなことにも泣かないと決めた
悔しさで泣かない哀しさで泣かないと
気づかれずに液体だけを膝小僧に吸い込ませる
まばたきもしないで立ちすくむ愛のかたまりの前で頭に感じたてのひらのあたたかい優しさ
きみのある愛
そしてまた懲りもせずに生きる
わたしは歓びにあなたを見つめている

あなたを世界から見ようとして
わたしを星々から見ようとして
また怖くなる
生きることと死ぬこと
知らないよりは
よっぽどいいだろう
愛おしい人を思いやりたい
弱さを知って強くなっても
強くなって弱くなりたくなっても
ぷかと浮いても
研ぎ澄まして潜っても
そうであってもそうでなくても