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笑劇 : キングオブコント2021を見て

皆さん、こんばんわ。
翔平です。

最近は業務の繁忙さやその他諸々忙しく長文を書く余裕がなく、前回投稿から非常に間隔が空いてしまいました…

そんな久しぶりの投稿は先日行われたキングオブコント2021についての感想記事になります。

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いやー今年は素晴らしくレベルが高くてめちゃくちゃ面白かったですよね!
終始笑って見てしまいました。

そんなハイレベルだった今大会を僭越ながら僕目線で感想を述べていこうと思います!

①蛙亭

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第七世代で最近メディア露出も著しい蛙亭。僕自身このコンビのネタをちゃんと見るのは初めてでした。なによりも掴みボケの緑色の液体を吐くっていう今までのKOCどころかコントでも見たことのない強烈な掴み…素晴らしいですね。基本は背景と衣装と会話で展開する動きの少ないコントでしたが時折見せるヌルヌルを嫌がるボケなんかは良いアクセントでした。ボケとツッコミがぬるっと入れ替わりながら進んでいくのも物語性があって良かったですよね。何より中野君の見た目がコントキャラとぴったりでした。トップでしたが大変良いコントでしたし実際点数も高得点でしたが、個人的には奥行きというか、散りばめておいて回収する要素がもっとあってもよかったかなと思いました。ちょっと平面的に見えてしまったのが残念でしたがこのあたりは「若さ」かなと思います。

②ジェラードン

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北関東の雄たる大宮セブンの一角。チャップリンなんかでもよく見る中堅芸人では屈指のコント師。得意ネタのアイドル握手会だとかみちぃが女装変人で西本が変人役が多いですが今回は逆。服装以外全くそのままの西本が凄く良かったんですが蛙亭の中野君の後だと最初はちょっと薄く見えてしまいました。ただやっぱり実力者ですよね。男女ものをさせたらやっぱり面白い。海野君の主張しすぎない範囲内での強弱のあるツッコミも良かったですね。終盤に向けてアクションで盛り上げていく形も○。見ていて胸焼けしそうなくらい濃いコントでした。

③男性ブランコ

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失礼ながら全く存じ上げていなかった無名のダークホース。個人的に今大会で最も刺さったのはこのコンビかもしれません。何よりも今大会出場者の中で、ツッコミの浦井君の演技がダントツに上手い。ボケの平井君のキャラクターが引き立つのはこの浦井君の「普通を演じる技術」が非常に高いからではないでしょうか。衣装のみでセットもないシンプルなコントながら演技力に加えて終盤での「え?」と思わせる場面転換は見事でした。全てがバチッとハマった素晴らしいコントだったと思います。前の二組と比べても、「二本目が見たい!」と思えましたね。

④うるとらブギーズ

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2019年大会準優勝コンビ。昨年の陶芸家コントは渋い結果だっただけに不安でしたが今年は良いネタでしたね。まず序盤は佐々木君のボケをたたみかけて散りばめて、中盤以降は八木君の笑いを堪えるモーションで回収していくありそうでなかったスタイル。見ている側への「共感」を一番誘ったネタだったんじゃないでしょうか。八木君の我慢する演技が凄く良かったですよね。もっと高い点数がつくかと思いましたが、以外と伸びなかったですね…

⑤ニッポンの社長

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2年連続決勝の伸び盛りの若手。まず目がいってしまったのは元野球部芸人の辻君の打撃フォームの綺麗さ。さすが全国制覇チームの5番打者は違いますね。ネタとしてはボールが体に当たるボケ一点突破ではあるんですが、当たりに行き方をだんだんと強烈にしていくことでケツ演じるおじさんの奇人感をどんどん盛り上げていくという素晴らしい熱の上げ方。ケツの当たる演技が上手すぎましたね。最後のオチは見ている側の「いやホンマに上手いんかい!」っていう心のツッコミが聞こえてくるような良いオチでした。昨年とはまた違うスタイルで勝負をしてきて良いネタでしたがファイナルには残れず。

⑥そいつどいつ

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話題の高円寺芸人の一角。基本は「顔パックの彼女がホラーっぽいモーションをしてくる」ボケのパターンを複数たたき込んでくるネタでしたが、ボケの大きさを「小→小→大→小→大」のようにしっかり大きな山を作って強弱を大きくしていたのはお笑いとしての力が凄く高いと思いました。ただホラー系のネタとしては言い方は悪いですが「オーソドックス」だったかなと。これはどうしても仕方ないことですがもっと違う裏切り方があるともっと点が伸びたのかなと思います。

⑦ニューヨーク

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昨年準優勝にしてすっかり売れっ子になったニューヨーク。ウエディングプランナーが変人という一点突破ネタを細かいツッコミの差異で見せ方を変えていくコント。ニューヨークらしいネタでしたが、言い方を変えれば「予想通り」。このコンビに関してはちょっと言い方が悪くなるんですが、この数年賞レースで見てきて「ネタの伸び代が少ない」と感じてしまいます。おそらく昨年大会のネタを今大会でしても結果は変わらなかったと言いますか、見られる機会が多くなっているからこそ凄く成長していると思えませんでした。数年前のM-1のかまいたちに小朝師匠の言った「面白いけど勝ちきれるネタではない」がそのまま当てはまるのではないかと。周りのレベルアップに対してついていけてないなと感じてしまいました。

⑧ザ・マミィ

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酒井のバラエティ露出の目立つコンビ。ネタをちゃんと見るのは初めてでしたが、見る前は酒井のキャラクター通りのネタなのかな?と予想して見ていましたが大きく期待を裏切られる面白さでした。まず酒井と演じる変わり者のおじさんとの親和性の高さ。この変なおじさんでボケていくのかと思いきや、林田演じる天然過ぎる若者との触れ合いでおじさんがまともに見えてくるという見たことのない展開。思っていた以上に社会派でハートフルな展開になりましたがめちゃくちゃ面白かったです。さすがコントの人力舎所所属だなと思いました。

⑨空気階段

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3年連続の決勝で常連となった実力派。今までの空気階段だと動きの少ないシュールな展開ともぐらのキャラクターを混ぜて笑いを取りに来るスタイルでしたが今回は大きく変えてきました。とにかく二人とも動く動く。なによいかたまりがここまで動くのを初めて見ました。ただ設定はらしいというか、SMクラブの客が警察と消防なんていう意外と思いつかない設定で良かったですね。物語性も小ボケもキャラクターも全てが完璧なネタでした。歴代最高得点も納得の一本でした。

⑩マヂカルラブリー

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主要賞レース完全制覇を目指す大宮セブンのエース。こっくりさんをマヂラブらしい切り口で皮肉ったコントでしたが、やはり売れて手の内が世間に知られてしまったが故の「慣れ」が完全に裏目に。松ちゃんの言ったように「ほぼつり革」でしたし、今までなら目に触れる機会が少ない中で他のコンビとの差別化ができていましたが、すっかり有名になってしまった今だからこそ、かつてNON STYLEやパンクブーブー、和牛なんかが見せたようなアップデートがまだ間に合っていなかったのかなと思いました。

ファイナルステージ①男性ブランコ

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一本目と同じような普通と奇人のコントでレジ袋有料化をネタに昇華させる社会派な面も。この二人は衣装のみのシンプルなコントが本当に上手い。やはり演技力の高さ故だと思います。ただお菓子を落とす点は確かに目につき過ぎましたし、これでネタのテンポが間延びしてしまう不安を見ている側に与えてしまっていたのは惜しい…。図らずもスクワットだったり3円は最後の砦だったり大の袋は5円だったり…、ポイント毎にセンスあふれるボケを挟んでくるところは本当に才能溢れていますし、今後が非常に楽しみなコンビです。

ファイナルステージ②ザ・マミィ

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一本目の酒井のキャラクターと親和性を持たせたキャラを軸にしたコントから一転、しっかりとしたコントらしいコントで、見ている側としては「酒井こんなきっちりした役もできるんや」と感心してしまいました。ドラマかドラマじゃないかのボケ一点張りで攻めるネタで、終盤までは本当に良い盛り上げ方でしたが、オチの弱さが非常に惜しかったです。誰もがある程度予想の効くオチではない、斜め上の裏切りがあればもう5点は上がっていたかもしれません。とはいえ若くしてこれだけのネタの手数があるのはシンプルに凄いですし、来年以降の大会でも魅せてほしいですね。

ファイナルステージ③空気階段

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二本目は空気階段らしいもぐらにシュール過ぎるキャラクターを乗せてかたまりの常識人との対比で笑いを作るコント。ただ「小学生のときに作ったオリジナル漫画のコンセプトカフェ」なんて斬新も斬新すぎて誰も思いつかない設定の時点でもう優勝でしたね。こんなコント作れるなんて信じられない…。キャラを引き立たせるような豆にこだわってる設定だったり、終盤の爆発的な笑いの渦の作り方も完璧。文句なしの優勝でした。

以上が個人的な今大会の総評となります。一般の素人が何を言うかって感じではありますが、今大会は本当にレベルが高すぎて、出ている全員が今後確実に賞レース常連やメディア露出が増えるんだろうなと思えるような素晴らしい大会でした。M-1グランプリ2019並みの充実しすぎた大会で本当に面白かったです。

空気階段優勝本当におめでとうございました!!

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