#この仕事を選んだわけ

この仕事を選んだわけ、何だろう。妻に言われたから、だろうか。
今の仕事は、何だろう、妻の手伝い、だろうか。
「家事手伝い」という言葉があるが、そんな感じだろうか。「主夫」というほど家事業に特化した感じでもない。
妻は施術業、セラピスト業を営んでいるが、その補助というか助手、あるいは庶務や雑務と言ってもいい。
振り返れば、10数年前まで出版関連の会社に務めるサラリーマンだったが、妻に「やめな」と言われて辞めた。その後は自営となり、クライアントから仕事を請け負う、いわゆる出版関連の下請けプロダクション業を営んでいたが、それも妻に「やめな」と言われてメイン業務から外した。
思えば、仕事の岐路にさしかかるたびに、妻の「やめな」の一言があった。人生の選択の多くを、妻の判断に委ねてきたと言ってもいい。
それでいいのか。いいのだ。妻は洞察力、判断力、サバイバル力に長け、時代の流れを読んだ上で「やめな」と言う。自分に、そういった力はない。が、聞いてその通りに遂行する力はある。だから、聞いておいたほうが結果的にいい。
もちろん、選択の際に不安も動揺もあるが、不安1割動揺1割に対し、安心4割期待4割、といったところだ。
逆に、多くの判断を委ねられる妻にも、もちろん迷いや躊躇はある。妻が問うてきたら自分は、特にアドバイスはしないし、もちろん否定もしない。「いいんじゃない」と背中を押すのみだ。
もう一度問う。この仕事を選んだわけ。選んだというか、この仕事になったわけ。きっと、妻がそう言ったから。

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