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今しがた名古屋を知る「大ナゴヤツアーズ」

平成30年に実施された『都市ブランド・イメージ調査』によると、名古屋で行ってみたい魅力的な場所、一位は「名古屋城」。そして第二位がなんと、「特に思いつかない」だった。他にも、熱田神宮や東山動物園、レゴランドも選択肢には含まれていたのにだ。
思うに、「昔ながらの名古屋」のやや自虐的なイメージがどうしても重なるのだ。味噌煮込みうどんのビジュアルを否定された事が一度くらいはあると思うし、名古屋城のすごいところを聞かれても、金のシャチホコくらいしか答えられない。
だが、ちょっと待て。
大ナゴヤツアーズで覚醒してしまった私は指摘せずにはいられない。

ではもし、選択肢が次のようなものだったら、いくつ「行ってみたい」を選ぶだろうか。

『秋のビール日和!クラフトビール6種飲み比べと柳橋中央市場』
『妖怪愛好家と行く!名古屋百鬼夜行【尼ヶ坂編】』
『元蓬左文庫調査研究員と歩く!熱田神宮ツアー』

全部!って答えても驚かない。実際わたしの友人は迷いに迷って丸二日メールに返事をよこさなかった。
これらはすべて、大ナゴヤツアーズが実際に企画したツアーのタイトルだ。
「今しがたのナゴヤ」は、名古屋を愛する人たちの熱によって、こんなにも魅力的に変身を果たした。もともと「名古屋」が持っていた魅力が「ナゴヤ」となって生まれ変わったようだ。

大ナゴヤツアーズを運営するのは、NPO法人大ナゴヤ・ユニバーシティー・ネットワーク内にある大ナゴヤツアーズ実行委員会。
さらに実際のツアーでは一般のボランティアが加わり、とにかくアットホームなのだ。
スタッフはツアー中、草間の影からツアー参加者たちがズブズブと魅力に嵌っていく姿を眺め、終わることにはポンっと肩を叩いてにっこり笑う。「あなたも、ハマっちゃいましたね」と。

ツアーには一人で参加する人もかなり多い。私もこれまで数回参加したが、誘い合わせて行ったのは一度だけだ。年齢層も様々で、知的な好奇心を持つことには、そんなもの関係ないのだと毎回思い知らされる。
ツアーのメンバーは体験を通して一緒に感動できる。ツアーが終わった頃には同じものを面白いと思える仲間にだってなれる。年齢も職業も飛び越えて、一人の人間として友達ができるのだ。

今日もどこかで、甘い誘い文句に引き寄せられた人たちが、このツアーの虜になっていることだろう。
同団体は他にも、町中で伝統芸能に出会える「やっとかめ文化祭」や、新しい働き方と地域の求人を結ぶ「大ナゴヤ大学はたらく課」などを運営している。
人とのつながりって何だっけ、ナゴヤのこともっと知りたい、面白いことないかなーという人、是非一度踏み込んでみてほしいと思う。ここの扉はいつも開いている。

大ナゴヤツアーズ
https://dai-nagoyatours.jp/

大ナゴヤ大学 はたらく課
https://hatarakuka.jp/

やっとかめ文化祭
https://yattokame.jp/

名古屋在住。祖母と飼い犬を愛する三十代。 生まれも育ちもマイナス思考だったが、パワハラ上司に対処しているうちにすっかり図太くなる。 物事は常に陰謀論的に考えることで、人の数倍楽しめるという秘儀を身に付けた。