大倉山の風の傾向を見てみた~2022/23シーズンのW杯の本戦5試合から~



なぜ調べようと思ったのか

大倉山は風が強い、ばらつきがあるとよく聞くため、実際に大倉山は、どの程度の風速が一般的で、どの程度ばらつくのか明らかにしたかったためです。
今回は、昨シーズン大倉山で行われたスキージャンプW杯の男女の本戦5試合のうち、FIS公式記録の風速のデータを使用しました。

各試合ごとの平均風速、標準偏差

それでは、さっそく結果を見ていきます。まずは各試合の傾向から。

表1 各試合ごとの平均風速、標準偏差

こうしてみると、試合により平均風速にばらつきがあることがわかります。

もっとも向かい風が平均して強かったのは1月22日の試合で、逆に最も追い風が強かったのは、1月7日の試合です。

続いて標準偏差(データのばらつきの大きさ)でみると、最小は1月7日の試合で、最大は1月21日の試合です。
1月7日の試合以外は0.4前後となっていますので、大倉山では少なくとも平均風速±0.4mくらいの当たり外れは覚悟の上で、ジャンパーの皆さんは飛ばなければいけないかもしれません。

また、一般的に大倉山らしい風の強さの試合は、1月22日のような試合だと思います。

図1 各試合別の風速のヒストグラム

時間帯別の平均風速、標準偏差

さて、試合ごとにばらつきが大きいため、時間帯によって特徴がないか調べてみました。

すると、午前中は基本向かい風が強い傾向がみられました。
一方で、夕方から夜の試合では、弱めの向かい風から追い風が中心にみられるようです。

このことから、大倉山は時間帯によって風向きが異なるジャンプ台であると推測されますが、調べた試合数が2試合と少ないため、傾向をもう少し調べる必要があります。

表2 時間帯別の平均風速、標準偏差など


図2 時間帯別の風速のヒストグラム

全試合の場合の風の傾向

5試合分を合算してみますと、風速は非常にばらつきが大きいことがわかりました。
しかし、他のジャンプ台のデータと比較をしてみないと、本当に風速のばらつきが大きいジャンプ台なのか、正直わかりません。

図3 5試合の風速のヒストグラム

まとめ

・大倉山は、昨シーズンのW杯5試合の風速の傾向をみると、午前中は向かい風、夕方は弱めの向かい風~追い風が吹く傾向にあるかもしれない。

・ばらつきが大きく見えるが、ほかのジャンプ台と比べてみないと、本当に風速のばらつきが大きいジャンプ台なのかは判断できない。


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