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天使

京都暮らしも1年9ヶ月になり、暑さ寒さの厳しさを知り、      日々、命の更新を続けている。
庭には毎日出て、雑草を抜いたり、芝の上で瞑想を楽しんでいる。
庭は、自然界の縮図でもある。

コロナと共存して暮らす日々。
人間以外の生き物は、生き生きと命を輝かせている。
私も自然の一部。
太陽の恵み、雨の恵みをしみじみと感じる朝に、感謝せずにはいられない。


春の日の出来事。
ウグイスの囀りを聴きながら雑草を抜いていると、           小さな男の子の声がした。
ここは、車道から細い私道の突き当たりにある庭で、         時々人が迷い込んでくる。
男の子が、迷いなく庭に入ってきた。

「天使?」

思わず、そう呟いた。
若いお母さんが追いかけてきて、謝っている。

「いつでも遊びに来てください」

帽子&マスク姿の私は笑顔で、庭の奥まで案内した。
左側には青い芝、右側にはシロツメグサの白い花が満開。
男の子は心のままに庭を探検し、小さな命たちと対話して、帰って行った。
真っ赤なベストがよく似合う、可愛い子だったな。

ある日の午後、部屋で仕事をしていると、あの男の子の声がした。
天使の再来に胸が弾む。
天使はしばし滞在して、お帰りになった。

このトキメキ。
じゅわじゅわとふくらむ心。

天使は、いろんな姿で顕れ、私たちの心に光を灯すのね。
ありがたき幸せ。


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