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プラチナプリントというアート

こんにちは。ご無沙汰しています。
今までこのブログに対して、レイエッセンスの魅力について”より素敵な文章で”お届けしたい!という気負いがあったことに気づきまして、これからは日々の出来事やぐっときたトピックも自由に書いていこうと思います。

さて、今日ワクワクしながらご紹介するのはフォトグラファーであり、”プラチナプリンター” の北原祐一さんの活動についてです。

これまでプラチナプリントという存在に触れる機会がありませんでした。一体どのようなものでしょう?

モノクロ写真の表現に惹かれる方には、ぜひ一度は見て欲しい印画です。

プラチナプリントは、希少な貴金属であるプラチナとパラジウムを感光素材に使った、品格のある美しいモノクロームのプリントで、紙の耐久性が保たれる限り褪せない "永遠の画像" と言われています。

写真プリントは、パソコンとプリンタによって簡単に印刷されることがほとんどの昨今ですが、一点一点手焼きによって作成される印画手法の中でも、その最高峰と言われているのがプラチナプリントです。

印画手法の中でも、最高峰・・・とても気になります。

昨今気軽にスマホで写真を撮ることが普通で、プリントすることさえも少なくなってきましたよね。私の手元にある思い出写真も劣化まっしぐらで、データで残しておく方が手軽で安心みたいな考えが主流ですよね。

音楽やファッションが過去と現在をループするように、写真の世界でも ”写ルンです" を持つことがファッションの一部になったり、モノクロフィルムを使った撮影を楽しむ若者も増えてきたように感じています。

デジタル・アナログ媒体の話で想起するのは、たったワンタップで時間と国を超えて様々なジャンルの音楽に触れられるようになった現代において、圧縮されたデジタル配信の音源ではキャッチできない領域を再生してくれるCD媒体+良質なスピーカーやヘッドホン、さらにノイズを含んだレコードのノスタルジックな味わい深い音質・・・それぞれの魅力を目的別に楽しむ人が増えてきていることと同じベクトルなのかなということ。

「アクセスの容易さ」と「クォリティの高さ」と「絶妙な質感」を行き来できる豊かな時代になりましたね。

レコードを買い集める若者の姿からも、アナログ媒体特有の魅力を再認識したりします。

・・・とここまで書いたところで、北原さんの手記を拝見していたら同じアナログレコードの例えの記述を発見!今一人喜びに震えております(笑)

さて話は戻りまして、あまり耳なじみが無いこのプリント技法は普段私たちが知っている写真の現像やプリンター出力と何が違うのでしょう。

プラチナプリントという技法は、1873年のイギリス発祥。しかし、とても高価な薬剤を使用する繊細な技法であることから、利便性が重視される時代に一度衰退して、1970年代から復活してきているとのこと。

具体的な技法の詳細については北原さんの手記を読んでいただくとして、私がビビッと来たのはこちら。

プラチナプリントには非常に優れた、高い芸術性があります。ほんの少し褐色を帯びた色調とやわらかいトーンが生み出すノーブルな美しさは、時を経たビンテージプリントのような雰囲気を持っています。

こっこれは・・・惹かれる方、多いのではないでしょうか?
ぜひ一度見てみたいです。

そんな折、プラチナプリント作品と出会う場が東京で開催されると知りましたのでご紹介します。これは貴重なご縁なのではないでしょうか?(ワクワク)

北原祐一プラチナプリント写真展 「What am I doing here?」

・日程:2023年11月15日(水)~19日(日)
・場所:清澄白河(東京都江東区)
・入場無料
・ギャラリートーク・プラチナプリント談話会(最終日)

私の大好きな清澄白河での開催というのも胸熱で、趣のある空気感を纏う場であることは間違いないと期待が膨らみます。
芸術の秋に未知のアート作品に出会うなんて素敵♡
ご興味のある方はスケジュール空けておいてください。
詳細わかり次第また記事にしますね。

そしてさらに私がグッと来てしまったポイントは、プラチナプリントが持つ ”アート性” (まだ見てないけど)に加え、 ”永続性” です。
この技法を経て生まれた写真は500年以上美しさが保たれるとのこと。
紙が劣化しない限りはそれ以上記録を維持し続ける媒体としても優れた能力を持っているようです。

つまり歴史や文化・人々の営みの記録と伝承を担う存在でもあるということですよね。

そして私たち一人一人の大切な思い出をも。

北原さんは、千曲川の氾濫後、傷んでしまった写真の復元の活動をされた経験もお持ちなのだそうで、お会いする機会があったらこうした体験についてもお聞きしたいと思いました。

”プラチナプリンター” という職業といいますか存在は、時を超える記録を司る職人でありアーティストなんだなという印象を持ちました。

現在、北原さんは写真家としてご自分の作品をプリントしたり、他の写真家さんから注文が入った時に薬品等を整えて、作品毎に場を立ち上げてプリント作業をしていらっしゃるそうです。
ルーティン化した量産体制の業務と異なり、これは大変なことだと容易に想像できます。技術の継承ですよね。

今後はプラチナプリント作品に惹かれた方々からの受注も考えていらっしゃるそうで、そんなラボが誕生したら素敵だなと思いますし、北原さんのような方だからこそ、このような活動をぜひしていただきたいと強く思います。

これまで活動拠点である長野県を中心に10年近くプラチナプリントの写真展を開催されていたそうですが、初めて東京で開催する主旨としては、より多くの方に作品に触れてほしいという想いからとのことです。

このような意味を持つ写真展を応援したいと思う方は多く、9/30より行っているクラウドファンディングには、わずか1日で目標金額の1/2を達成する支援者が集まったそうです。

クラファンに参加する時って返礼品が目当てというより、その方の起こすムーブメントに微力ながら参加したい・応援したいという気持ちが強かったりしますが、今回は返礼品が素敵すぎることもお伝えせねばなりません!

選択するコースによっては、プラチナプリントの小作品や栞をいただくことができるとのことで、それすなわち東京の写真展に行けない方にもプラチナプリント作品に触れる機会を提供なさっているというのが胸熱ポイント(うるうる)。このリターンでクラファン成立するのでしょうか・・・。

以下にクラファンのサイトを貼っておきます。
”興味はあるけど支援まではちょっと・・・”という方も、北原さんのお人柄が垣間見える活動に対する純度の高い想い、プラチナプリントの魅力について知ることができる知的好奇心大満足のコンテンツなので読んでみることをお勧めしておきます。

知らなかったことを知る、今はマイナーだけど広く世に送り出したい活動を推すってわくわくの極みであります。

それでは。

※北原さんの許可を得て写真を使用させていただきました。ありがとうございます。

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