見出し画像

そろそろ終わりにしたい、消したいこと

絶対に思い出したくないし知られたくもないエピソード、という人生においていくつかあり、そういう話というのは起きてから何年経っても、一向「いやあ実はこんなことがあってね」と人に話す気になれない。
今日書くのはそんな、人に知られたら終わってしまう話の一つである。

最近は落ち着いてきたのだけれど、中学生から大学生になるくらいまで私には癖というか性質というか、精神が弱っているとき、特定の友人に依存してしまうときがあった。相手はわりと誰でもよく、男友達だろうと女友達だろうとかまわない。

ある日いきなり相手の顔立ちとか、性格、話しぶりの全てが好ましく思え、こっそり後をつけたり、定期的に一方的な連絡を繰り返したり、その人に近づく人間がいれば特に何を言うでもないけれど疎ましく思うという感じで、最近までこれが世に言う「恋」なのだと思っていたが違うと気づいた。
依存でしかない。

加えて問題だったのは、私は自分に自信がなく、自分のことなんて少しも好きではないので、依存する相手も私のことを少しも好きではないことがほとんどだったことだ。

自信がない人間にこそ、「君はそのままでいいんだよ」などと全肯定をしてくれる相手が必要なのだと思うが、私の場合は自信がなさすぎて「そのままでいい」などという言葉を信じることができず、結果として自分のことを軽く見る相手のことばかり信じ、執着してしまうのだった。

これも、私のことを全く好きではなく、むしろ疎んじていたEちゃんを追いかけまくっていた時の話である。大学一年生の時だった。必須科目のテキストが読めど読めど理解できず、サークルでもやりたいことが全然できず、家から大学が遠すぎてまともに睡眠時間を確保できない、そんなどん底だったものだからつい、サークルで一番の人気者だった彼女に固執してしまった。

EちゃんのTwitterを覗いては些細な文言から恋人の有無を探ろうとしたり、Facebookで知り合いと一緒に写っている写真を見つけたらその知り合いを妬みまくったり、めちゃくちゃなLINEを送ったり、それで無視されたら泣いたりと、SNSを活用して自分の精神をすり減らしまくっていた。ちなみに今、彼女とは数年会っていないし、これを書いている今も顔も思い出せない。あの時期はなんだったのだろう。

彼女も私のことを忘れていたらいいなと思うが、普通に迷惑をかけまくってしまったので覚えているかもしれない。これは大変申し訳ない。
様々の奇行の中でも二番目に忘れたいものと一番目に忘れたいものをここに書き殴っておく。これで捨てたいと思っている。バイト中に思い出して「うわあ~」と思うのはもう嫌である。みなさんも読んだらすぐ心から破棄してもらいたい。

まず二番目に忘れたいもの。
これはサークルの帰り、みなで飲食店に入ったときなのだが、その日の活動は少人数で行っていたからEちゃんがいなかった。みんながEは今日いないのか、などと言っているのを聞いたら、なぜか私は無性に彼女に会いたくなったため、彼女にLINEで、「今みんなで○○の二階にいるんだけど、来ない?」みたいなことを十回くらい送った。

しかし一向に彼女がそれを読む様子がないので業を煮やして電話までかけ、そこまでやってから、あれ、これものすごく気味が悪いかもな、と思った。

そこからさらに、Eちゃんがもし、私の言ったとおりにこの店に来たら、みんなの前で、「空絵、LINE多すぎて気持ち悪いんだけど」みたいなことを言うのではないか、おとなしくて地味な私が実は連絡魔だということが知られたらサークルに居場所がなくなるのではないか、と病的な妄想に陥り(本当に病気だったのかもしれないな)、いてもたってもいられなくなって荷物を置いたまま店から飛び出した。

その日は豪雨であった。傘も差さずに飛び出した私はなぜか店の外の交差点のところまで出て号泣してしまい、その後やっぱり濡れるので店に戻った。ずぶ濡れで再入店したときの様々な人の視線がつらかった、そんなエピソードである。書いたら思ったよりどうしようもない話だったので、いつかこれについてもっと詳しく書くかもしれない。

そして一番忘れたいもの。
これはもしEちゃんに知られていたら彼女との関係性の全てが終わっていたかもしれないことである。

一時期、彼女は授業とサークルの両立が色々と厳しくなって、寝る間を惜しんで課題など色々やった結果、サークルに出るまでの時間、部室の隣にある、机といすが雑多に積まれた物置部屋で眠っていることが多くなった。

私はそれを知り、ある日、本当に本当にこれは怖いことなのだが、彼女が寝ている部屋に忍び込み、その奥で眠ることにした。ちなみにこの時の気持ちとしては、彼女がもし同じ部屋で寝ている私に気づいたら、ちょっと運命的なものを感じてくれないかな、みたいな期待であった。

自分で書いていて怖すぎるのだが、本当にそう思っていた。だからちょっとドキドキしながら眠りについたのだが、普通に眠りこけてサークルに遅刻した。あわてて部屋を出たときEちゃんはそこにおらず、おそらく私にも気づかなかっただろう。

しかし、もしもあの時私が見つかっていたらどうなっていたんだろう。しつこくLINEを送ってくる奴が、自分が昼寝している部屋にこっそり忍び込んで寝ていたなんてバレたら、それこそ本当に問題になっていたのではないか。
そう考えると今でも緊張する。見つからなくてよかったなあと思う。

私は今、友人やら恋人やら全ての人間関係を遮断して生きており、それを寂しく思うこともないではないのだけれど、こういう細々とした依存や病みのエピソードを思い出すたびに、私は一人で生きていくのがとりあえずの正解かな、と思ってしまう。

昨日書いたもの→訣別の金曜日に響く英語のこと

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

サポートしていただいたものは書籍の購入にあてる予定です…! (本屋に行くと一度に7000円使うヤバい人間のため)

11

青木空絵

アオキソラエです。思い出をまとめた2000字くらいのエッセイを半年ほど毎日投稿していましたが、2019年以降は不定期更新に切り替わっています。旅行に行ったら旅行記を書き、生活で辛いことがあったらエッセイを書き、という形でやっていく予定です。よろしくお願いいたします。

エッセイたち (2018/09)

2018年9月2日から30日までに書いたエッセイをまとめました。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。