赤衣月子

詩と文章。そして日記も。心の世界と目の前の世界について感じたことや見えてきたもの。

赤衣月子

詩と文章。そして日記も。心の世界と目の前の世界について感じたことや見えてきたもの。

最近の記事

「何もなし!」

自転車で通りかかった工事現場から聞こえてきた 「何もなし!」というおじさんの声。 確信に満ちたそれは、いつまでも残り いつしか安心と希望の声に変わった。    人生の中で「何もなし」は寂しいような虚しいような 空っぽな自分を想像してしまうけれど 毎日を、何事もなく終われることは素晴らしいことだし 何もない、と言うことは これからなんでもあり、なことと一緒だ。   ないからこそ選べる、好きにできる。 何かがすでにあったとしたら これがあるから、と新しさや好

    • 上がり落ち 上がり落ちと 波を繰り返す とどまることのない揺れ 流れ 動き 時に大きすぎる波に飲まれて 溺れて喘いでいる バシャバシャと落ちることを恐れて抗うのか 飲まれるままに沈み その恐怖と苦しみに全身で潜っていくのか どちらも選べる どちらでもよい 波に抗い続けている限り 同じところでずっと闘い続けることになる だけれど飲まれるままに沈みゆく先は 冷たい闇の中、広い世界が見えてくる 静寂の中で自らの呼吸に耳をすませ 取り巻く闇に包まれている間 わたし

      • 見えない暗闇の先が絶望だと決めつけて その火を自ら消してしまわないように 暗闇の先は誰にもわからない 火が燃え上がるのは あなたの願い 信じる心があるから その先に光があると 勇気を持って進むから その火を自ら消してしまわないように いつか誰かの光になるから

        • 求めるもの

          あれなのかこれなのか 答えは見つからない 最初から 答えはわかるようになっていない これが答えだ というものがあるのかもわからない ただ、いまある場所から見える景色を ひらすらに味わい生きる 求めるのはそれだけなのかもしれない

          魔法

          昨日からずっと 神経はピリピリ頭はゴンゴン 気持ちはぎゅうぎゅうしていた しんどい泣きたい苦しい 全然頑張れない でも 好きな人に会ったら コロリと消えた 嬉しくて楽しくて笑って ああ、また頑張れる そう思えた 好きな人は魔法だ その力は本当にすごい

          闇をみて 光をみて また闇に戻り 光を待つ 繰り返し 揺れうごき定まらず 道もなく あてもなく 広がる世界 まるで水のように それが「わたし」の世界

          アイ

          まあるくてあったかくて やさしいなにか 包まれるとうれしくて にっこりとしてしまう、あれ その感覚を いつも自分の中に いつかではなく 誰かからでもなく 今すぐに自分から

          世界

          海の底 クジラはたゆたう 優しく微笑んで 色の音を紡ぎ出す  春風のささやきにうっとり目覚め 子供のような黄色いはしゃぎ声 心の癒しは森の中へ ときに嵐のように黒い怒号を巻き上げ 真っ赤に燃え上がる 冷たい悲しみに青い雫が落ち 空白の世界にただひとり 見つけるのは空に浮かぶ虹と 好きな色の愛の言葉

          おやすみ

          からっぽ なにも浮かばない    わたしから生み出されてくる 言葉やイメージは 豊かな水があふれ 立ちのぼる火があるから つながりを求め風が吹いて 心地いい庭へ根付きたいと願うから からっぽも、ときどきいい ぷかぷか浮いて ちょっとおやすみ

          おやすみ

          美しく

          美しく生きたい 思いやりがあるだろうか 誰かの喜びになっているだろうか 心に愛があるだろうか 問いかける 美しく優しく 広くありたい

          またひとつ

          自分を責める前に やるべきことがある 振り返り、寄り添って 声を聴いてあげよう 怒りを聴いてあげよう 悲しみを聴いてあげよう わたしはここにいるよ、と抱きしめよう そして、立ち上がろう またひとつ、痛みを知った豊かなわたしとして

          またひとつ

          そういう時間

          まあ、いいか あれこれ考えても なにも起きてないしね 心配してもね 結局は大丈夫   なにもない時間は ゆっくり待つ そういう時間 自分の中から生まれ出るもの あたためるもの 思い出すもの 考えるもの そういうあれこれがあるから 時間を与えられている そういうもの   今はまだ動かなくていい じっとして感じていればいい

          そういう時間

          眠りの中で

          眠りと眠りの合間 少しだけ意識が戻ってきたとき その小さな意識の隙間に あなたのことが浮かんでくる ぼんやりと影のような姿だけど あなただとわかってしまう   何を思っているだろう 次会えるのはいつだろう    夢うつつの中で浮かんでは 眠りの中に溶けていく

          眠りの中で

          余白

          空白ではなく 余白であり 待ち時間であり 準備期間 何もないわけじゃない   もっと広げていくための余白 サプライズ受け取るための余白 大切な最後のピースが入るための余白 余白はいっぱいあるといい

          夢から覚めて

          夢から覚めて 目をひらく 涙は翼に変わる 朝が来て 目を閉じる その声は虹へと消えていく 夜が来て 見つめる その闇に溶けていく姿を

          夢から覚めて

          心の居場所

          気づかないかもしれないほどの小さなすれ違いや ちくっと胸を刺す小さな痛み 毎日これらを飲み込んでいる それらはお互いさまで そんなつもりもなくて言ってしまい 後から気になることもある   いつでも全部が整って 過不足なく綺麗で心地よい訳ではないし 刺激があり、時に傷ついて痛みがあり 後悔があり、気づきがあり ぐるぐるぐるぐる繰り返したあとで やっと、「でも大丈夫」と思ったりする   心の居場所は そうやって見つけていくんだな

          心の居場所